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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 景気を語る人 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

景気を語る人

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

16/09/22

今日は、景気について話をする方々ついてお話しましょう。世の中には景気についてお話をする人が色々いますけど、彼らは大きく4つに分けて考えています。

1つ目は「経済学者」です。経済学の理論を用いて景気の動きについて考えたり、予想したりします。彼らは、景気を良くするためには何をしたらいいのかという話はしますが、いつ頃どれぐらい景気が良くなるのかという予測は得意ではないようです。経済というのは非常に複雑な動きをします。「景気」の気は、「気分」の気なので、人間の理屈通りには動きません。減税をすると、減税分で消費をするため、物が良く売れるようになり景気が良くなるという考え方が経済学の理論にありますが、人々の気分によって減税分をどのぐらい貯金するか、どのぐらい使うかというのが変わります。そのため、減税をした時にその効果が大きいのか小さいのかというのは、その時々により変わってきます。
株価が下がっている時は株を持っている人は勿論、株を持っていない人も何となく気が重くてあまり消費をしないなどということもあります。

その他にも、大きな地震があると日本中の飲み屋がガラガラになりますよね。こんな時に我々だけ飲んで騒いでいては悪いと考える人がいるためですが、そうしたことは経済学では説明がつきません。経済学というよりも、心理学の専門になります。

話はそれますが、私は熊本の地震の時に熊本産の酒と肴で宴会をしていました。そういった時にしゅんとしてても熊本の人は喜んでくれないので、酒と肴をたくさん買って楽しくやろうということでやりましたけれども、この辺は様々な考え方があると思います。もちろん被災地のことを思うというのはみんな一緒ですが、こちらはこちらで経済活動をきちんとしなければ回っていかないということにも繋がりますから何もしないよりは何かした方が彼らの役に立つのかなと私は考えていました。

話を戻しますが、将来心理学と経済学の共同研究が進むようになれば、経済学が景気予測をもう少し正しく行えるようになるかもしれません。そこで、最近「行動経済学」という新しい分野の研究が始まっています。将来この行動経済学が発展すれば、経済学理論とスーパーコンピューターを使って景気が予想できるようになるかもしれません。
では、そうなると景気を予測する人達は、コンピュータに取って代わられるということになってしまいますが、恐らくそのような時代が来るには、まだ100年くらいはかかるので、私が生きている間は大丈夫だと思っています。

景気を語る人達は4つに分けられるとご説明しましたが、2つ目は景気を予想することが本業の人達です。

私はこの分類の中に入りますが、企業の経営者が設備投資しようか、或いは来年に向けて増産しようか、来年の景気がどうなるか知りたいという時に役に立ちます。簡単に言うと、景気の予想屋であり、最低限の理論は踏まえた上で最近のデータと経験と勘をフルに活用して景気を予測する人たちです。先ほど申し上げたように、経済学だけでは景気は予想できないため、長年の経験と勘が大事になります。勿論、最低限の経済学は勉強するわけですけれども、経済学が主な手段というわけではないので、経済学者の方々からは"勘ピューター"と言われることもあります。そう言われるとこちらも黙っていられず、「何を言っているのか。経済学者は理路整然と間違える人々ではないか」と言い返してしまい、実は意外と仲が悪いです。問題は、どちらも自分達のことを「エコノミスト」と呼んでいるため紛らわしいということもあります。

3つ目は、株価とか為替レートの話をする為に景気の話をしている人達です。彼らは「マーケット・エコノミスト」と呼ばれています。一見すると景気の予想屋と似ているように見えますけれど、実はやっていることは大きく違います。見分け方としては、日銀の金融政策の話に非常に詳しいのは「マーケット・エコノミスト」、あまり日銀の話をしないのが普通の「エコノミスト」だと考えていただければいいと思います。我々エコノミストは、幅広く様々な経済指標浅く広く見ますけれど、マーケット・エコノミストは、限られた経済指標について非常に詳しく見ます。このマーケット・エコノミストについては近いうちに詳しくお話したいと思います。

4つ目は、過激なことを言って目立つために話をする人達です。少し過激な言い方かもしれませんが、「世界経済は破滅する」というようなことを言い続けているわけです。彼らは景気を予想しているわけではなく、悪くなる理由を色々考えて、それをストーリーとしてお話しています。いつでも世界は破滅すると言い続けているわけですから、私に言わせれば「止まった時計」と呼ぶのがいいのかなと思っています。止まった時計についてもまた日を改めてお話したいと思いますが、少しだけ話をしておきますと、世界は破滅する話ということについては色々面白いストーリーが書けます。そのため、固定客は結構います。どう考えても当たりそうもない予想だと思っても、そういう話を聞きたいという固定客がいますし、実は悲観論は賢そうに見えるというメリットもあります。「こういう問題があります」とか、「こういう心配があります」ということをたくさん並べると、「あの人賢そうだな」と思ってもらえるわけです。
その他にも、景気がすごくいい時には、大勢の人が景気がいいと言っているので、景気討論会に呼んでもらえます。討論会ですから皆が同じ意見だと討論会にならないので、貴重な存在になるわけです。景気が悪くなったときには「当たった」と言えるわけです。ずっと悪くなると言っているからいつか当たるわけですよ。また詳しい話は近いうちにお話しましょう。

では、今日のまとめです。

景気について語る人は4つのグループに分けられます。経済学者、景気の予想屋、マーケット・エコノミスト、止まった時計の4つです。同じように景気の話をするわけですが、それぞれ独自の価値観があるのでそれぞれが意外と仲が悪いのですね。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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