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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > これからのマネージャーの教科書⑦ (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

これからのマネージャーの教科書⑦

田久保 善彦 リーダーシップ領域

16/09/27

『これからのマネジャーの教科書-自己変革し続けるための3つの力』という本に沿ってお話をしています。前回までに、マネジャーに必要な力として、3つの力(「組織で成果を出す力」、「仕事への思いの力」、その思い故に生じる「ギャップを埋める力」)をご紹介してきました。

今日は、具体的にこの3つの力をどのように作りあげてきたのかについてお話しします。

例えば、何か新しいスキルを身につけなければならないような状況が生じた時に、何もしなくても大丈夫だろうと、何も努力をしない人と、そこでしっかりと自分と向き合って新しい能力を作りあげていこうとする人が出てきます。

極めて当たり前のことですが、能力を身につけている人の共通点は、今自分が置かれている状況がどういう状況なのか、自分が今までに培ってきたスキルでどこまで通用するのか、といったことを考えて、自己認識を深めるということです。世の中の変化に対して、自分の能力がどの程度通用するものなのかを認識しなければ、新しい能力を身につけようとは思いません。

自分の現状を知ることにより、ネガティブになる人もいます。例えば、「私はどうせ英語できないから」であるとか、最近はテクノロジーだとか人工知能だとか話題になっていますが、私は文系でソフトも書けないし辛いな」など言って、いじけてしまうわけです。

一方でこういう優れたマネジャーの皆さんは、その状況を非常に自分に都合良く解釈する技を持っています。今回インタビューをした人々の中に、自分は典型的な文系だったのに、ひょんなことから技術関係の部署のリーダーになった方がいました。若手のメンバー達は、ほとんど理系で、ばりばりエンジニアをやっているという状況でした。高校以来数学なんて見たこともないような人がリーダーになってしまい、まず「言葉がよくわからない」というところから始まりました。最初は、自分は役に立たないのではないかという葛藤が当然ありましたが、その中で自分が置かれた状況を深め、「自己認識」を深めて考察をしました。メンバーは皆理系で、自分の好きなエンジニアリングのことはよくわかっているけれども、「マーケットが何を求めているのか」とか、「お客さんとのコミュニケーション」はあまりしたことない人達だということに気付きました。そのため、自分はこのチームのリーダーとして、お客さんとこのエンジニアの接点となり、お客さんから情報を集めてフィードバックし、よりよい技術をつくるためのハブになれるのではないかと考えました。これが先ほど述べた「都合よく解釈する」という技です。そうすることにより、今から大の苦手の数学を無理矢理勉強するよりも、自分の強みを生かす方法があると都合の良い解釈をして、非常に重宝がられるリーダーになっていったのです。

このように、この本ではこういった考え方の転換を「都合のよい解釈をする」と表現しましたが、最終的にこの「都合の良い解釈」を「持論」にしていく人が多く見られました。「持論」とは何かというと、●●が自分の人生にとって非常に大事になるというような、自分なりのロジックを作りあげて、それを明確に言葉にするということです。自分の考えをしっかりとした言葉にすることで、その後の自分の思考の方法や方向性を作り上げていくのです。

私もグロービス経営大学院という大学院の説明会で、年回に何十回もスピーチをしますが、何度も何度も話をしている間に、自分の学校の理念などが、自分の腹に落ちてくるという実感を強く持っています。

繰返しになってしまいますが、「3つのスキル」というのを獲得し、それをいい状況で持ち続けている人は、何か必要性に駆られたときに、しっかり自己認識を深めることができます。そして、スキルでも、思いでも、ギャップを埋める力でもその3つの中のどの力でも良いのですが、自己認識を踏まえた上で自分にとって非常に都合の良い解釈をし、そしてその都合の良い解釈を持論と呼べるようなレベルの言葉にして、自分の心を強くしていく。そんなプロセスが見られたということについて、今日はお話させていただきました。


分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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