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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 全員一致の意思決定の幻想 (戦略思考/荒木博行)

全員一致の意思決定の幻想

荒木博行 戦略思考

16/11/10

「うちの会社は会議が多くて困る・・・」そういう愚痴を聞く機会がよくあります。決められた時間内に物事が決められないために、会議の時間が延び、そして会議の数も増えてしまっているようです。
グロービスの中でも数多くのグループディスカッションがありますが、その中でもやはり決められた時間内に結論が出せないチームが発生します。そうなってしまうグループの特徴をあえて1つ上げるとするならば、それは「過度に全員一致を求める姿勢」です。つまり、誰か1人が反対しているので決められない、みんなが賛成しないと結論が出せない、と考えてしまうわけです。
やはり、誰かが反対していると決めにくい、気持ち悪い・・・。そういう気持ちはよく分かります。しかし、私たちは立場も異なれば経験も違う。物事を見るレンズは人それぞれです。そのような中で何かを決めようとした場合、全員が同じ結論になるというのはむしろ稀である、というくらいの認識を持つ必要があります。
したがって、会議の中で全員一致を求めれば、時間はいくらあっても足りません。大事なことは、意見が割れて当たり前だという認識に立ち、最終的には「リーダーが決める」という意識を持つ必要があると思います。

結局、難しい問題というのは意見が割れて当然です。悩む意思決定というのは、大抵は「明確な正解」というものがありません。それぞれにメリットがあり、それぞれにデメリットもある。たとえるならば、「51対49」というレベルで拮抗しているようなものです。そのため、一方の意見に決めたら反対意見の人々が別の立場からの正論を主張し、逆の意見にしたらまた反対の人が正論を述べるという状況に陥ります。ここで難しいのは、それぞれがそれぞれの立場で正しいということです。そして、その立場の違いを議論で埋めようとした場合、時間は途方もなくかかります。
もちろん、時間をかけてすり合わせることも時として必要ですが、ビジネスはスピード勝負。それぞれの立場を認めた上で、最終的に誰かが責任を持って決める、ということをやっていかなくてはなりません。もちろん、選ばれなかった方は不満を持つでしょうが、そこは決めたリーダーが「選んだ方で結果を出す」という覚悟を持って進める方が健全ではないかと思います。

意見が割れることは悪いことばかりではありません。全員一致の意思決定と比較して、決めた後のコミットメントが高まる、という効果もあります。反対意見を押し切る、ということは、退路を断つことでもあります。後ろ指を指されながらも決める、だからこそ失敗はできない。よく修羅場の意思決定と言われますが、こういう意思決定を積み重ねて、リーダーは成長していきます。裏を返せば、全員合意する話であればリーダーは要らないということ。意見が割れるからこそ、決める人が必要になってくるわけです。

しかし、いきなり修羅場での51:49の意思決定は腰が引けるでしょう。もし事前に鍛えられるならば、こういった意思決定力は鍛えておくに越したことはありません。グロービスが行っているケースメソッドという学習方法というのは、正にそういう悩ましい意思決定の疑似体験をするものです。つまり、あちらが立てばこちらが立たず、どのような選択肢を選んでも完全にすっきりとは言えない。そういう立場に置かれて悩むわけです。しかし、制限時間があるために延々と議論はできない。そういうぎりぎりの場面で、リーダーとして決める、ということの基本動作は育まれます。そして、決めたら終わり、ということではありません。決めた後も大変です。その意思決定結果を発表すると、別の視点を持つグループや講師から必ずロジカルな反論が来るわけです。そこにどう対峙するか、怯んで撤回するか、それとも前に突き進むのか・・・。
このような経験を重ねながら、自分自身の意思決定を丁寧に振り返って学びを重ねていくことこそがリーダーを育てていくのではないかと思います。意思決定のできるリーダーは一朝一夕には育ちません。数年後の来るべき「修羅場の意思決定」に臨むために、是非「意思決定のトレーニングの場」を求めていただくのが良いのではないでしょうか。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 荒木博行

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