QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ネットビジネス⑨プラットフォームビジネスの弱点 (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

ネットビジネス⑨プラットフォームビジネスの弱点

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/08/12

これまで、プラットフォームビジネスは非常に儲かるビジネスである、という話をしてきました。
今回は、世の中美味しい話ばかりではないということで、プラットフォームビジネスの大変さについて話したいと思います。

お客さん同士が互いに必要な情報をやり取りする「場」となるプラットフォームの仕組みを取り入れたビジネスをつくると、企業がお客さんに対して直接商品やサービスを売るのに比べて、コストが低くなるうえ、お客さんも雪だるま式に集まるようになり、売上がどんどん伸びて利益が増える、という話をしてきましたが、このビジネスは、果たして本当に儲かり続けるのでしょうか。赤字になる心配はないのでしょうか。

もちろん、決してないとは言いきれません。むしろ、ある日突然儲からなくなる、ある日突然ビジネスが成り行かなくなる、ということがこの業界には起こりえます。そういうリスクがある業界でもある、ということについて少し話します。

その一番のポイントは、こういったインターネット上のビジネスでは、お客さんが簡単に他のサービスに移ることが可能であるという点です。

皆さん、普通にGoogleで検索をしていますが、それがなくなったら困るか、と言われると、おそらくあまり困らないでしょう。他の検索サイトで検索すれば済むことです。

たとえば、Amazonで買い物している人が、楽天やYahoo!で買い物しないか、というとそういうわけではありません。両方で買い物することが可能です。もちろん、「楽天の方が好きだ」とか、「Amazonの方が好きだ」という人はいるでしょうが、ネットショッピングは絶対にAmazonでなければいけないということはありません。

Appleもそうです。皆さんおそらくiPhoneを使っている方が多いと思いますが、他のスマホは絶対に使わない、使えないかというと、そんなことはありません。電話するならガラケーでもできるわけですし、スマホもAndroidとiPhoneを必要に応じて使い分けているという方もいるでしょう。そう考えると、こういった分野は、別にその会社でなければいけないということはないため、より使い勝手のよい製品やサービスが出てくると容易に乗り換えができてしまうというところが、この情報を扱うビジネスの特徴の一つです。

では、より使い勝手の良いものが出てくる可能性というのはあるのでしょうか。

その可能性がある、と言えるのがプラットフォームの世界の恐ろしいところです。前回も話しましたけれど、たとえばGoogleが検索で非常に便利なのは、そこに一生懸命良い広告を出そうと思っている企業がたくさんいるからであり、企業が、Googleの検索が一番広告を出したいと思うのは、そこにたくさんお客さんがいるから、でしたよね。つまり、お客さんにとってこのサービスの何が一番優れている魅力的なポイントかというと、反対側にいるお客さんの数なのです。

ということは、もしどこかの会社がGoogleよりもたくさんお客さんを持っていたとして、その人たちがある日突然Googleと同じレベルの検索サービスを始めたら、それは瞬時にしてGoogleよりも魅力的なサービスになるわけです。そして、私たちは今日からそちらのサービスに乗り換えても何も困りません。つまり、より多くのお客さんを抱える企業がある日突然参入して来ることによって、一夜にして自分たちのサービスの価値が薄れてなくなってしまう、ということが起こり得るのです。

こういうことが、インターネットの世界では頻繁に起きています。

たとえば、私が以前、ネットモール最大手の楽天のある役員さんに、「最近、楽天の買い物客は、どこからやって来るのか」という質問したことがあります。するとその方は、「Facebookから来る方はあまり買い物してくれないけれども、LINEから来る人がたくさん買い物をしてくれる」と話してくれました。「お店からのお知らせをLINEのメッセージで流すとすぐに飛んで来て、みんな買い物をしてくれる」とその人が嬉しそうに言っていたその翌月に、なんとLINEが「Line モール」というショッピングモールを始めるという発表をしました。つまり、自分たちのお客さんを一番連れて来てくれると思っていた「友人」が、ある日突然「競争相手」になってしまったのです。しかも、抱えているお客さんの数は相手の方が多いわけです。

実際のところ、LINEモールはあまり成功しなかったので、最終的にはLINEが撤退を決め、楽天は助かりましたが、当時の楽天の人たちは本当に震え上がっていました。

つまり、プラットフォームビジネスは、儲かり始めると利益も非常に大きく、また売上も順調に成長していくように見えますが、いつ何時そういうことが起こるか分からないのです。たとえば、私たちも今はFacebookを利用していますが、少し前まではMixiを使用していましたし、最近の若い人はFacebookも使わず、LINEやInstagramで日記をつけたりしているようです。SNSも時が経てばどんどん新しい便利なサービルに取って代わられてしまいます。

では、今日のまとめです。
今日は、プラットフォームのビジネスというのは、非常に収益性も高いけれども、「お客さん」というプラットフォームの一番の魅力の源泉になるものが非常に移り変わりやすいため、隣に現れた強豪にあっという間に飲み込まれてしまうリスクのあるビジネスである、という話でした。

次回は、「飲み込まれたくなかったらどうすればいいのか」というテーマでお話します。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ