QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティングマイオピア (マーケティング/岩下仁)

マーケティングマイオピア

岩下仁 マーケティング

16/09/21


今日はマーケティング・マイオピアというコンセプトについてお話しようと思います。
マイオピアは日本語に訳すと近視眼ということで、ことわざで言えば「灯台下暗し」みたいな、自社の製品ばかりに目がいってしまって製品が顧客にもたらす本質的な価値を見落としてしまう、そういったことを戒める言葉として、マーケティング・マイオピアは古くから使われています。しっかりとお客さんが何を求めているかを見定めてビジネスを定義しなさいということです。1960年代のアメリカの鉄道会社の事例が必ずこのケースで出てきます。1960年代のアメリカの鉄道産業というのは自動車が丁度この時代出てきたことで衰退しました。自動車は非常に便利で、この時代から低価格で売られたので普及して、鉄道の利用客も自動車を勿論利用するようになりました。なぜこういったことが起こった時に鉄道会社が自動車への対抗策を何もしなかったのか。それは鉄道会社は当時自分たちのビジネスを鉄道だけと考えていたからです。ただお客さんからすると、ある目的地から他の目的地に到着できるなら手段はなんでもいいわけで、その中で鉄道は1つのオプションでしかなく、もっと便利なものが出れば顧客が他にいってしまうということです。そうすると鉄道会社というのは鉄道ではなくてもっと広いお客さんニーズ、輸送の手段というふうに考えていれば、自然と自動車が出てきた時にはそこに目を付けて対抗策が講じられたということになります。こういったケースというのは今にも通じるところが幾つもあります。例えば、蛍光灯です。この蛍光灯をマーケティング・マイオピアに陥らないように定義づけしていただくとどうなるでしょうか。マーケティング・マイオピアに陥っているとどういう発想になると思いますか。
蛍光灯の性能を上げることだけに特化することになり、クオリティ等の部分は非常に上がりますが、それでお客さんが喜ぶかどうかです。実際に蛍光灯で性能を上げても、ほとんどのお客さんからすると違いのないコモディティ化といった現象が起こっています。そうすると、例えば自社よりも少し性能のいい蛍光灯が出ても、その分価格が高くなっていたら買わないということになります。

では、蛍光灯の場合にはどういうふうにビジネスを定義すればいいか。お客さんは明るさの提供を求めています。ただそれで事業を定義してあげることによって、非常に広い発想が持てます。実際にパナソニックは昔から蛍光灯を作っていますが、その企業が最近蛍光灯の開発ではなくて、明るさの提供、あるいはあかりの提供、このように定義づけることで画期的なサービスを開発しています。どういったサービスかというと、パナソニックのあかり安心サービスと呼ばれるサービスです。これはまさに明るさの提供を行うサービスで、法人を対象としていますが、法人の建物全ての明るさをマネージメントしてあげますといったサービスです。例えば、ある企業で蛍光灯を管理する場合というのは、それを担当する人がいてどこかの蛍光灯が切れたら付け替えるとか、廃棄する際にゴミを排出責任者がちゃんと出す等といったことです。法人と個人とでは違うのでそういった手続きが必要です。そういったものに対応したり、或いはどの蛍光灯がいい等といった選択もする手間が個人で行う場合は必要です。しかし、パナソニックのこの場合は勿論蛍光灯処理の手間等は省けるうえ、排出者の責任もなくなります。また、マニフェストと言われるものも必要だそうですが、それの発行や管理も必要ありません。トータルで合わせてコストも安く済んで非常に便利もいいというサービスが、このサービスです。

蛍光灯に限らない明るさがポイントで、明るさはお任せ下さいという事になります。明るさを全部管理させて下さいという発想です。
もっと広い視野をもって、お客さんが何をもとめているかというのが重要です。

それでは今日のまとめです。
今日は、マーケティングのマイオピア、近視眼についてのお話をしました。企業は自分の製品を扱っていると内向きになりがちですが、お客さんが本質的に何を求めているか、それをしっかりと見定めるためにこのマーケティング・マイオピアの視点を持っておくと非常に有効かと思います。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ