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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 福岡空港民営化② 福岡空港のコンセッション (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

福岡空港民営化② 福岡空港のコンセッション

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

16/10/25


前回は空港の民営化について、福岡空港が2019年に民営化されるということで、空港が民営化されるとどういうふうになるのかというお話をしましたが、今回はそれが実際に福岡空港ではどうなるのかというお話をしていこうと思います。

現在、福岡空港は工事中ですが、あれは元々大変老朽化してしまった今の空港ターミナルビルで、そこを建て替えるという話があり、その際にセットバックをして建て替えようということになりました。滑走路から駐機場に行く間の誘導路を結ぶ並行誘導路が狭いため対面通行が出来ず、渋滞が起きて遅れの原因となっているということがあり、それを二重化するための工事を現在は行っています。これは民営化までに完成の予定です。福岡空港はとにかく飛行機が沢山やって来ます。現在の発着回数でいうと、年間17.5万回です。これは実は日本国内3位となります。滑走路1本でいうとダントツの一位。旅客数も現在2,100万人くらいで、日本全体で4位です。最近関西空港に抜かれましたが、つい最近まで3位でした。つまり、それだけ多くの人が来て、短い時間に発着することから、相当渋滞しているといえます。発着回数は限界を越え、この現状を受けて現在は混雑空港に指定されてしまいました。需要の増加への対応が長い間の懸案で、新空港を作る案もありましたが、最終的には2本目の滑走路を現空港内に作ることになりました。これから工事が行われ、それを前提にして民営化が始まるということになります。

ここからは、具体的には民営化というのはどういう手順を経てなされていくのかをみていきましょう。
最終的には現在、国が運営している部門と空港ビルディングが運営している部門を全部一体化してSPC(Special Purpose Company)と言われる特別目的会社、つまり、1つの運営会社を作り、そこが運営することにして国とSPCの間で契約を結ぶというのが民営化の大きなプロセスです。この会社は例えば不動産会社や建設会社、商業施設を運営する会社、航空会社、旅行会社など、空港ビジネスを行うのに必要なノウハウを持った会社が出資をし、福岡空港経営のためだけに作られる会社です。このような企業のグループをコンソーシアムといいます。国とSPCの間の契約までに行きつくためには、まず実施方針というものを国が出します。それに基づいて募集要項があります。この募集要項に対して、いくつかの企業グループが手を挙げて「自分の所がそれに参加したい」と意思表明します。この企業グループというのは、仙台空港の場合は4つくらいグループが出てきたのですが、具体的には不動産会社、あるいは商業施設を運営する会社等で、もちろん航空会社や様々な会社が空港に関係してきます。その自分の得意分野をやるということで、それぞれの企業が出資をして、SPCという運営会社を作り、そこが国との間で契約を結びます。こうなるものですから、企業群、グループがどこと組んで、どういうことをアイデアとして考えて、そして福岡空港をこういうふうにしたいというアイデアを出してもらい、それをお互い競うということになります。もう1つ大きいのは、入札です。一次、二次の審査がありその中から優先交渉権者が選ばれます。運営権を国から買うということなので、それをいくらで買うのかということが問題になります。国としてはもちろん高く売りたいという思惑があります。ですから、価格も種々の競争の1つの条件になってきます。最終的に、決定した優先交渉権者が国との契約を結ぶということで、基本協定を結んだり、実施契約を結んだりということをして、PFI(Private Finance Initiative)の手続きが進み、最終的に実際の運用が始まるのが今のところ予定されている時期としては、2019年の4月ということになっています。このプロセスのうち現在は「実施方針」の出る前の段階です。その前に一体何が行われているのかと言えば、今年7月に「福岡空港特定運営事業等の基本スキーム(案)」というものが国から出されました。これは法律に基づいて事業のおおまかな枠組みを示したもので、例えば事業期間は原則30年とか、借地料はこれまで通り国が払うとか、再来年の5月頃優先交渉権者が決まる等といったことが明らかになりました。元々民有地が多いので、現在国が借地料を払っていますが、民営化した際そこをどうするかということが非常に大きな問題でしたが、それは民営化後も国が払うということが示されました。「福岡空港特定運営事業等の基本スキーム」と同時に、マーケットサウンディングというのが始まりました。これが普通の入札とは少し違っていて、普通の入札というのはどういう事をやりなさい、こういう事業を委託しますということで、事業の内容を全部国が決めてしまい、あとは価格を決めるだけで契約の中身が決まってきますが、今度は違います。つまり事業の中身を民間と相談する手続きがあるのです。空港経営にあたっては国が通常考えているような安全性や公共性だけではなく、民間資金を返済するために収益を上げるのにはどうすればよいかを考える必要があり、国はあまりそういうことは得意ではないので、民間に考えてもらおうというわけです。ですからその契約全体の枠組みをどういうところまで民間の自由裁量でやっていいのかということや、あるいはどういう選定方法で優先交渉権者を選んで欲しいのかといったことを事前に民間から意見として聞きます。これをマーケットサウンディングといいます。従来の入札では国と民間事業者は入札の場だけしか顔を合わせませんが、コンセッションの場合は事前の官民の対話を通してより良いサービスの実現を図る、これがPFIの狙いです。

それでは今日のまとめです。
福岡空港というのはポテンシャルが非常に高く、アジアに向けられたゲートウェイとして非常に多くの方々から高い関心が寄せられています。そういった中で世界の都市と競争できるような経営力を持った企業グループに出てきてもらい、この地域のために貢献して頂きたいということで、今その手続が進行しています。

明日のこの「平成28年度九州PPPセミナー第2回空港コンセッションセミナーin福岡」というセミナーを九大のTLO((株)産学連携機構九州)にあります九州PPPセンターの主宰で開催します。是非みなさんに勉強して頂き、良い空港になるようにみなさんの目で見て頂きたいと思っていますので、ご案内させて頂きます。場所はアクロス福岡の国際会議場です。
以下のリンクをご覧ください。
https://www.k-uip.co.jp/news/view/103

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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