QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 商品の種類②専用品 (マーケティング/岩下仁)

商品の種類②専用品

岩下仁 マーケティング

16/08/10


今日は3つ目の専用品、英語で言うとspeciality goodsと言いますが、それのお話をしようと思います。

前回を簡単に振り返ると、まず最寄品というのはいわゆるコンビニエンスグッズというものです。日用的に消費者がパッと手に取る飲み物や食べ物のことで、そのブランドが無かったら違うブランドでも購入するという、購入頻度の高い物であるということでした。買回り品というのは最寄品よりもこだわりが強く、一定期間で買う物のことです。電化製品や洋服、家具等といった物です。

そして今回は専用品です。 専用品に関してはもっと嗜好性が高い、時計の中でも高級時計ですとか、自動車ですとか、宝飾品みたいな物も専用品の部類に入ってきます。この専用品は特徴として3点挙げられます。1点目が自動車を買われる時等をイメージして頂きたいのですが、いきなり行って買われることはないと思います。調べたりもしますし、店頭に何度も行く、消費者が綿密なリサーチを行うということがあります。2点目が1回買うと、ほとんどブランドのスイッチが起こらないということです。ブランドに対しての忠誠心、つまりロイヤリティが非常に高くなりやすいというのが特徴です。ですから、企業は1回目に買ってもらう物が非常に重要です。最初が肝心で、例えばアルマーニ等といったエントリーブランドは価格帯を落としたブランドを設定する事によって、始めに興味・関心を持ってもらう、あるいは学生さんを対象に作るような宝飾品のブランド等もあったりして1回使ってもらうといったことがあります。そうすると社会人になった時にもっと高いブランドにそのままいってもらうという戦略を取ったりします。 最後が3点目で、希少性を出す為にメーカーとしてはあまり供給、製造を増やしてはいけないということが挙げられます。これを意図的に行っているというのが3つ目の特徴です。近年希少性が非常に注目されていて、ある実験が行われました。2つ瓶を用意し、左の瓶には白いクッキーが3つ、黒いクッキーが1つ。右の瓶は黒いクッキーが3つ、白いクッキーが1つです。事前の調査から白いクッキーと黒いクッキーは品質が同じということが分かっています。しかし、左の瓶に入った黒いクッキーを食べた人と、右の瓶に入った黒いクッキーを食べた人とでは、黒いクッキーに対する評価というのは実は変わるのです。それはやは1つしか入っていなかった方の評価が高くなったという事はお分かりになられると思います。これはまさに希少性効果というものです。これは物に関しても同じことが言えます。たくさんあるよりも少ない方が、実際に同じ品質でも、より高く消費者が評価するという特性があるわけです。ですから専用品に関しては特にこういった希少性というものに注意してやっていく必要があると言えるのではないでしょうか。

実際にあった事例ですが、米国の宝飾品で有名なティファニーが1990年代の後半に手頃な高級品のブームに応じて安価のシルバーの製品のラインのブランドを発表しました。このブランドのライン、リターントゥーティファニーと呼ばれていて、高級なラインの中でも手頃な価格で売り出しました。実際にリターントゥーティファニーは非常に売上に貢献しました。売上というのはつまり、今まで手に入れられなかった層が買いだしたということです。シルバーブレスレットが1万円や2万円、これぐらいのラインで買えるので、10代の後半の消費者が店内に押し寄せました。
売上は一時的に上がりましたが、最終的に落ちました。これはなぜでしょうか。それはみんなが買うようになり、その物の価値が下がってきたからです。どの客層に対して価値が下がってきたのかというのがここでは重要なのですが、今までいたもっとお金を持っている上の層に対してティファニーの価値が下がりました。若い消費者が来て安いラインを買う光景を彼らが見ることで希少性が薄まるという事です。そうするとティファニーに一番お金を落としてくれる層である、保守的なロイヤリティの高い人達がお店を去ったということになります。更にそうなると大変です。ティファニーとしてはそういった人達にまた戻ってきて欲しいので高額のコレクションに力を入れてシルバーから高級宝飾品に新ラインを戻し、価格帯を上げました。しかし、今回お話している専用品の特性として、1回ブランドをスイッチしてしまうと消費者は戻ってきません。結局ティファニーは、一番お金を落としてくれる上の層の保守的な客層を取り戻せなくなり、なかなか売上が戻らないという状況になりました。 この話で特に重要なことは、一度そういう事をしてしまうと、特にこの専用品の場合には元の顧客というものは戻ってこないということです。ですから、やはり希少性というのを出す為に供給を増やさないということは専用品にとってはとても大切な事だということです。

それでは今日のまとめです。
今日は商品の特性ということで3つ目の専用品についてお話をしてきました。専用品にはいくつかの特性がありますが、特に重要な点として希少性をキープすることが挙げられます。希少性を無くさないような売り場や販売の方法を考える事がこの専用品の市場において成功する時の鍵になります。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ