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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > サンプリング② (ビジネス統計/寺﨑新一郎)

サンプリング②

寺﨑新一郎 ビジネス統計

16/12/15


前回の放送ではサンプリング①として全数調査か、サンプリングか、そしてサンプリングへ向けた母集団の定義についてご説明しました。今回はサンプリング②としてお話していきたいと思います。

前回の復習を少ししたいと思います。
まず、「母集団」です。これは何か少し分かりにくいかもしれません。
簡単に言うと調査対象となる全体を「母集団」といいます。さらに、全員を対象に調査することを「全数調査」といいます。もちろん全数調査ができれば最も望ましいのですが、あまり現実的ではないでしょう。
日本の大学生にアンケートをしたいとなった場合に、全国の学生全員に調査することは困難です。ですから、母集団を定義することは大切な事であり、調査者自身が決めるしかありません。そこで母集団の一部であるサンプルを対象に調査します。このことを、サンプリングを実施すると言います。調査対象の全てを調べることは出来ないので、調査対象者の中から何人か抽出するという、サンプリングを実施するしかないことになります。

サンプリングというのは先ほど説明したように、まず母集団を定義することから始まります。母集団を定義するというのは、調査目的をまず明確にして、母集団に誰を入れるかを決めます。つまり、調査対象に誰を入れて、誰を外すべきかを決めることです。前回の放送では、住宅の購買理由に関する調査を例に、母集団の定義について説明しましたが、この場合、「調査対象」というのは世帯主で、「抽出単位」は世帯になります。そして、「地理的範囲」は全国にするのか、例えば福岡市東区、博多区等と絞るのか、それも自分自身で決めていただいて、あとは調査対象となる「期間」も自分で決めます。以上のように、こういった事項は全部任意に決めます。

今回はサンプリング②ということで、具体的なサンプリングの方法について説明をしたいと思います。
サンプリングの方法は大きく分けると2つあり、1つが作為抽出法、もう1つが無作為抽出法になります。今回は作為抽出法に焦点を当てて説明をしたいと思います。

まずは「作為」という言葉からみていきましょう。
「作為的に」ということは、自分の意思でという意味です。ですから、作為抽出法というのは、母集団から調査する人の判断に依拠してサンプル抽出する方法といえます。ただ、文字通り作為的にサンプル抽出するので、利点も欠点もあります。以下に確認していきましょう。利点としては無作為抽出法に比べて費用や時間がかからないということが挙げられます。例えば、本調査をする場合に、予備調査をした方が望ましいのですが、そういった時に、作為抽出法は大変便利です。欠点としては、得られたサンプルが母集団を代表するとは言い難いということが挙げられます。

例えば、博多区に中古マンションを購入したいという人がいたとします。その場合は購入を検討している物件が相場と比べて妥当な値段かどうか、おそらく調べられるでしょう。ただ、多くの物件データを収集して分析するのは難しいですよね。そこで、例えば、SUUMO(スーモ)といった住宅情報誌に掲載されている物件に絞ってデータを収集してもいいと思います。これは作為抽出法の中でも、「便宜サンプリング」と呼ばれる方法に該当します。

作為抽出法はいくつかに分類されますが、今回は「便宜サンプリング」と、「スノーボールサンプリング」という2つを説明したいと思います。
まずは「便宜サンプリング」からみていきましょう。
便宜というのは便利なという意味ですので、収集しやすい抽出単位からサンプルを抽出するという方法です。例えば、街頭インタビューも「便宜サンプリング」の1つです。私個人としては、講義の受講生に質問表を配って、予備調査に協力してもらうという場合もあります。予備調査の目的は、本調査で行う実験に用いるデータが適切なものであるかどうか検証することです。

次は、「スノーボールサンプリング」についてみていきましょう。
スノーボールの日本語訳は雪だるまです。雪だるまはごろごろ転がすとどうなるでしょうか。どんどん大きくなります。近くの雪をどんどん巻き込んで大きくなっていきます。そういうのをなぞらえて「スノーボールサンプリング」といいます。無作為に選んだ調査対象者と、その人からの紹介者、更にその紹介者という様に、人づてにデータを集めていく方法です。必要なサンプルを集めるのが困難な場合等によく利用されます。例えば、海外留学経験者への質問表調査を行う時等、類は友を呼ぶといった感じで「スノーボールサンプリング」すれば便利です。芋づる式にサンプルを集めていけるので、サンプルがすごく集めにくいという時は「スノーボールサンプリング」で紹介者の紹介者というように、順次集めていくというのが非常に便利な方法になります。

それでは今日のまとめです。
今回はサンプリング②として、「作為抽出法」について、「便宜サンプリング」と「スノーボールサンプリング」に焦点を当てて説明しました。「作為抽出法」というのは、母集団から調査者の判断でサンプル抽出する方法で、費用や時間はあまりかからないというメリットがあります。一方で、作為的にサンプリングするという方法なので、得られたサンプルが母集団を代表するとは言い難いという欠点もあります。ただ、事前調査をする場合や調査する対象者にあたるというのが難しい場合であれば、「作為抽出法」というのは充分に有用なサンプリング手法であると言えると思います。今回はいくつか専門的な用語が出てきましたが、良く復習されてみてください。

分野: ビジネス統計 |スピーカー: 寺﨑新一郎

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