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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 不確実な未来に備えるシナリオ・プランニング(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

不確実な未来に備えるシナリオ・プランニング(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

16/08/22


・近年、「過去のやり方が通用しない」とか「先の読めない時代」と言われる。技術革新の進歩が速くなり、突然新しい製品やサービスが既存市場を奪うことが起こるので、過去から積み上げてきた事業基盤は、そのまま未来の事業基盤として活用できるとは限らない。多くの大企業が、巨大な経営資源を持て余しながら急速に凋落していうシーンを目にすることが多くなった。
・わかりやすい例で言えば、「ポケモンGo」のリリースは、スマートフォン・ユーザーの時間の費やし方を大きく変え、一日あたりのサービス利用時間でそれまでトップだったフェイスブックを、文字通り"一晩で"抜き去った。
・このように、未来の不確実性は益々高まっている。特に、インターネットの発達の影響は大きい。インターネットや様々な技術革新によって、かつて時間をかけながらゆっくりと変化していたことが、あっという間に激変するようになった。
・では、そのような時代において、どうやって未来の事業を構築していけば良いのだろうか?

・今回紹介する「シナリオ・プランニング」という手法は、「未来を100%の確率で予測することは不可能」という立場に立つ。むしろ、異なるシナリオが複数存在することの理解を通じて、「不測の未来に備える」という考えに立つことが重要なのだ。
・日本語で「予測」といっても、実は様々な意味合いがある。英語でいうPredictionは、過去の経験に基づき分析的に将来を予測するという意味合いが強い。この場合、かつては上手くいったという成功体験によるマインドセットが、組織内の意思決定に大きな影響を及ぼす。未来を描く際のリスク評価でもバイアスが大きくなりがちで、ともすれば過去の成功者を中心に「我田引水」的なロジックで、リスク評価を誤る可能性もある。
・また、Forecast(見通し)も、自分の経験や認識にもとづいて、妥当かつ実現しそうな将来を、どちらかといえば楽観的に描くという意味合いが強い。PredictionもForecastも、不確実性がさほど高くはなく、短期的視点で未来予測する場合は十分に機能しうる。
・しかし、前述のように事業環境そのものが激変する時代では、未来をひとつに絞り込んで固定化してしまうと、自社の事業リスクは逆に大きくなる。むしろ、自社事業に大きく影響しうる「岐路」が何かを認識し、その「岐路」の選択によって複数の全く異なる未来が出現しうることを予め想定し、備えておくことが重要となる。
・従って、シナリオ・プランニングでは、シナリオの前提となる自己のマインドセットを理解し、そこに横たわっているバイアスや固定観念を取り払って、新たなマインドセットを獲得することに重要な価値がある。

・では、シナリオ・プランニングのプロセスを簡単に紹介したい。大まかには、下記の段階から構成される。
(1)シナリオを検討したいテーマについて、10〜15年後の未来の姿を描く
(2)未来の姿に影響する「外的な力」を抽出する
(3)「外的な力」から、インパクトと不確実性の両方が高いもの2つを選ぶ
(4)2つの力を軸に、2☓2のマトリックスを構成し、その象限毎に特徴を整理する(=4つの異なるシナリオができる)
(5)4つのシナリオ毎に、自社が行う事業や参入戦略を検討する

・ポイントは、「インパクト」と「不確実性」の両方共に高い2つの力を軸にマトリックスを構成することだ。
・先に述べた通り、通常の未来予測では、過去から現在までの成功体験によってマインドセットが固定されていることが多く、その延長上に未来を描こうとしがちで、かつ、そのマインドセットを根本的に変えることが難しい。だから、未来が独善的なものになりがちなのだ。
・しかし、このシナリオ・プランニングの場合、到達したい未来の姿を描く際に、複数の「外的な力」によって意思決定の岐路を強制的に織り込まざるをえないので、バイアスや固定観念を排除した複数のシナリオを描き出せることが重要なポイントとなる。

・次回は、具体的な事例を通じて、シナリオ・プランニングについて理解を深めたい。

【今回のまとめ】
・シナリオ・プランニングでは、到達したい未来の姿を描く際に、複数の「外的な力」が加わる事によって、バイアスや固定観念を排除した複数のシナリオを描き出せる。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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