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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲11「理性と本能」 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲11「理性と本能」

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/09/06

【テーマ:松下幸之助の経営哲学】
(1)①②概論、(2)宇宙観①繁栄の基、②生成発展、③大義 ④調和の本質 ⑤自然の恵み ⑥素直な心 (2)人間観 ①人間の目的 ②人間性 ③理性と本能

1 はじめに
松下幸之助(敬称略:以下同じ)の経営哲学について、『松下幸之助の哲学 -いかに生き、いかに栄えるか』という本からご紹介しています。彼の哲学は大きく次の五つのものに分かれています。

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2 理性と本能
人間の心の働きを考える場合、私たちは、通常「感情」と「理性」という言葉を使いますが、彼は「理性」と「本能」という言葉を使い、これらについて、次の三つのことを述べています。

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まず第1に、人間の本能は自然に備わったものであり、絶対に無くすことができないこと。これを無視した政治、経済、宗教は無駄であり、且つ人間を苦しめること。第2に、本能には正常なものと異常なもの、すなわち正常本能と異常本能があり、正常な本能は理性によって伸ばし、異常な本能は理性によって矯正していかなければいけないこと。そして第3に、理性を磨いて教養を深めていく時に、本能は人間の文化生活を進める力になるため、これを活かすことによって繁栄の生活が生まれる、と述べております。

3 命の構成要素
では、人間の命を構成しているものとして、どのようなものがあるのでしょうか?人間の命は、一般に肉体と精神(心)(及び魂・霊)からなっているとされています。我々は、通常、肉体と精神(心)を分離して考えますが、本当は心が肉体を操っています。もちろん、肉体が無くなると心も生存できなりますが、生きている状態を前提とすると、心が全てを操っているということになります。肉体の方がどちらかというと、心の操り人形なのです。心と体は不即不離のため、両方が一体となって生きている状況が一番活発で正常な状況です。そして、これらの両方とも重視しなければならないというのが、彼の哲学です。

4 物的法則と心的法則
このうち肉体の方は「物質」なので、「物的法則」に従います。したがって、自然科学や医学等に従うことが重要です。きちんと物的法則に従わないと大変なことになります。他方、精神面(心)は、「心的法則」に従います。したがって、宗教等に従うということが重要です。これらの「物的法則」と「心的法則」の両方を共に法則として捉えている点が彼の非常に優れたところです。普通は、心はコロコロ変わるものだと考えがちです。しかし、そうではなく、心にも法則があり、それに従うことが重要です。

5 心の働きとしての理性と本能
人間(ないし人間性)には、本能的な動物的側面(本能)と、万物の霊長として非常に理性的な側面(神等を創り出して、それを信仰する等)という二面性があります。この両方を持った人間は、神にも動物にもなれないため、人間の道を求めて歩むべきであるということ、すなわち、人間となる努力が必要です。この心の働きには、大きく「理性」と「本能」の二つがあります。「本能」というのは大自然(宇宙)から肉体的な自己保全の為に必須なものとして与えられた基本的な力で、逃れられない性質のもので、これを排除することは絶対にできません。そして、これには正常なものと異常なものがあり、正常なものは正しく伸ばし、異常なものは、理性で上手にコントロールしていくことが重要です。

6 正常本能と異常本能
正常な本能と異常な本能の例としては、例えば、本能には睡眠欲や食欲等がありますが、睡眠時間については、6から8時間位がベストと言われ、それ以下でも以上でも良くありません。食事については、最低限摂取しなければならない量と質があり、逆に摂りすぎると太ってしまうというように、ベストな状況があるわけです。
このように、本能に従う場合でも、それが過大であったり、逆に過小であったりするのは良くないということです。それが「異常本能」です。理性の物事の善悪を判断する力は、当然人間として必須なものなのですが、同時に本能も、宇宙の根源的なものから与えられたもので排除できません。そのため、理性を磨いて教養を伸ばしつつ、本能は適正にバランス良く保っていくということが必要です。これらによって、人間の本来の道を歩むことができ、その結果として繁栄した平和で幸福な社会を実現することができます。

7 まとめ
松下幸之助の経営哲学における、「人間観」のうち「理性と本能」についてお話ししました。人間の本質というのは、理性と本能の二面性があるため、理性を磨いて教養を深めていくこと、正常な本能を理性によって伸ばし、異常な本能は理性によって矯正していかなければならないこと、そして、これらをバランスよく働かせることによって、人間の本来の道を歩むことができ、これによって繁栄した平和で幸福な社会が実現できるということです。

〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』『実践経営哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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