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航空業界

村藤功 企業財務 M&A

16/06/16

今日は、航空業界に起こっていることについて話をしたいと思います。

世界中を行き来する場合、昔は船が主流でしたが、いまや飛行機が世界をつないでいます。現在、ジェット旅客機は2万機ほどもあります。そのうち3400が「リージョナル・ジェット」と言われるもので、日本では三菱重工がMRJ(Mitsubishi Regional Jet)をつくり、2015年11月に初飛行しました。2018年にはANAに納入し、2021年には月10機の生産体制を築くことを目指しています。ジェット旅客機は年に3、4パーセントくらい成長し、20年で約2倍となるスピードで増えているという状況です。

さて、飛行機の数が増え、飛行機によって世界が近くなる一方、事故も増えているのが現状です。少し前ですが、2013年にボーイング787の発煙事故が一時相次ぎました。2014年にはマレーシア航空が2つの事件を起こしています。1つめは、クアラルンプールから北京に向かうマレーシア航空機の飛行機が、南シナ海上空で消息を絶った、というものです。真相はわかりませんが、おそらく墜落したのではないかと思われます。2つめとして、アムステルダムからマレーシアに向かっていたマレーシア航空機が、ウクライナ上空で狙撃されたという事件もありました。これについても、誰が狙撃したかははっきりしないのですが、おそらくロシアによるものではないかと言われています。つい最近でいうと、今年2016年5月17日に、羽田からソウルに向かう大韓航空機が、羽田空港において左のエンジンから出火する、という事故がありました。飛行機が止まり、約320人がシューターで脱出しました。エンジンに鳥が飛んできたのではないかという説がありますが、鳥は発見されず、これの原因についても現在調べている最中です。3月末や4月初めには日本の全日空や日航のシステムトラブルが相次ぎました。全日空は「搭乗手続きシステム」に、日航は「重量管理システム」にトラブルが発生して騒ぎになりました。このように、飛行機が増えてくると、事故もいろいろと起こってきます。

それでは、日本の航空会社の経営状況はどうなっているのでしょうか。日航は2010年に一度破綻し、再生のために公的資金が注入されました。そのため、来年の3月までは色々な規制がかかって、新しい路線はなかなか開設できないという状況です。その結果、全日空がどんどん数を増やし、昨年2015年についに国際線の旅客機数で日航を上回りました。もともとは、国内は全日空、海外は日航というすみ分けがあったのですが、相互参入を許したあとに日航が経営危機に陥ったこともあり、全日空はついに日航を国際線でも旅客数で追い抜いた状況になりました。ただし、来年4月から日航の規制が解け、自由が回復するので、全日空としては戦々恐々という感じでしょう。日本全体としては、航空会社の経営は好調だといえると思います。訪日外国人の増加や、かつてはとんでもないお金がかかっていたサーチャージが、原油安のおかげでゼロになるという状況があり、航空会社の利益を押し上げています。3番手のスカイマークについても、昨年1月に民事再生法適用ということになりましたが、訪日客の増加と原油安で業績が回復し、今年の3月に民事再生手続きを終了しました。全日空、日航だけでなく、スカイマークも戻ってきて、他の安い会社と競争するという状況になってきています。あと2、3年は原油高にならない見通しなので、日本の航空会社の経営はおおむね順調ということになります。

一方で心配なのが、マレーシア航空です。マレーシア航空は1997年のアジア通貨危機をきっかけに業績が悪化しました。2001年には、半値程度で飛ぶ「エアアジア」が開業したことで、ますます状況が悪くなります。そして2014年に起きた2つの事件で経営危機が表面化しました。その後、「カザナ」というマレーシア政府100パーセントのファンドが、アイルランドのエア・リンガスを再建したミュラー氏にマレーシア航空の再建を託します。2018年に黒字化する計画をたてていたのですが、ミュラー氏が辞任を発表し、計画は宙に浮くことになります。また、ミュラー氏は、2万人いた従業員を7千人減らすという、大規模なリストラを行ったので、労働組合と激しく対立しました。航空会社は労働組合が強く、労働組合ともめるとけっこう大変なことになります。アメリカの航空会社でも、労働組合ともめて、「チャプターイレブン」という再生手続きに追い込まれた会社が多いです。航空業界の労働組合はパイロット組合、キャビン・アテンダント組合(CA組合)、整備士組合、というように、様々に分かれていて、もめると大変なことになります。

それでは今日のまとめです。
世界を飛行機がつなぎ、順調に飛行機やエアラインの数が増えています。そのなかで日本としては、三菱重工が久しぶりにリージョナル・ジェットのMRJをつくっています。カナダのボンバルディアやブラジルのエンブラエルに対抗して、もう400機くらい受注しているようです。トラブルで少し遅れていますが、順調に発展してほしいと期待が集まっている状況です。飛行機が増えれば色々なトラブルも起こりますが、お客さんも増え、原油も安くなってきたので、日本の航空業界全般において経営状況は改善しています。

分野: その他 |スピーカー: 村藤功

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