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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ものづくりは流れづくり (企業戦略、生産管理/目代武史)

ものづくりは流れづくり

目代武史 企業戦略、生産管理

16/07/25

初めまして。九州大学ビジネス・スクールの目代武史(もくだい たけふみ)です。
この4月から九州大学ビジネス・スクールで生産管理を担当しています。
今日はQBSの「生産管理」という科目についてご紹介したいと思います。

生産管理について思い浮かぶ言葉といえば、例えば、「製造業」や「ものづくり」、「工場」といったキーワードがあると思います。もう少し詳しい方ですと、「トヨタ生産方式」や「ジャストインタイム」、「カンバン方式」といったキーワードが思い浮かぶのではないでしょうか。「カンバン方式」は在庫管理システムのことですが、例えば海外でも「カンバン」、「改善」、あるいは「ポカよけ」といった言葉はそのまま英語として通用するくらい、日本の生産管理というものはグローバルに浸透しています。ちなみに「ポカよけ」というのは作業中にミスを犯さないように予めミスを防ぐための色々な仕組みのことを言います。

そもそも生産管理というものは一言でいうと流れづくりです。
では、「生産管理」というものについて、どんな印象をお持ちでしょうか。
固い、難しい、縁遠い等と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そもそも何をする仕事だと思われますか。
それは、一言でいえば「流れづくり」です。工場では、材料や部品が工程から工程へと移動しながら、加工され組み立てられ、製品になっていきます。この原材料に付加価値を付けていく一連の流れ、つまり、ものづくりの良い流れを作り、維持し、改善していくことが生産管理の役目です。

では、良い流れとはどのようなものでしょうか。
例えば、料理が上手な人は、料理の味や見栄えも見事ですが、段取り上手な方が多いです。包丁さばきが見事というだけではなく、キッチンのスペースの使い方や調理の順番など淀みなく料理をしていきます。生産管理が目指すのも、こうした淀みのない、流れの良い生産の姿です。揚げ物が終わってから、炊飯器のスイッチが入ってなかった!というような事態に陥らないようにするのが生産管理の役割です。

では、「良い流れ」について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。
生産管理の重要な管理対象にQCDというものがあります。QはQualityのQ、つまり品質、CはCost、DはDeliveryで納期です。このQCDを実現すべく「良い流れ」を作っていくことが重要です。

第一の品質ですが、「正確に流す」ことが必要です。製品の品質には、設計そのものの良し悪しを指す「設計品質」と生産段階のものの出来栄えを意味する「製造品質」の2つがあります。設計段階で良いものが出来ていないとそれを正確に作っても良い品物にはなりません。一方で、設計がいくら良くても製造段階で建て付けが悪かったりするとやはり良いものにはなりません。そこで、品質については、設計段階の品質と製造段階の品質に分けて考えることが重要になってきます。
製造品質は、製品設計と実際に製造された製品との一致度合いを意味しますので「適合品質」とも言います。つまり、正確に流すとは、生産現場でいかに設計通りの製品を作ることが出来るかという課題です。
第二に、製品が価格競争力をもつためには、生産コストを抑えることが必要です。これが「安く流す」ということです。ものを安く作るにはどうすればよいでしょうか?一つの方法として原材料の調達コストを下げたり、賃金の安い労働者を雇ったりするといったことが考えられます。この典型は工場の海外移転です。そしてもう一つは生産性の向上です。同じ量を少ない原材料や短い作業時間で生産できれば、コストは下がります。
最後の三つ目が、納期の問題です。ものの生産には、いくつもの加工や組立のステップ、つまり工程が関わります。納期に合わせてものを作るためには、様々な工程について作業に掛かる所要時間を計算し、各工程の着手の時期や原材料の手配のタイミングを割り出す必要があります。つまり、上手に生産の「流れを計画する」必要があるのです。
これらの良い流れを実現するために、カギとなるものがあります。それは「情報」です。注文情報や在庫情報、工程の稼働情報や品質情報など、ものづくりには様々な情報が関わっています。情報の流れが滞れば、ものの流れも滞ります。ものの流れと情報の流れをいかにして改善していくかが優れた生産管理のカギを握るのです。

やはりトヨタ生産方式が世界で非常に注目されているのは、それだけ情報の管理がきちんとなされており、またそれをいかに皆で共有出来るかということが考えられているからといえます。トヨタの有名な管理ツールに、先程出てきたカンバン方式がありますが、カンバンというのは工程と工程のコミュニケーションツールだと言えます。それだけ情報の役割が重要だという事です。

それでは今日のまとめです。
生産管理とは、ものづくりの主要管理対象であるQCDの実現に向け、生産の良い流れを作るものです。そして、生産の良い流れを実現するためには、情報の良い流れを作ることが重要といえます。
QBSの生産管理では、基本の理論をしっかり学んでいただくと同時に、(Value Stream Mappingといった実用的な分析ツールを使って)グループワーク等を通じて手と頭を動かしながら、生産管理について学んでいく授業となっています。

分野: 企業戦略 |スピーカー: 目代武史

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