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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学⑧素直な心 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学⑧素直な心

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/07/28

1 はじめに
松下幸之助(敬称略:以下同じ)の経営哲学について、『松下幸之助の哲学 -いかに生き、いかに栄えるか』という本からご紹介しています。彼の哲学は大きく次の五つのものに分かれています。
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そして、この中の自然や宇宙という「宇宙観」の内容をお話ししています。この宇宙観では、次の六つの項目が示されています。
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今日は宇宙観の最後、「素直な心」についてお話しします。

2 素直な心
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ここで「素直な心」とは、そのままの意味で素直になりなさいということです。この「素直な心」について、彼は、次の三つのことを述べています。
一つ目は、素直な心というのは「寛容にして私心なき心」です。広く人の教えを受ける心。分を楽しむ心。また静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心です。二つ目は、素直な心が生長すれば、心の働きが高まり、物の道理が明らかになって、実相がよくつかめるようになってくるということ、またその為すところ、融通無碍、ついには円満具足な人格を大成し、悟りの境地に達するということ。三つ目は、素直な心になるためには、まずそれを望むところから始めないといけないということ。喜んでみんなの教えを聞いて、自分も工夫して精進し続けていけば、次第にこの心境が会得できるようになるということです。

3 一筋に真ん中を貫く心
ここで、「融通(ゆうずう)無碍(むげ)」とは、何が生じても臨機応変に対処できるということです。悟りの境地に達するとこのようになります。この素直な心とは、東洋哲学的には「無我の心」です。つまり、自我を無くすということです。分かり易く言うと、「本心良心」の状態が素直な心です。
 自分には、頭の中に2人の自分がいるとよくいわれます。つまり、見られている方の自分と、見ている方の自分です。この場合、見られている自分は、普段自分の感情等に素直に従って現実に対応している自分です。普通の人は、こちらの見られている方の自分を、自分だと思っているわけです。
 ところが、本心良心がその後ろの方で見ていて、「そんなことをしたら駄目!」と言ってくるわけです。それは見ている方の自分で、こちらの方が「本当の自分」です。見ている方の自分というのが、ここで言っている、私心なく、広く、寛容な心です。彼は、素直な心が、繁栄、平和、幸福(PHP)のために一番大切な心であると言っています。
この場合、この「素直な心」をそのまま「素直」と漢字で表すよりも、忠実の「忠」がその本質を表すのにまさにぴったりです。忠誠心の「忠」です。一筋に真ん中を貫く心、偏らない心、左右のバランスのとれた心、二心のない心、真心を尽くす心、中心が定まってバランスを失うことのない危なげのない心です。
 これを具体的に説明すると、「独楽(こま)の姿」です。独楽が勢いよく回っているのは、動いているけども留まっている状態です。変なところに偏っていません。しかも一見すると止まっているように見えるけれども、実際は物凄い速度で回転しています。この状態が「独楽の姿」です。いずれにも傾かず、大きな心で全体を正しく把握できて、積極的な心を表しています。

4 水のような心
さらに、素直な心は、次のような水のような心でもあるといっております。
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5 浄玻璃の鏡のごとく
また、鏡の例を出して、素直な心を「浄玻璃(じょうはり)の鏡の如くである」ともいっております。ここで、「浄玻璃の鏡」とは、地獄の閻魔(えんま)さまが亡者を裁く時に使う鏡、つまり、善悪を見極める時に使う鏡です。それは、すべてを映しだすという鏡ですが、このような鏡のように、私心がなく、善悪を見分けられるような心が素直な心です。これに、私心が入ると正しい判断ができません。何故かというと、自分だけ有利になりたい、という心が入ってくるため、それを入れると全体のバランスが取れなくなってしまうからです。この私心を除いて、みんなが譲り合って公平に決定すると、物事は簡単に決まります。

6 まず心に念じ、心がける
それでは、どのようにすれば、素直な心を養えるのか、ということが、次に問題となります。このためには、まず第1に、素直な心になろうと心掛ける、心に念じることです。そして第2に、常日頃生活において、絶えず素直な心になるように、工夫し、精進し、反省をすることです。なお、この場合の反省の内容としては、例えば、偏っていないか、囚(とら)われていないか、物事の実相を見失っていないか、狭い歪められた見方をしていないか又は囚われのない広い視野に基づいて判断したか否か等です。

7 むすび
松下幸之助の経営哲学のうち、宇宙観の最後の項目で、非常に重視をしているものとして「素直な心」があります。これは、偏らない水のような心で、浄玻璃の鏡のように、物事の善悪を正しく映しだして、正しい判断を行うことができる心です。この素直な心によって、繁栄・平和・幸福な社会が実現できます。このように、素直な心というのは、私たちが生きて行く上で、非常に重要です。

〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』『実践経営哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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