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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > サンプリング① (ビジネス統計/寺﨑新一郎)

サンプリング①

寺﨑新一郎 ビジネス統計

16/09/09


今回はサンプリング①ということで、全数調査かサンプリングかということ、サンプリングに向けた母集団の定義についてご説明します。前回は仮説検証②ということで帰無仮説の判定について学びました。まずは最初に仮説を立てますが、自分が言いたいこと・本当はこうであってほしいと思うことが「対立仮説」、そしてその逆が、本当はこうならないで欲しいと思う「帰無仮説」です。まずはこの帰無仮説が正しいのか正しくないのかということを検証します。帰無仮説の判定にはどれくらいの確率で帰無仮説が正しいのか、あるいは正しくないのかを確率で判断します。この確率を有意確率と言い、P置で表されます。また、有意確率の高低は有意水準で判断されます。一般的に有意水準は5%または1%に設定されます。
今回は仮説検証に向けてデータを収集する際の基本的な考え方をご説明します。

それでは、まずは全数調査かサンプリングかということについてみていきましょう。
例えば大学生にスマートフォンの利用状況について調査するとします。そこで、身近な大学生を対象にデータを集めてもよいのかもしれません。大学生に調査をするのであれば、近所の大学生に聞いてみるといったことが出来ます。ですが、そう単純に考えてもよいのでしょうか、言い替えれば身近にいる大学生というのは、大学生全体が持つ特性を代表していると言えるのだろうかといったことが問題になります。この場合、母集団というのは大学生全員であって、身近な大学生はその一角に過ぎません。母集団というのは調査対象の全てのことを指し、この例では大学生全員が母集団となります。そして全員を対象に調査することを全数調査と言います。もちろん、全数調査が出来ればそれが最も望ましい調査になるのですが、全国の大学生全員を対象に調査を行うことは簡単なことではないでしょう。そこで、母集団の一部であるサンプルを対象に調査するサンプリングを実施することになります。サンプルというのは標本のことで、サンプルは大学生1人1人になります。ただ、全数調査はなかなか実施出来ないのかといえば、そうではありません。全数調査を出来る場合もあります。それでは、全数調査が出来る場合についてみていきましょう。例えば産業財の分野では母集団のサイズが小さい場合が多いので、全数調査が可能なこともあります。ちなみに、産業財とは企業間取引で流通する製品のことで一般消費者向けの製品ではない製品のことです。もう一つ例を挙げると、半導体の利用動向を調査するといった場合に、母集団となる半導体メーカーは数十社に限られるので、全数調査が可能となります。半導体メーカーについては、東芝や日立、東京エレクトロン等非常に限られてきます。一方消費財の場合、一般消費者が買うので、非常に大きな母集団になります。このように母集団のサイズが大きいときは、時間やコストの制約から全数調査は現実的ではないので、サンプリングが実施されるという流れになります。

では、ここからはサンプリングの流れについてみていきましょう。
サンプリングの流れは全部で5つに分けることが出来ます。まずは母集団を定義した上でサンプリング・フレームを決定します。サンプリング・フレームというのは調査対象が表示されるリストのことです。タウンページや氏名一覧等が例として挙げられます。次にサンプリング方法とサンプルサイズを決めます。そして最後にサンプリングを実行するという流れになります。では、サンプリングでまず検討しなければならない母集団の定義についてご説明します。母集団を定義するというのは、調査目的を明確にした上で母集団に誰を入れて誰を外すべきかを正確に記述することです。母集団を定義する際は、「調査対象」・「抽出単位」・「地理的範囲」・「調査対象となる期間」を設定する必要があります。先程の例で挙げた大学生のスマートフォンの利用状況に関する調査であれば調査対象は「大学生」、抽出対象は「一人一人の大学生」、そして地理的範囲は全国の大学生になるので「全国」となります。また、調査対象となる期間は「現在」となります。例えば15年前としても意味がないでしょうから、これは「現在」としましょう。
ではもう一つ、住宅の購買理由に関する調査を例に調査対象について考えてみましょう。調査対象は住宅を買う人なので「世帯主」、抽出単位は一人一人の家族の構成員ではなく「世帯」になります。地理的範囲は「全国」、調査対象となる期間はここでは「2015年度」としておきます。このように定義していきますが、まず母集団が何かということは自分で決めるしかありません。その中で全数調査が不可能ということであれば、サンプリングが実施されるという判断になります。サンプリングの仕方については、様々な方法があります。これは非常に複雑なので今回はあえて省きました。

それでは今日のまとめです。
今回はサンプリング①として、全数調査かサンプリングかということについてご説明しました。また、サンプリングへ向けた母集団の定義についてご説明しました。母集団というのは調査対象の全てであり、全員を対象に調査することを全数調査と言います。全数調査が出来れば望ましいのですが、現実的ではないことも多いです。そこで母集団の一部であるサンプルを対象に調査するサンプリングを実施することになります。サンプリングはまず母集団を定義することから始まります。母集団を定義するというのは調査目的を明確にした上で、母集団に誰を入れて誰を外すべきかを正確に記述することです。母集団を定義する際は、「調査対象」・「抽出単位」・「地理的範囲」・「調査対象となる期間」を設定する必要があります。

分野: ビジネス統計 |スピーカー: 寺﨑新一郎

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