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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 上層部理論(2):取締役会の特徴と企業のパフォーマンス (経営学(マクロ組織論)/閔廷媛)

上層部理論(2):取締役会の特徴と企業のパフォーマンス

閔廷媛 経営学(マクロ組織論)

17/01/24

上層部理論によると、上層部の意思決定が企業の戦略的な方向やパフォーマンスを決めるため、上層部の特徴が企業に大きな影響力を与える。上層部理論(1)では、CEOの特徴に焦点を当てていたが、今回は「トップマネジメントチーム(以下、TMT)」(日本では「取締役会」)の特徴、特に、TMTの多様性が与える影響について議論する。

TMTの多様性と戦略的意思決定
TMTの特徴に関する様々な研究がある中で、最も多いのはチームメンバーの多様性に関する研究である。
チームメンバーの多様性とは、メンバーの性別、国籍、職務バックグラウンドなどがどれぐらい多様であるか、を意味する。マネジメントチームの多様性は、メリットとデメリットを同時に持つため、注意が必要である。

- 職務バックグラウンドにおける多様性:取締役会メンバーの職務(人事、マーケティング、研究開発など)バックグラウンドが多様であるほど、企業は、多様な観点、スキル、知識に基づいた合理的な判断が可能となり、人脈の幅も広くなるので、偏りのない意思決定が実現できる。したがって、イノベーションを起こしやすく、資金調達にも有利であると言われる。しかしながら、1つのチームとしてのまとまりが弱いという問題点を持つ。お互い異なるバックグラウンドから違う意見を出しやすく、意見交換・統合プロセスに時間がかかったり、コンフリクトが生じやすい。

- 国籍における多様性:国の文化は、人の考え方や物事に対する解釈の違いを説明する要因である。したがって、取締役会が多様な国籍により構成される場合、幅広い知識や経験に基づいた意思決定が可能となり、経営問題に対するクリエイティブな解決策や代案を提示できるようになる。その結果、複雑な経営問題をよりうまく解決でき、イノベーションも起こしやすいと言われる。だが、国籍が多様なチームは、お互いの考え方を理解しにくく、コミュニケーション障害を経験しやすい。

取締役会の多様性によるメリットの強化要因
先行研究は、取締役会における多様性の正の効果を強化・弱化する要因について調べてきた。例えば、Buylら(2011)は、CEOがその企業の創立者である場合、役員メンバーの多様性がもたらす正の効果が弱くなると主張した。創立者のCEOは、役員に対してパワーを持ちやすいが、そういった環境では、違う意見を受け入れる文化などが作られにくい。Nielsen & Nielsen(2013)は、取締役会における国籍の多様性がもたらすベネフィットを最大化するためには、役員メンバーの在職時間が長くなる必要があると主張した。時間と共にお互いの共通のidentityが形成され、インターアクションやコミュニケーションで生じていた問題が弱くなるためである。

取締役会に限らず、チームにおいてメンバーの多様性は合理的な意思決定やクリエイティブな問題解決を可能にするなど、ポジティブな側面がある一方、コミュニケーション障害やコンフリクトの発生といったネガティブな側面もあるので、注意が必要である。

分野: 経営学 |スピーカー: 閔廷媛

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