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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 経済政策を語る人々 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

経済政策を語る人々

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

16/10/18

今日は、「経済政策を語る人々」についてお話しましょう。
経済が上手くいく為には、需要と供給のバランスがとれていること、バランスよく伸びていること、貧富の差があまり大きすぎないこと等が重要でしょう。貧富の差については、別の機会にお話することにして、今回は「需要と供給のバランス」についてお話します。

バブルが崩壊した後、日本経済は長期に渡って停滞しました。つまり、生産も消費も増えなかったということですが、その原因が何のなか、それをどうにかする為に望ましい対策は何か、という論争が経済学者等の間で繰り広げられてきました。
その内容は大きく二つに分けられます。それは、「生産者に問題があって作れないのか」、「買い手が買わないから生産者が作らなかったのか」ということです。生産者、つまり供給側に問題があるのならば、供給側を強くするような政策をとればいいわけですし、買い手が買わないということが問題ならば、需要を増やしてやればよいということになるわけです。経済というのは、将来を予想するのが難しいのは分かりますが、過去の経済がなぜ不振だったかということさえも、専門家の間で意見の隔たりがあり、非常に予測が難しい世界です。

では、「供給側に問題がある」というのはどういうことでしょうか。

一番有名なのは小泉内閣が行った構造改革です。この大元にあった考え方です。簡単に言うと、生産者が非効率的だから生産が伸ばせないと考えました。例えば、非効率な企業が赤字になっているのに、政府や銀行が彼らを倒産しないように支えている。これが問題だと考えたわけです。小泉内閣に言わせると、効率の悪い企業が潰れればそこで働いている人々は、効率の良い企業に転職するため、日本経済が全体として効率が良くなり、生産力がまだまだ伸ばせるということでした。

当時私はこの考え方には賛成していませんでした。当時は、買い手がいないから生産者が生産する必要がなく、生産が増えなかったということではないかと思います。なぜそう思うかというと、第一に失業者が大勢いたわけです。生産者が作る必要がないため、人を雇わなかったということを示しているわけですね。もう一つは、もしも買い手はいたけど、作り手が作れないということならば、物が不足して物価が上がるはずです。しかし実際にはものが余って物価が値下がるというデフレになったわけですから、生産者の効率が悪かったからゼロ成長だったというふうには考えにくいです。そうした時に、企業を潰したら失業が増えてしまい、人々の購買力は益々低下することになります。そうすると企業は益々物を作らなくなり、益々人を雇わなくなって失業者がさらに増えるという悪循環になるだろうと思って心配していました。

でも実際は、小泉内閣時代の景気はそんなに悪かったという印象はありません。当時は偶然にもアメリカの景気が良く、アメリカ向けの輸出が随分増えていったわけです。そこで日本の景気も悪いどころかむしろ良かったほどでした。非常にラッキーだったということだと思っています。最近の日本経済は人手不足になっています。私は小泉改革の時代は小泉改革に反対していましたが、今は小泉改革を行うべきだと考えています。その意味では、小泉改革は言っていることは正しかったのだけど少し早すぎたのだと感じています。

では、需要側が足りないことが問題だという人達についてはどうだったのでしょうか。

需要が足りないから経済が成長できないという人は、需要を増やすような政策を取るべきだと言っているわけです。一つは、公共投資をもっと増やすべきだと、もう一つはもっと金融を緩和するべきだというグループです。私は公共投資を増やすべきだと考えていました。公共投資をすれば、失業者が仕事にありついて給料をもらうため、需要が増え、物が売れるようになり景気も良くなります。金融をもっと緩和すべきだという人々は、金融を緩和すればデフレがインフレに変わるはずだと考えていました。ただ、これに関しては、金利が0の時に金融を緩和しても効果が無いのではないかと考える人も大勢いて、私もその一人だったわけですが、この辺りのことも少し長くなるので、また後日詳しくお話したいと思います。

というわけで、今三つの話しをしました。小泉改革の話と公共投資の話と、金融緩和の話です。実はこれアベノミクスの三本の矢に対応しているということに気づいた方はいらっしゃいますか?

アベノミクスの三本の矢は金融緩和、財政政策、成長戦略ですね。この成長戦略とは、小泉構造改革と似たようなものだと考えると、まさにこの三つがアベノミクスということになるわけです。つまり、小泉構造改革の時に様々な議論が行われたわけで、それを参考にして三つのグループの意見を全部取り入れたのがアベノミクスだったということになるわけです。

では、今日のまとめです。

バブル崩壊後の長期停滞に関しては供給サイドに問題があったため、供給サイドを強くしようという人々、需要が足りなかったから、公共投資を増やそうという人々。需要が足りなかったからさらに金融緩和をすべきだという人々がいました。その三つを全部やろうというのが、今行われているアベノミクスというわけです。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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