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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学⑨人間の目的 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学⑨人間の目的

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/08/17


今日からいよいよ「人間観」に入ります。この「人間観」は、さらに細かく次のような項目に分けられます。そして、このうち今日はまず初めに「人間の目的」からお話しします。
人間の目的の位置づけ
生まれてきた時には、まだそれに気づいていないかもしれませんが、何かしら人間の生きる意味があると考えられます。そして、それについて考えるのが哲学です。通常私たちは、そういったことをあまり考えずに人生を過ごしがちですが、人間の本質として「人間の目的とは何か」ということを考えてみていただきたいと思います。私たちが成長していく中で、「私が生きている意味は何か」とか「自分の目的は何なのか」ということを考えることはあるかと思いますが、個人を超えた「人間の目的」というのは、なかなか考えたことのある方は少ないと思われます。どちらかというと、すぐに個人のベースで「人生の目的」ということに考えが向きがちです。
そこでまずこの本の内容を思い出していただきたいのですが、この本は、「宇宙観」から始まって、その次に「人間一般の目的」を考え、さらに「個人の人生の目的」を考えるという順序になっています。つまり、マクロの視点からだんだんミクロの視点へという流れになっているわけです。

人間の目的
それでは、一体人間の目的とは何かということですが、これに関して、次の三つのことを述べています。
1 人間の目的は、人間を中心として、生成発展の理法を万物の上に顕現し、もってお互いの繁栄、平和、幸福を図ることにある。
2 繁栄、平和、幸福の実現は、人間の主観的な願いでもあり、また真理にもとづく天与の使命でもある。
3 お互い生成発展の理法を自覚し、絶えざる創意と工夫によって、この目的の達成に努めなければならない。そこから豊かな繁栄の社会が生まれ
てくる。

まず、「人間の目的」は、①(動物でもなく、また神様でもない、)人間を中心として、宇宙の真理である生成発展の理法を全ての物の上に顕現し、もってお互いに繁栄、平和、幸福(PHP)を図ることにある、ということです。要するに、宇宙真理に従って、人間が繁栄、平和、幸福を得るようにすることです。次に、②それが本当に宇宙真理に合っているかどうかということを検討しなくてはいけませんが、結論的には、このことが、人間の願いでもあり、また真理に基づく天与の使命でもあるということです。そして、③単にその生成発展の理法を自覚して理解するだけではなく、絶えざる創意と工夫によって、この目的の達成に努めなければなりません。そこから豊かな繁栄の社会が生まれてくる、という三つのことを述べています。

願いと真理の一致の必要性
この場合、「願いと真理の一致の必要性」ということですが、先ほど述べたように、繁栄、平和や幸福は、一般の人は誰でも願っていることではないかと思います。これは、昔も今も、そして将来も、どこの国に行っても変わらない普遍的な人間の願いであると思います。これは、まず主観的に考えて確かにそうであると理解できることですが、次に、それが客観的な見方、外部の見方ないし真理からみて本当にそうなのかということを考える必要があります。

主観と客観の一致
つまり、見方には主観的な見方と客観的な見方の2つがあります。主観的な見方を人類(人間)のものと考えて、客観的なのはもう少し広く、社会とか宇宙(の真理)のものと考えた場合に、それが一致しているかどうかが重要です。それがぴったり一致した時、無理がなく、その願いが叶えられるということです。人類の願いというのはわかりますが、宇宙の真理はどうかというと、最も基本的な摂理(法則)は、全てのものが関わり合って常に変化、発展している真理です。これを、例えば、動物や生物に当てはめてみると、進化論的にずっと進化向上してきているというのが見えてくるわけです。ですから、それが宇宙の真理と一致します。要するに、人間も進化向上していく役割を担っている。それゆえ、人間の繁栄と宇宙の真理が一致しているといえます。
言い換えれば、地球の歴史を見ていると、単細胞生物であったものから多細胞生物へ、それが進化を続けて、魚類が誕生し、両生類や爬虫類等になって、さらにほ乳類が誕生するというように進化しています。これが自然の摂理であると考えます。それが宇宙の法則であり、真理です。このような進化・発展するという宇宙の法則と、人間の「もっと豊かになりたい、進化発展していきたい」という願いがぴったり一致しているというように考えるわけです。宇宙の真理と人間の願いが一致するので、自分を中心とした見方ではあるけれども、主観と客観が一致しているので、願っても良いということです。

自己実現と自己完成
 しかし、この反対に、例えば戦争などは、みんなで繁栄して、平和で幸福になるという宇宙の真理と一致しないので、起こしてはいけないということです。宇宙の真理と一致している願いであれば持ってもいいけれども、それが戦争等のような、宇宙の真理に逆らうことであるのであれば、それは良くないということです。この両者が一致していることが必要です。よく自分の願いを叶えることを「自己実現」といい、推奨されますが、実はこれだけでは不十分です。これに、さらに「社会貢献」という意識が入ることが必要であり、これによって初めて主観と客観の両者が一致し、この状況が「自己完成」です。自己実現をしながら社会貢献をするという自己完成の状況であると、それは成功します。それが主観と客観の一致し、宇宙真理に合致した状態であり、多いに願っても良いということです。

まとめ
松下幸之助の経営哲学のうちの、「人間観」すなわち「人間の目的は何か」ということですが、(動物でも、神でもない)人間を中心として宇宙真理である生成発展の理法を万物の上に顕現し、もってお互いの繁栄、平和、幸福を図ることである。そして、これは正しい目的なので、皆で頑張りましょう、というお話でした。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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