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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲17人生観③人間としての成功 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲17人生観③人間としての成功

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/12/22


宇宙観から始まる松下幸之助の経営哲学のうち第三の側面である「人生観」について解説していますが、これはさらに次のような項目に分けられます。
①人生の意義 ②天分の自覚 ③人間としての成功 ④礼の本義 ⑤信仰のあり方 ⑥礼としつけ ⑦悩みの本質 ⑧健康の原理

今回はその続きで、「人間としての成功」についてお話します。

人間としての成功
皆さんは、「人間としての成功」を、どのように考えますか? 一般的には、「立身出世」でしょう! これは、「仰げば尊し」でもそうです。すなわち、身を立て、名を上げないといけないですから...。ところが、松下哲学では、人間としての成功は、身を立てることでも、名を上げることでもなく、次のような内容となっています。

・人には、異なった生命力が与えられていて、この天分を生かすことが、人間としての成功である。
・人間としての成功と社会的な地位とは、何らのかかわりもない。何が成功であるかは、人によって異なるからである。
・お互い素直な心で自分の天分を見出し、人間としての成功を全うしなければならない。そこから個人の幸福と社会の繁栄が生まれてくる。

すなわち、このことについて、彼がどのように言っているのかということですが、次の三点のことを言っています。第一に、人には異なった生命力が与えられていて、その生命力を生かした天分、使命を活かすことが人間としての成功である、ということです。それゆえ、第二に、人間としての成功と社会的な地位などとは何の関係も無い、ということです。そして、第三に、何が成功であるかは、人によって異なっているので、お互い素直な心で自分の天分、使命を見出して、人間としての成功を全うしなければならない。そして、このことによって、個人の幸福や社会の繁栄が生まれてくる、といっております。


いかに生きるは皆異なる
彼の哲学の結論部分は、常に平和・幸福・繁栄(PHP)に繋がります。人生を終わる時に、「ああ幸せな人生だったな!」と思えたら、それは人間としての成功だったということでしょうか、このことが言えたらベストでしょう。しかしながら、なかなかそのようには行きません。例えば、お金をいっぱい稼いだけれど、私の人生何であったのか、というのが結構あります。したがって、自分が納得できる生き方をしたかどうかということが大事であり、社会的な地位や財産を築くということには全く関係なく、もっと広く深い所に人生の成功の意義がある、ということです。すなわち、最も根本的には、皆人それぞれが異なった生命力と天分が与えられているということです。
彼は、この「生命力」について、次の二つのものがある、と言っています。すなわち、第一は、人類全体にあるいは生物全体に共通する「生きようとする力」ということです。第二に、どのように生きるのかという「生き方」については、個々別々である、ということです。このように、共通部分と異なる部分があって、後者のどのように生きるか、生き方に関する生命の根本的なものが異なっている、ということです。これらは、天から与えられたものなので、「天分」と言われています。すなわち、天分は、生まれた時に既に天からその人に与えられている、という発想です。

人によって異なる成功の姿
このように、彼の哲学は、人間から直接的に発想するのではなく、より広く、より根本的に常に宇宙から発想します。そこから物事を深く考えるとブレが出てこない。それゆえ、天から与えられた、宇宙から与えられた天分のままに生きることが人生の最高の成功である、ということになります。このように、人によって異なる成功の姿があるので、地位や名誉、財産という世俗的な成功の判断基準は適用されません。このような成功観は一般常識とかなり異なっています。彼の哲学では、自分に与えられた天分、使命に沿っているか否かということが判断基準となります。

強い願いと素直な心
 この場合、一番問題になるのが、どのようにしてその天分や使命を発見するか、ということです。彼に言わせると、自分の天命や使命が分からないという所が、人生の面白み、味わいだそうです。それでは、どのようにそれを探すかということですが、まずは、「自分の天分や使命を探したいという強い意欲、願いを持たなくてはいけない」と言っています。これは、経営を行う時と全く同じものです。それゆえ、まずそれについて強い願いと素直な心を持つという二つのことが必要である、ということです。常に強い願いと素直な心になって思考し、行動していると、何らかのきっかけで内心の声、つまり自分の内部からの声が聞こえるようになります。心を落ち着けて考えたり、例えば、座禅したり、瞑想している時に聞こえてきます。あるいは、様々な出来事や仕事等をしていると時に、自分の天分や使命に気づきます。このように、内的又は外的な要因のどちらかで、自分の天分を知ることが多いのですが、結局は自分の天分、使命は何かを常に強く知ろうとしている所に、向こうから自然に応えてくれる、ということです。

天分を見出しやすい社会に
そして、現在の社会が天分や使命をうまく見出せて発揮できるような社会であることが非常に重要であるけれども、現実の社会は、残念ながらなかなかそれができていないのではないか、と考えられます。わが国における一般的な教育自体があまりそういうものを重視していない、と言えるでしょう。一般的に人間から出発してしまい、人生の成功が「身を立て、名を上げ」になってしまっています。そうではなく、宇宙から出発し、天(宇宙)の示す天分に従って、人生の成功を考える。これが松下哲学的な成功観です。このように、東洋的な色彩を持つ松下哲学における成功観は宇宙から始まります。

松下幸之助の経営哲学のうち人生観では、「人間としての成功」について、人はそれぞれ異なった生命力が与えられているので、天から与えられた天分や使命を活かすことが人間としての成功であり、これが幸福、平和や繁栄(PHP)に繋がっていく、としております。

分野: コーポレートガバナンス |スピーカー: 岩崎勇

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