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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 消費増税延期と参院選 (企業財務 M&A/村藤功)

消費増税延期と参院選

村藤功 企業財務 M&A

16/08/26


今日は消費増税の延期や参院選挙の話をしたいと思います。

現在の消費税は何%かご存知でしょうか。昔5%だったものを5%から8%に上げ、8%を10%に上げようかと言っていたのを、2年半先送りにしました。元々は去年の10月に10%に上げようと言っていましたが調子悪いから18か月延期だという話になり、本当は来年の4月に上げる予定になっていました。ところが世界経済、日本経済が調子悪いという事で、もう少し先送りにしようかということになり、2年半先送りにして、来年の4月の予定が2019年の10月に10%に上げることになったということです。公明党が軽減税率で食料品等の一部の物は安くしてもいいのではないかと言うので、1兆円ぐらいかけて軽減税率を導入する予定でしたが、これも先送りになりました。

消費者にとっては、先送り、いずれは10%になるとはいえ、とりあえずはほっとしたのではないでしょうか。ただそれで果たして本当にいいのか、財政が賄えるのかという問題はあるでしょう。

2回目の先送りですが、1回目の先送りというのが2014年に2015年の10月から17年の4月に18か月延期としました。この時安倍総理が再延期は絶対にしないと言っていました。それでまた再延期すると言ったものだから、自民党の人達も選挙の際、再延期しないと言って当選しているのにまずいだろうということになりました。そこで、増税延期で良かったかどうか、参議院選挙の争点にしようということになりました。安倍総理は議席の過半数をとったら国民は増税延期をOKと言ってくれたことにしようということにしました。参議院選挙が7月にありましたが、過半数の61議席に対して自民党は70議席取ってとりあえず国民はOKと言ったという形になりました。ただ、野党的に言うと、今回の選挙はそういう選挙ではないのではないかということになりました。野党には安倍総理をあまり勝たせると憲法改正を発議してきて、9条が改正されるのではないかという疑惑がありました。自民党だけではないけれど憲法改正になっても良いのではないかという人達全部合わせると、当選者は改憲の発議に必要な三分の二を超えたのです。実際何を改憲しようと言ってくるかもまだよく分かっていないのですが、発議ですから実際は国民がそれをOKというか、嫌というかは国会だけで決めるわけじゃないのですが、提案がされる可能性が出てきたという状況です。

そういう事で消費税を上げる8%から10%に上げるのが2年半遅れましたが、これについて良いことがあるのかということです。そもそも日本は国際公約として2020年までにプライマリーバランスを黒字化にすると言っています。その前に2018年に赤字幅をGDPの1%にまで縮小するという事を言っています。ところが2015年段階でまだ、プライマリーバランスという基礎的財政収支の赤字が16兆円あります。大体500兆円がGDPなので、16兆円という事は3%ぐらいです。そうすると3%あるものを本当に1%程度まで縮小できるのかということになり、先送りしたので2018年のGDPの1%まで赤字を縮小するというのは誰が見てもほぼ不可能という状況になりました。更に言うと2020年のプライマリーバランスの黒字化も達成は不可能ではないかと言われるに至っています。そもそも税率を上げたお金は一体何に使うのかという事です。最初は借金が多いので借金を返すという話でしたが、それではなかなか増税を説得できないので、皆さんの為の社会福祉ですと言い始め、社会福祉の為に消費税を上げるのだと言っていました。本当はどうかというと実は一部社会福祉、一部は借金返済で全部社会福祉になったわけではありません。実は消費税を上げなかった事で社会福祉も一部出来なくなるし、借金も返せなくなるということになっています。普通税金は安い方がいいに決まっていますが、必要であれば上げなければいけないこともありえます。

あまり大きな負債を放置すると、もっと怖い事をしてくる可能性があります。日本の政府は戦後に戦争にお金を使ってGDPの3倍ぐらい借金があったことがあり、その時にとてもひどい事をしました。何をしたかというと、新円切替、預金封鎖をやったのです。まず、2週間以内ぐらいに持っているお金を全部銀行に預けてくれないとそのお金は流通出来なくなり、紙くずになると言いました。それでみんな預けるのですが、預けると生活費しか新円でおろしてはいけないとしました。預金の残りについては20%から90%ぐらい財産税で取られたり、ハイパー・インフレで失ったりしました。その頃1945年は500%インフレぐらいで、1946年ぐらいで1,000%ぐらいのハイパー・インフレでした。そうすると預金すると金利なんてほんのわずかでインフレには全く追いつきません。預金債権者のお金と政府の借金は見る見るうちになくなりました。最近は過剰な国債や、国内消化が戦後の状況に似てきているのではないかという疑惑がます。そういう意味では消費税を取られないのは良いのですが、このあとどうなるのかというのが少し心配だという状況です。

それでは今日のまとめです。
今回来年の4月に10%に値上げする予定だったものを2年半遅らせて2019年の10月まで8%を10%に値上げはしないということになり、7月の参議院選挙も自民党が勝ったので、とりあえず消費増税延期は国民の信任を得た形になりました。しかし、本当にそれでよかったのかというと少しあやしく、しようと思っていた社会福祉も一部出来ないうえに、減らそうと思っていた借金も全然減りません。2020年に国際公約としてプライマリーバランスの黒字達成を世界中に約束していますが、どうも達成できない見込みがとても強まってきているという状況です。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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