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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 品質管理(1):日本車の品質ランキング (企業戦略、生産管理/目代武史)

品質管理(1):日本車の品質ランキング

目代武史 企業戦略、生産管理

17/02/01


生産管理ではよくQCDという言葉を使います。QCDとは、Quality、Cost、Deliveryの略です。つまり品質、コスト、納期のことを指します。QCDは、生産競争力の三大要素と言われており、生産管理の重要な管理目標となっています。今日はこのQCDの最初の要素、品質に関するランキングを紹介したいと思います。

 今日とりあげるのは自動車の品質ランキングです。アメリカの調査会社JDパワーという会社が毎年発表しているランキングをご紹介しましょう。

 では、まず日本市場における調査結果をご紹介します。最初にとりあげるのは、初期品質調査です。これは、新車を購入したユーザーに購入後2ヶ月から9ヶ月の間に経験した不具合を聞いたものです。車百台当たりに不具合が何件あったかという形で表示します。
 2016年調査の第1位はトヨタです。不具合件数は100台当たり62件でした。第2位ダイハツは不具合64件でした。以下3位がホンダ、4位レクサスと続いていきます。日本市場ではトップ10のうち8ブランドが日本車ということから、やはり日本メーカーの品質競争力が際立っているといえるでしょう。

 車は乗っていくうちにブレーキから異音がしたり、エアコンがカビ臭くなっていったりということがあります。こうした経年劣化に伴う品質が耐久品質です。この耐久品質調査は、新車購入後3年から5年経ったユーザーに最近1年間に経験した不具合を報告してもらうというものですが、やはり件数が少ないほど品質が高いという事になります。
 2016年の日本市場のランキングを見ていきますと、トップはレクサスでした。レクサスはトヨタグループの一つですので、さすがトヨタといったところでしょう。僅差でホンダが2位、トヨタ本体が3位という結果でした。耐久品質のトップ1位から9位が日本車を占めていました。というわけで、日本メーカーの品質の高さがうかがえます。ちなみに第10位につけたのがドイツのアウディ。以下14位まで全てドイツメーカーでした。

 3つ目ですが、これは車の魅力度に関する調査です。最近では、衝突回避システムや車線逸脱警報システムなど安全に関する機能が車購入の重要な選択基準になっています。また外観のデザインや内装の心地よさなども重要なポイントになっています。こうした車の機能性、快適性、デザイン性を評価したものが、自動車商品魅力度調査といわれるものです。
 この調査結果は、最初の2つと対照的です。ランキングトップは日本のレクサスでした。しかし、2位から6位は全て外国ブランドが占めていました。2位はドイツのBMW。3位がボルボ、4位がメルセデスベンツという結果でした。日本勢で上位につけていたのは、1位のレクサスはもちろんなのですが、その次がマツダとスバル、これが同点で7位。9位にトヨタ、10位にホンダという結果でした。トップ10に入っている外国ブランドというのは、実は全て高級車ではありますが、車の魅力づくりという点では、ヨーロッパのメーカーに一日の長があるように思います。

 商品魅力度の面ではたしかに遅れをとっている面もある日本車ですが、品質面ではやはり強いという風にいえると思います。ところが、海外市場の品質調査を見ると意外な結果が見えてきます。
 そこで、アメリカ市場における品質調査をご紹介したいと思います。
 北米市場における2016年の初期品質調査で一位となったのは、意外と思われるかもしれませんが、韓国の起亜自動車でした。第2位がポルシェ、第3位が同じく韓国の現代自動車でした。日本勢のトップはトヨタで第4位につけています。日本勢ではその次がレクサスの8位、日産の10位、三菱が21位、スバル23位、ホンダ24位、マツダが28位となっています。
 日本市場では日本車が品質ランキング上位を独占する一方で、アメリカ市場では、日本車の多くがランキングの真ん中あたりから下位に低迷するという非常に不思議な現象が生じています。また、耐久品質調査は、初期品質よりは若干ランキング上がっているのですが、ずば抜けて品質がいいというわけではありません。この理由として一つ考えられるのは、アメリカで販売されている日本車の大半が現地生産車で、現地工場の品質管理の実力が反映されたものと考えられます。

 それでは今日のまとめです。
 品質は生産競争力の三大要素の一つです。日本車は高品質で知られています。ところが海外市場の品質ランキングでは日本車の順位は必ずしも高いわけではありません。日本のものづくりの実力を理解する為には、国内だけではなく、海外の状況にも目を向ける必要があります。

分野: 企業戦略 生産管理 |スピーカー: 目代武史

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