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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ネットビジネス④ (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

ネットビジネス④

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/07/08

前回、インターネット上でビジネスをする場合、情報流通のコストがゼロなので、モノの値段も下がり、利益をあげるのが大変難しい、という話をしました。今回は、どうすれば利益を上げられるビジネスができるのか、という話をします。

インターネットの中でビジネスをやろうとすると、単にモノを売っているだけでは利益が稼げないということになりますが、実際には、以前とりあげた「Gang4」のように、ものすごい利益を上げている企業が存在しています。なぜでしょうか。

答えをお話しする前に、少し考えてみてほしいと思います。たとえば、みなさんはネットでモノを買うとき、常に世界中のお店の価格を比べて買っているでしょうか。実は、決してそんなことはありません。それどころか、全く価格を見ずに買っていることも多いはずです。

たとえば、楽天というショッピングモールがあります。そこではボールペンを1本7000円で売っているお店があります。実は、そのボールペンというのは、注文に応じて優雅な筆記体で名前を入れてくれるようになっています。自分や大切な人の名前の入ったボールペンを、ほかの店と価格比較しようにもできません。世界に1つしかない商品だから、7000円でも売れるのです。

あるいは、餃子を入れるプラスチックのパックを1つあたり200~300円という値段で売っているお店もあります。普通に買ったら1つ数円もしないもののはずです。どういうことかというと、そのお店で買うと「餃子の川上」というようなラベルをパックに貼ってくれるのです。それに餃子を入れてパーティーに持っていき、「僕が作った餃子だよ」といえば盛り上がりますよね。

こうしたモノは、「世界に1つしかないから」「面白いから」という理由で、値段に関わらず売れるものです。

ほかにも、私たちがネット上で値段を比べようとも思わずに買うものはいろいろあります。
大好きなアイドルやタレントのコンサートチケットは、ネットオークションで正価の何倍もの値段で競り落として買おうとする人もいます。

また、メルカリなどのフリマアプリでは、1つの商品が出品されてから売り切れるまでに、大体20分しかかからないそうです。見つけた瞬間に買わないとすぐなくなってしまうので、他の商品と値段を比べている場合ではない、ということになります。

それから、Amazonで何かの本を見ているときに、下の方に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という情報がでてきます。私もしょっちゅう買っているのですが、ちょうど自分の欲しいものが表示されていてついついクリックしてしまうという人は多いでしょう。日本では法律で書籍の値引き販売が禁じられているのですが、実は海外では、あそこに表示される「おすすめ」商品をクリックして購入する場合と普通に検索して購入する場合で値引きの程度が異なります。アメリカでは通常、Amazonの本は平均的に10~20パーセントくらい値引きして売られています。しかし「おすすめ」商品をクリックして購入すると値引きがあまりありません。ちょうど欲しかった商品を見つけて買うとき、お客さんが他のネットショップと値段を比べないことをAmazonは知っているのです。

こうして見てきたように、インターネットでモノを買う時、私たちは常に価格を比較して一番安いものを確認して買っているわけではないのです。こうした買い物にはある共通点があります。それは、モノの値段ではないところの価値を私たちが感じているということです。その商品は1つしか存在しない/すぐになくなると分かっていたり、それが間違いなく良いものだと確信できたり、それを自分で探す手間が省けたり、といったとき、私たちはそこについている値札が世界で一番安いかどうかはどうでもよくなります。つまり、インターネットでモノを売る場合、モノそのものを売るのではなくて、そのモノに「特別」「1つしかない」「お得」といった情報がまとわりついた状態で売る、ということがすごく重要です。

Amazonは上に述べたような仕組みによって、通常のEC(電子商取引)の平均的な粗利益率(25~30パーセント)よりも高い粗利益率(32~35パーセント)を得ています。以前、Amazonは利益を全然出していない会社だという話をしましたが、商品を売った利益が無いわけではなく、粗利益は出しているのです。モノを売っているレベルでは少なくとも他のお店より大体5パーセント高い利益を上げているといえます。つまり、彼らは、お客さんが「良い情報には余計にお金を払う」ことをよく知っているのです。

次回、こういった仕組みを作るためにはどうすればいいかという話をしましょう。

それでは今日のまとめです。
インターネットビジネスでは、モノをそのまま売っても儲からないけれど、モノに良い情報をまぶしてうると高く売ることができます。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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