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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「マーケティングにおける製品デザイン(Product Design)」⑧ (マーケティング/岩下仁)

「マーケティングにおける製品デザイン(Product Design)」⑧

岩下仁 マーケティング

16/06/13

これまで自動車業界を例に、「製品デザイン」には見た目の美しさだけではなく様々な要素が含まれているということについてお話してきました。その要素として、「審美性」、「先進性」、「安全性」、「快楽性」についてこれまでご紹介しましたが、今日は「機能性」についてのお話しです。

デザインの要素として、製品の機能はとても重要です。そのことについて、具体的な例を挙げながらお話していきましょう。

マツダのアテンザという車をご存知ですか?実はマツダのアテンザは、後ろからしゃがんで見ると、他社には全く見られないような仕掛けがあるのです。
バックのナンバープレートあたりからしゃがみ込んで見ると、実はラインが自分の方向に向かって来るように見えるように設計されています。横から見ると曲線が自動車って入っていますよね。それが全部、自分の方向にこれ向かって来るように見えるといった仕掛けがあるのです。

実際にアテンザの後ろに回って、ナンバープレートの所から見てみないとピンとこないかも知れませんが、ライトの形とか、流れ、そのラインが自分の方向に全部こう向かってくるような感覚に陥るようにデザインされているのです。
これがなぜ機能性かといいますと、実はラインが自分の方向に向かって見えるということは、自動車が走行中に受ける空気抵抗が非常に小さい作りになっているからです。新幹線をイメージして頂けると良いと思います。
空気抵抗が少ないということは、よりスピードが出しやすくなったり、すぐ加速がかかるなど燃費も良くなるといった利点にも繋がります。実際にザ・ストーリー・オブ・アテンザという本が出ているのですけれども、そこの言葉を引用しますと、「アテンザの空気抵抗係数というのは、セダンが0.26、ワゴンが0.28とあり、世界に誇れる数値である。」要は非常に低いのです。そういった設計になっているのが、マツダのこのアテンザです。他にも、これマツダだけではなくトヨタの86のエアロスタビライジングフィンという自動車の後方の所に、魚のひれのような何か突起がついている車がありますが、あの突起は「スタビライジングフィン」と言われ、全部空気抵抗を良くしたり、燃費効率を上げるという効果があります。
このように、ただ単に見た目のデザインのためだけではなく、空気抵抗を抑えるという目的のもと設計されているわけです。

実際に富士重工にインタビュー行った時に、副本部長の方は「スバルのデザインというのは機能の重要性、これを認識した上で、新車設計のコンセプトを考えます」とおっしゃっていました。要は、機能性がデザイン考える上で非常に重要な要素であるということですね。

続いては「操作性」のお話です。これは操作のし易さのことです。
ただこの操作をし易くする時に、人間工学や心理学を駆使してドライバーの操作性を向上させるようなデザイン設計を行うのです。

例えば、マツダのアクセラハイブリットという車種がありますが、この自動車を操作する時に、エアコンやカーナビなど様々な操作ボタンが付いていますよね。ドライビングしながらそういった操作をするのは、操作しにくかったり、危険だったりしますよね。しかし、このアクセラハイブリッドは手元を見なくても操作できる回転式スイッチがついています。これによって、自動車運転しながら、エアコンを調整したりすることが可能になりました。

手元を見なくても良いので、安全に様々な操作ができるのです。そのため、音楽の調整をしたり、最近ではスマートホンで話す際にイヤホン付けて話すようなものありますが、そういったものを置く場所があったり、SNSを読み上げてくれたりと様々な機能がこれにはついています。マツダのアクセラハイブリットは、操作性非常に長けており、アクセルにも非常に工夫が凝らされています。通常アクセルを踏むと体が後ろに反り、背中の筋肉が張ってしまいますよね。ドライバーは、アクセルを踏む直前に首に負荷がかかるため、それに備えるために筋肉を硬直させるのです。アクセルを踏み込んでから0.3秒経つと、この緊張を解くのです。アクセラハイブリットのこの開発の方は、実験からこれを明らかにしました。そこで、アクセルを踏んだ0.3秒後にしっかりと負荷が感じられるとここちよく運転できると考え、0.3秒後にうまく負荷が感じられるように、わざと設計しています。
これは、さきほど冒頭で説明したように、人間工学を研究した上で、0.3秒後にあえて負荷を感じられ、より心地よく運転できるよう設計されているということです。こういったところまで気を遣って操作性の向上を追求しているというマツダの例でした。

今日は、製品のデザイン要素として「機能性」と「操作性」の2つを取り上げました。やはりデザインの要素として、非常に優れた機能、あるいは人間工学とか心理学を駆使した操作性の向上というのはデザイン開発において重要であるということです。

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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