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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > シェアリングエコノミー② (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

シェアリングエコノミー②

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

16/06/28

前回から「シェアリングエコノミー」についてお話ししています。

前回は、「シェアリングエコノミー」の例として、民泊やウーバーという車を利用するマッチングサイトについて説明しました。今日はそれらの共通する特徴を踏まえて、改めてご紹介したいと思います。

「シェアリングエコノミー」とは「シェアする」という事なので、所有する人と利用する人とをマッチングさせるサービスです。その個人と個人を繋ぐという所がこのシェアリングエコノミーの特徴の1つです。その他に特徴的なのは「決済」です。ウーバーの決済では、実際にはキャッシュが全くいりません。事前に登録しているカードで全部決済されるため、運転手と直接やりとりをする必要がありません。
その上、どこからどこまで行くかといった情報も全部入力されていますから、改めて言葉を交わす必要もありません。
そのため、言葉がまったくわからなくても問題なく利用することができるのです。実際に私は台北で使用したことがありますが、中国語が全く分からなくても目的地に行って降りるだけでチップもいりませんでした。

決済は、信用ですよね。信用のある決済手段があるから安心して利用できるわけですが、全てインターネットの中の決済システムを利用しているため、IT技術があってこそ、このシステムが成り立つわけです。知らない人で不安と思ったら、フェイスブックなどで検索して、この人はどこの誰かという情報が得られます。だから悪いことはできませんね。

今日ご紹介しているシステムは、あくまでもホテルに泊まったり、タクシーを利用したりということではなく、一般の方のお家に泊まる、一般の方の所有している車を利用する、というシステムですから信用が出来ないと安心して利用できないですよね。そのため、これらは信用があってこそのビジネスであり、その信用を作ることに企業は一生懸命に頑張って作るわけです。

スマホなどを使用し、ソーシャルメディアで最初に登録する際には、例えばメールアドレスやクレジットカードの番号、ソーシャルメディアのアカウントだとか、場合によっては写真、身分証明書などを最初に要求され、必ずID、個人認証がちゃんと分かった状態でしか登録できません。つまり、匿名では加入したり、同じ人が何度もアカウントを作ったりすることは出来ないようになっています。
このように、信用を作る所を一生懸命にやるので、一旦信用が出来れば非常に利用しやすいサービスになっています。お金を持って行かなくても、言葉も通じなくても大丈夫です。

前回、ウーバーの例でもお話ししましたが、結局、運転手さんが良かったかどうか利用者が評価することで信頼が積み上がっていくわけですけれども、逆に運転手さんの方は、利用者を評価することができます。エアビーアンドビーも同じです。泊まった客(ゲスト)を貸した側(ホスト)が評価する。この人は部屋を汚してしまったとか、使い方が酷かったとか、うるさかったとなどのレビューが公開されます。利用する側も提供する側も双方が評価されるため、お互いに気を付けるようになり、信頼関係が出来てくるようにこのシステムは考えられています。

新しい技術によって出来てきているこういった新しい経済というのは、従来の例えば旅館業法や道路運送法など、従来の規制方法でうまくコントロール出来るかどうかが、次の問題になってきます。

これは別に日本に限った話ではなくて、アメリカでもフランスでも大変な政治問題になっていて、必ず反対運動が起こります。

そのため、禁止されたり、裁判も起こったりします。従来からある一定の秩序があり、それにそぐわないものが出てくるため、当然摩擦が起こるわけですね。けれどもそれは従来の枠の中に納めてやっていくのか、あるいは新しい技術を使ってそれをコントロールしていくのかなど、そのやり様はいく通りもあるのです。ただ目をつむって、よく分からないものは禁止だ!と、従来の枠の中に押し込めようと全部禁止してしまうと、今度は新しい動きがなかなか出てこないという問題が出てきます。だから結局新しいイノベーションとそれを社会側がどうやって受け止めていくかというのは非常に難しい問題で、しかもそれは摩擦を経ながらやっていく事なので、そう簡単に割り切れないけれども、何もなしでいいかとなってくると先程言ったように、ウーバーとエアビーアンドビーというのは、グーグルとかフェイスブックと同じように殆ど世界標準のインフラ的なサービスになりつつあり、無視は出来ないわけですよね。

見たくないものは見ないというわけにはいきません。海外から来る旅行者は当然それを前提にして旅行にくるということも考えられます。そういった中で日本はどうするかという話になるわけです。日本も民泊を解禁という動きがありますけれども、2020年の東京オリンピックに向けて外国人の観光客がたくさんやって来ます。今、「日本再興戦略2016」というのが出来ていますが、この中で規制改革の新たな目標として、「幅広い分野におけるシェアリングエコノミーの推進」というのが一応謳われています。ただ、これは中々難しい問題がたくさんあるのでそう簡単にはいかないかもしれない。ただ第4次産業革命といわれているような新しい動きに対してそれにどれだけそれについていけるかというのが試されているのではないかと思います。

では今日のまとめです。

イノベーションによって起こる新しいビジネスというのは、従来の経済に社会に対して非常に大きな影響を与えるため、それをどうやって受け止めていくかという課題があります。そういう時に私が大事だと思うのは、今あるパイを食い合って片方が増えれば片方が減るという関係ではなくて、こういう新しい技術によって新しいパイを作っていくという考え方、例えばこの世の中にはなかったけれども、新しい考えや流れが来るようになり、それが新しい価値を付け加えてくれるというようにウィン ウィンの関係で、既存の業界と一緒にやっていくということがとても大事ではないかと思います。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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