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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ネットビジネス⑧マルチサイドプラットフォーム (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

ネットビジネス⑧マルチサイドプラットフォーム

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/08/05

前回、Googleを例に、情報が欲しいお客さんとそれを提供するお客さんの間を取り持つようなビジネスがある、という話をしました。今回は、そのようなビジネスを作ると会社に何が起きるのか、という話をしたいと思います。

前回話したように、Googleは、検索キーワードを通して「買いたい商品について調べたい人」と、「商品を買おうと思っているお客さんに商品を売り込みたい人」の両方を上手く結び付ける仕組みを作ったことで大成功しました。アメリカのビジネススクールの先生の研究によると、これを「マルチサイドプラットフォーム」と呼びます。

要するに、「検索をしたいお客さん」と、それから「検索結果に対して広告を出したい企業」の、この二つのお客さんが検索エンジンという所で繋がる機能がある、ということで、「両者に対してサービスを提供しているプラットフォーム」である、という意味です。

Googleのように、上手く両方のお客さんを結び付ける仕組みを作ることにより、広告主はより多く、情報として価値のある広告を検索結果に出すようになり、それによってその検索サービスは利便性が高まります。そして検索サービスを使う人たちが増えると、広告の効果も高まり、その人たちに向けて広告を出したい企業がさらに増えます。このように、両方にとってうれしい関係が成り立つことで、この好循環のサイクルが勝手に回り始めます。

普通の会社では、自分たちが何もしないのにお客さんが勝手に増えるなどということは、滅多にありません。しかし、このプラットフォームの仕組みを作ると、両方のお客さんが勝手にどんどん増えていきます。その結果何が起きるかというと、お客さんを増やすために必要な広告費や販促費がいらなくなります。こちらが何もしなくても収入が増え、集客費用もかからない。これがこのプラットフォームの仕組みの利点の一つです。

もう一つは、このビジネスはコンピューターを用いた仕組みのため、上手くプログラムをすれば、利用者が何百万、何千万、何億人と増えていっても、追加の手間をかけずサービスを提供することが出来ます。ここが人間のやるサービスと大きく違うところです。たとえば、店員一人が一度に相手できる人数というのは、せいぜい2、3人ですが、コンピューターであれば一瞬で百人、二百人、千人、一万人を相手にすることができます。そのため、お客さん一人当たりに対するコストが削減できます。

さらに、この検索サービスでは、キーワード検索をされた際にどのような広告を見せるとお客さんが一番喜ぶか、ということをGoogleではなく広告主が考えます。そのため、広告主は朝から晩まで広告を工夫し、お客さんにとっては、その価値が毎日上がっていきます。Googleは自分で1人1人のお客さんに提供する情報の中身を考えなくても、他の企業が代わりに一生懸命に考えて改善を重ね、しかも売上を増やしてくれるわけです。

Googleは、検索と広告というサービスでこの「マルチサイドプラットフォーム」の仕組みを作り上げたことで、巨額な利益を上げるようになりました。Googleのここ10年間の粗利益率――売上から、サービス提供にかかる諸経費を引いた金額の割合――は、約60%から70%を維持しています。今でも65%ほどです。つまり、残りの約30%は、サーバーやコンピューターを購入したり、通信回線を整備したりするためにかかった費用ですが、それ以外は全部利益になっています。同様に広告を収入にしているFacebookは、粗利益率が更に高く、約80%を超えています。つまり、売上のほとんどが利益ということです。

このように、自動的に莫大な利益が上がる仕組みを作ったGoogleですが、一体どのような企業努力をしているのでしょうか。

もちろん何もしてないわけではありません。プログラムを書き換えて、検索がより分かり易く、よい結果になるように改良を重ねています。スマホのGooogleのアプリも毎日のようにアップデートしていますね。日々少しずつ検索機能も変わっていっています。

また、新しい分野に参入していくための研究開発にも多くの資金を投入しています。たとえば、最近では自動車の自動運転に対して何千億円もの資金を投入して技術開発をしています。儲かっているからといって、全部それをポケットに入れられるわけではありませんが、非常に儲かるビジネスである、という話です。

では、今日のまとめです。
プラットフォームという仕組みをビジネスの中に作ると、コストはどんどん下がり、売上がどんどん上がる、大儲けするビジネスが出来る、という話でした。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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