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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ASEAN経済共同体 (企業財務 M&A/村藤功)

ASEAN経済共同体

村藤功 企業財務 M&A

17/01/30


今日はASEAN経済共同体についてです。EUの真似ではという疑惑もありますが、ASEANでも人・物・金を自由化して色々なものを自由に流通させようということになり、2018年までに関税を撤廃しようという話になっています。日本でもこれを側面支援しようということで、ASEANを東西に横切る東西経済回廊や、その南でまた東西に横切る南部経済回廊に3年で7,500億円くらいお金を出す予定です。中国はASEANを南北に横切る南北経済回廊を支援しています。元々、日本はタイからASEANのマーケットを攻めるつもりで、国ごとの市場ではなく、ASEAN全体で自由市場になってもらえれば助かります。欧米企業は中国が中心で実はそんなにたくさんASEANに進出していませんが、日本はものすごくタイに入れ込んでいて、タイからASEANへという戦略をやっているところです。政治でいうとタイは今少し問題があります。2014年5月に軍事クーデターがありました。旧憲法が廃止され、現在は軍政権の暫定憲法が定められました。去年(2016年)の10月にブミポン国王が亡くなり、息子のワチラロンコン国王が新国王になり、新憲法が導入されて民政復帰する予定なのですが、新国王が自分に関するところを憲法修正せよと言ったため、民政復帰が少し遅れそうだという状況です。経済でいうと、軍事クーデターが起こった2014年は成長率1%未満であまり成長できませんでした。軍の下でも、それなりに安定して去年で成長率が3%くらいまで戻ってきて、新憲法で民政復帰できれば、ちゃんとタイも安定するだろうと思われていました。ですが、民政復帰は大幅に遅れています。

証券取引所でいえばシンガポールが最大ですが、2番をタイとインドネシアが争っているというような状況です。タイにはマレー半島を横切るようなクラ地峡という陸で狭くなっている場所があります。ここに運河や鉄道を通してしまったら、別に船がシンガポールの先のマラッカ海峡を通らなくてもよいのではないかといった話になります。ただマラッカ海峡は、現状は東アジアからインドへ抜ける大変重要な通路で、華人社会としてはマラッカ海峡が不要になるようなことを許すかどうかということが問題です。クラ地峡に運河や鉄道が出来るとなればロジスティクスとしてマラッカ海峡の選択肢が出来ることになりますが、本当にそうなるか決まらない状況です。

ASEANというと、日本はタイを中心に攻めるという話をしましたが、最近フィリピンとインドネシアの成長が注目を集め始めています。フィリピンといえば、ドゥテルテ大統領が薬物対策で容疑者は射殺してもいいといって問題になっています。ドゥテルテ大統領はトランプ大統領や日本が好きだったり、中国に接近して中国とアメリカのバランスを取ろうとしたりするなど色々注目されています。フィリピンはGDPの中7の消費が割を占めるくらい消費が多いです。多くの人が海外に出稼ぎに行っていて、この出稼ぎ収入はGDPの1割くらいあります。空港からマニラに行く国の玄関口のような場所の道が整備されていません。他の国はみんなきれいになったのに、フィリピンだけまだインフラが全然出来ていない状況で、日本は5年で1兆円の支援を表明しました。

インドネシアも最近盛り上がってきています。元々インドネシアは人口が2.5億人、GDPが8,700億ドルと結構あります。実はASEANのGDPの4割はインドネシアです。その意味では大変な大国と言えます。インドネシアはどうなるのでしょうか。2014年の10月に大統領になったジョコ氏は、就任当初、不安定さが懸念されましたが、今では政治的に色々な人たちを取り込んで、安定した長期政権になりそうだという気配になっていて、海洋国家インドネシアを再興すると宣言して盛り上がっています。日本もジャカルタの都市開発やジャワ島の横断鉄道などを支援しています。少し前までインドネシアは石油やLNGの輸出国でしたが、経済が成長して色々なものを使い始めたため、エネルギーの必要に迫られ、エネルギーの輸出国から輸入国になりつつあります。鉄などもPOSCOという韓国の鉄鋼企業がASEAN初の高炉をインドネシアに作りました。新日鉄住金は自動車用鋼板の工場を作っているなど、色々なことが起こり始めました。

一方で最近の人気国というとベトナム、ミャンマーあたりでしょう。ベトナムは中国と同じ共産党の一党独裁で少し中国と似たところがあります。色々器用な人達が多いので、工場の移転は可能です。ただ、結構経済成長はしているのですが、まだ一人当たりGDPが2,000ドルくらいです。GDPは1人当たり1万ドル以上が先進国ということで製品を購入してもらえる市場としてはまだまだです。高等教育が進み始めて人材は出来ましたが、いい人材が働く場所があまりなく、高等教育と人材のミスマッチという状況が生じています。もうひとつミャンマーが最近盛り上がってきているのは、長らく軍の政権だったのをスー・チー氏が政権を取った事でしょう。日本としてもスー・チー氏であれば支援しようかということで、5年で8,000億円くらい支援しようという流れになってきていて、外資も出来るだけスー・チー氏としては導入したいところです。今までは1株持っていたら外資だと言っていたのを規制緩和して、35%以下であれば国内企業と同じ扱いだということに変えて外資導入を促進しようというところです。

それでは今日のまとめです。
一昨年の末になりますが、2015年の11月にASEAN経済共同体が出来ました。人・物・金が自由に移動し始め、これまでは日本的に言うとタイからASEANを攻めるという話でしたが、インドネシアとフィリピンが成長し始め、ベトナムやミャンマーの人気が出始めていて日本企業は選択肢を検討している状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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