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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学15 人生観① 人生の意義 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学15 人生観① 人生の意義

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/11/14


宇宙観から始まり、人間観、人生観、社会観、政治観と続く松下幸之助の経営哲学について、前回までで人間観までお話をしました。今回からは人生観についてお話をしようと思います。
人生観は哲学の中心課題の1つであり、人生とは何かというのは、根本的・基本的考え方です。

生きる目的は何か、それは次の世代に命を繋ぐということではないのかと考える人もいるでしょう。これは様々な意見が出て来ると思います。どう考えていくのかというのが哲学の基本です。一般的にまとめると、自分自身の進化向上・自分と社会や人類の進化向上というのが1つの目標になっていて、それが人生だとなります。さらにもう1つ、この目標の遂行に励みながら人間が幸せになると、この2つが大きな哲学的な意味を持っているということになるのではないでしょうか。松下幸之助はこのことに関して以下のように述べています。

1) 人生とは驚くことに、生産と消費にある営みであり、物心両面による良き生産と良き消費が良き人生を作る。
2) 良き生産と良き消費を行うためには精神文化の向上と物質文化の発展を図らなければならない。
3) お互いによき生産とよき消費を営むことに努め、広く繁栄・平和・幸福を実現し、人生を全うしなければならない。

1つ目についてですが、これは今のパナソニックを作った松下幸之助だからこそ、生産者として生産と消費による営みという観点が出てくると思います。2つ目と3つ目について併せてみていきましょう。抽象的ですが、これはより哲学的になるということです。政治・経済・科学・芸術・宗教・教育も全て精神文化の向上と物質文化の発展と実現の為にあるのだということです。これを離れては何の価値もなく、お互いに、良き生産と良き消費を営むことに努め、広く繁栄と平和と幸福を実現する、PHPを実現する人生を全うしなければならないと言っています。

単に物を作って買うといった「物的な生産・消費」、だけではなく「心の生産・消費」ということがとても大切であり、ゆえに心の方と物質の方が両輪となって両方とも大切であるということです。「心の生産・心の消費」について、少し分かりづらいかもしれませんのでご説明致します。

「心」というのは、仏教哲学的に言うと「シンクイ」です。「シン」というのは身体の「身」です。「ク」とは「言葉・口の句」、「イ」というのは意志の「意」です。すなわち、心で思い、口で話し、最終的に行為として身に出すだけでそれを全部正しいものにしていくということです。それによって、正しく思って、正しく話して、正しく行為を行う、それが一番心のもとになっているということです。これが「シンクイ」の「意」です。そしてそこを全部正していこうということです。ですからお互いに良い話をし、良い感情がお互いにつなげ合されれば、良い心の消費と生産になります。一番元になっているのは心でしょう。ですからそれが正しくて、楽しくて、というようなものが良いと言えます。物心の、「心」の方はこういった面をベースにしており、考え方やその思いが企業の場合は生産になるわけです。それを製品・商品・サービスとして、生産して消費者に届けるということになりますが、一番の思いは何かというとやはり心です。心で思っていることが全部実現していくということだと言えます。「物心」というのは、心と物と両方あって、精神文化の向上と物質文化の発展へとつながっていくと思います。少し難しいですけが、松下幸之助はメーカーであるパナソニックを立ち上げた人ですから、そういった意味で、このような「生産と消費」という話をしています。生産と消費による営みというと非常に味気ないように感じてしまうかもしれませんが、それを深く究めていくことで精神文化の向上・物質文明の発展に行き着きます。究極目的としての自分の成長、あるいは幸福を得るというところではやはり同じ事を言っているのではないでしょうか。

稲森和夫さんがよく、「人間として何が正しいかというのを判断基準にしなさい」ということをよく言われているのですが、今はこの「物質文明」が非常に進歩を遂げてきている一方で、精神文化は未発達、むしろ後退していると言われるくらいになっています。精神文化というか、心をもう少し鍛え上げないといけないのではないかというふうに危惧しています。

それでは今日のまとめです。
松下幸之助の経営哲学の「人生観」では「人生の意義」について、「人生というのは広く繁栄・平和・幸福を実現するために、精神文化の向上と物質文化の発展に資するような良い生産と消費により、物心両面にわたる良き生産と良き消費が良き人生を作る」とされています。

分野: コーポレートガバナンス |スピーカー: 岩崎勇

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