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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「仕事の大義」を見つけよう (戦略思考/荒木博行)

「仕事の大義」を見つけよう

荒木博行 戦略思考

17/02/03

「3人のレンガ積み」というイソップ童話をご存知の方も多いでしょう。
旅人が旅の途中で3人のレンガ積み職人に出会います。同じようにレンガを積むことに励んでいるのですが、それぞれ「何をしているのか?」という質問をした際、辛そうに「レンガを積んでいる」と答えた職人、必死な様子で「カベを作っている」と答えた職人、そしていきいきと「歴史に残る偉大な大聖堂を作っている」と答えた職人、という3通りの答えが返ってきた、という話です。
もちろん、最も良い仕事、すなわち良いレンガのカベを作るのは誰か、と問われれば、答えは明快。「最後の職人」だと答えるでしょう。同じ「レンガのカベを作る」という目標に向けて必死に従事したとしても、そのレンガの先にあること、つまり「大聖堂を作る」というミッションを持ち、そしてそのミッションが自分の実現したいこととマッチしている人こそが、「良い仕事」を成し遂げる、ということを私たちは理解しているからです。

しかし、私たちは得てして、最初のレンガ積み職人になってしまいます。目の前にあるタスクをひたすらこなすだけの毎日・・・。これでは良い仕事はできません。グロービス経営大学院の門を叩く人の中には、こういう状態に陥ってしまった人が「そもそも自分は何を目指すべきなのかを見定めたい」という思いを抱えてくるケースが少なくありません。

ではこの1人目の職人状態から脱却し、3人目の職人、つまり自分なりのミッションを持って仕事をするためにはどうしたらよいのでしょうか?

これには3つのステップがあると考えています。
最初の一歩は、今やっている仕事の意味を問うてみることです。
営業をしている人がいれば、その商品やサービスを販売することは顧客にとってどんな意味をもたらすのか、ということを考えてみる。そしてさらにその先の意味を問うてみる。もしそれが顧客の利便性向上につながるものであれば、さらにその利便性向上というものが顧客にとって何が嬉しいことなのか、どんな影響があることなのかを考えてみるのです。このように、自分は誰のために、そしてどんな目的のために仕事をしているのか、ということについて、少なくとも2回以上問い直していきましょう。おそらく、そこには企業のビジョンのような抽象度の高いキーワードが出てくるはずです。

そして、次のステップは、考えたキーワードを言語にして、誰かに語ってみるということです。
頭の中でぼんやりと考えるだけではなく、敢えて言葉にして誰かに伝えてみる。そうすると、2つの側面から気づきが出てきます。一つは言うまでもなく、伝えた相手からのフィードバックや質問が返ってくるということ。「抽象度高すぎてちょっとよく分からない・・・」とか、「本気で言ってる?」など、予想しなかった反応が返ってくるでしょう。その反応がさらに私たちの思考を回し始めます。
そしてもう1つの側面は、自分の言葉を自分の耳で聞くことにより、自分自身がその言葉にどれだけ腹落ちしているか、ということに気づく、ということです。自分にとってしっくりきていないことは、言葉にしてみればすぐに気付きます。「あ、この辺は自分の言葉になっていない・・・」というのは語る本人が敏感に気付くことができます。そのためにも、言葉にして語る、という行為は極めて重要です。

その上で、3点目は最後の仕上げです。それは、思い切って目線を上げて、自分が語った仕事の意味の延長に、「世の中の課題」にどのように寄与していくのか、ということをつなげていくことです。言うまでもなく、世の中というのは様々な課題があります。そして、自分の仕事の延長には、必ずその課題解決に貢献できる部分が存在するはず。自分の仕事と世の中との接点がダイレクトに見出しにくい、という人もいると思いますが、最初のステップにおいて、ある程度抽象度を上げておくことができれば、世の中の課題との距離感もある程度近くなっているはずです。そして、もしそこに一本の線がつなげることができれば、自分はこの大きな課題解決のために仕事をしているんだ、という「仕事の大義」が見えてくるのです。

「仕事の大義」なんて考えているよりも、何も考えずにレンガを積んでいた方がスピードは速い、という側面があるかもしれません。しかし、それは短期的に正しくても、長期的にレンガを積み上げていくためのモチベーションが続きません。そして、何よりも、それだけの単純作業であればすぐに機械に置き換えられてしまうでしょう。大義が描けない仕事には将来性はないのです。

「~をしなければならない」、「~をすべきだ」というMustやShouldに追い立てられている人は、ひょっとしたら単にレンガを積み上げているだけの最初の職人になっている可能性があります。一度立ち止まり、改めて仕事の大義を考える時間を作ってみてはどうでしょうか。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 荒木博行

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