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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > アメリカ大統領選とソーシャル・メディア (イノベーション・マネジメント、国際経営/朱穎)

アメリカ大統領選とソーシャル・メディア

朱穎 イノベーション・マネジメント、国際経営

17/01/11


前回はアメリカ大統領選について経営戦略論の観点から見てみましたが、今回はよりマーケティングのアプローチのひとつとして、ソーシャルメディアの観点から見ていきたいと思います。前回で話しましたように大富豪のトランプ氏がアメリカのブルーカラーから多大な支持を得て、大統領として選出されましたが、実はこの出来事は事前の予測とはかなり外れて、常識で想定できないことが起こってしまいました。一見してみれば大富豪とワーキング・クラスとは全く異なる世界の話なのですが、何故ここまで結びつくことが出来たのか、実はソーシャルメディアというのが大きな役割を果たしていたと言えます。一般論としては、限られた資源の中でより多くの人達とコネクティング出来るのは、やはり現代科学の産物であるソーシャルメディアを超えるものはないのではないでしょうか。特に今回のアメリカ大統領選の結果というのは、ある意味で草の根ネットワークの逆転と言っても過言ではないと思いますので、こうしたソーシャルメディアの役割が実は大きいというわけです。選挙においてソーシャルメディア戦略を最も上手く使っていたのが、実はオバマ大統領です。例えば2008年初当選の際に、フェイスブックなどを積極的に活用し、当時の若者からかなり大きな支持を得ることが出来ました。そして、2012年の再選キャンペーンの際にも専門家集団を結集し、ソーシャルメディアを有効に利用するためにいかに分析をすればいいのか、徹底的に様々な分析を行いました。例えばソーシャルメディアで投稿するとそこにコメント欄というものがありますが、そうしたコメントを徹底的に分析すれば、支持者において一体どのような変化、或いは傾向があるのかを見出すことが可能です。ここでひとつのエピソードを紹介しましょう。ある時期にフェイスブックなどに投稿しているコメントを分析すると、どうもカリフォルニア州の中年の裕福な女性層において、オバマ氏の支持率が低いことが分かり、それを受けて中年の裕福な女性層にとって最もあこがれの存在とは誰かを分析すると、なんと俳優のジョージ・クルーニーだとわかりました。その後、オバマ氏はクルーニー氏と積極的に写真を多く撮るようになり、写真が撮られた後に行った資金集めのパーティなどでと調査を行ったところ資金集めが急激的にアップしました。これはソーシャルメディアのひとつのエピソードに過ぎませんが、ソーシャルメディアというのは、実はこうした現代問題を上手く解決する色々なヒントを与えてくれるということになります。

ソーシャルメディアを通して得られた情報から戦略を変えていくということです。今回の大統領選においても、実は両方候補共にソーシャルメディアを使っていましたが、ヒラリー氏陣営は前回も説明した通り、資金は豊富だったため、テレビのコマーシャルにおいてはるかに大きな広告費用を使っていました。一方のトランプ氏は限られた資金の中でソーシャルメディアを最も使っていたということが言われています。トランプ氏のツイッターなどは非常に過激な用語を含むことが多く、主流マスコミの批判の的にもなっているわけですが、しかしもう一方では主流ではない階層の人達から見れば、彼らが抱えている現実問題に対する不満を代弁するかのように位置づけられることが出来たということです。

現実問題に対して色々な不満があり、それをどうやって解決するかわからない、悩んでいるラストベルト地域の住民達も多くいましが、彼らから見れば主流の既存の政治家よりもむしろアウトサイダーの方が、より自分の意見を代弁できるというふうに解釈していたと言えます。もう一方では伝統的メディアと比較して、ソーシャルメディアというのは即時性と相互効果の面において優れたパフォーマンスを発揮することが可能です。例えば別の例を挙げると、『星から来たあなた』という韓国のドラマがありますが、このドラマというのはアジア各国で大変人気を呼んだそうです。これは要するに、これまでの伝統的ドラマの作成過程とは異なって、作って放送するのではなくて作りながら放送していきます。また、プロセスにおいて、視聴者との相乗効果を図るために、ソーシャルメディアを活用していました。例えば主人公はハイネックのセーターを着用するシーンが多かったのですが、これに対して視聴者から大変不評で、そういう投稿が多かったことがあります。投稿をデータ的に分析すると、今度制作側は視聴者の声を反映するかのように、主人公の服装を替えることにしました。これはすばらしいと思います。作った後にユーザーの声を汲み取るというのは後の話になりますが、作りながらユーザーの声を吸い上げて修正していくということが非常に重要です。


それでは今日のまとめです。
今日はアメリカ大統領選について、よりマーケティングの観点からソーシャルメディアの役割を見てきました。このようなソーシャルメディアの即時性と、相乗効果を上手く活用する経営戦略はもっと増える必要があると言えるでしょう。

分野: 経営学 |スピーカー: 朱穎

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