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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学⑥調和の本質 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学⑥調和の本質

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/06/09

【テーマ:松下幸之助の経営哲学】
(1)①②概論、(2)宇宙観①繁栄の基、②生成発展、③大義、④調和

1 はじめに
松下幸之助(敬称略:以下同じ)の経営哲学について、『松下幸之助の哲学』という本からご紹介しています。彼の哲学は大きく次の五つのものに分かれています。
松下幸之助の哲学の内容

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そして、この中の自然や宇宙という「宇宙観」の内容を前回からお話ししています。この宇宙観では、次の六つの項目が示されています。

宇宙観の内容
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前回は、この中の第3番目「大義の意義」についてお話ししました。今日は、第4番目「調和の本質」についてのお話です。

2 調和の本質

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そこで、「調和の本質」に関して、次の三つのことをいっています。
第1は、人間を含む万物は、宇宙の秩序に従って調和を保っているということです。すなわち、例えば、地上には四季があり、今はだんだん夏になってきて緑が濃くなってきていますが、これも一定の秩序を保ちながら調和を保っているという状態です。同様に、人間も宇宙の秩序を受容することによって、調和のある生活を生み出すことができます。
第2は、調和を保とうとする場合、決して妥協やなれ合いではなくて、宇宙の真理に順応することによって、それぞれが持っている天分に従って生きることが大切です。
第3は、「常に調和を保つ」ということを、ただ単に知識として知っているだけではなくて、お互いに訓練して、生活に活かしていかなければならない。そして、これを活かして初めて繁栄や平和、幸福が約束される、ということです。

3 妥協は真の調和ではない

普段我々の生活は、自我があり、自我に基づいて、自分の考えていることや行っていることは、絶対正しいと思っている人が、ほとんどです。そうすると我の張り合いになり、争いが出てきます。それでは家庭生活や社会生活が上手くいかなくなるので、そこに妥協やなれ合いが出てきます。それが本当の調和かというと、そうではなくて、妥協やなれ合いというのは不満や不平、あるいはあきらめを内心に持っているわけです。それでは、本当の調和とは何か。それは、人間でも動物でもそれぞれの個性があり、それぞれの持っている個性や天分に応じて、お互いにそれを活かしあっている状態が、真の調和の状態です。そして、状態でいえば、「調和とは、理想的な完成形・最終形のこと」です。調和が保たれるというのはパーフェクトなのです。反対に調和が崩れている状況は争いの世界です。例えば、今はIS(イスラム国)等が話題になっていますが、このような争いの世界は、完成形ではなく、調和が保たれていない世界であり、理想の世界ではありません。逆にいえば、理想の世界とは調和が保たれている完成形の世界です。

このような意味で、人間の歴史を紐解いてみると、調和を乱すようなことを繰り返し行ってきています。それは、個人のエゴ、会社等の組織のエゴとか、国家のエゴ、宗教的エゴ、あるいは人類のエゴ等が出ています。このように、エゴや我を通せば通すほど、調和が乱れるわけです。つまり、宇宙の秩序を乱しているということです。人類のエゴによる自然破壊もまた、宇宙の秩序を乱していることです。そうすると反対に、「作用反作用の法則」に基づいて、必ず人間にその災いが及んできます。

4 秩序は真理に連なる
それでは、秩序をどのように作るか。これに関する考え方として、次の二つのものあります。一つは、人間が作るという考え方と、もう一つはもっと根本的に宇宙で既に作られるという考え方があります。普通の人は、人間が考えて秩序を作りだすと考えます。このようなものの具体的には、例えば、儒教があります。これは人間が考えた制度であり、中国とか日本等で実際に使われています。さらに、これよりもっと大きなスケールのものが、大自然、宇宙、宇宙の秩序に則るという考え方で、松下幸之助のように、「物事の秩序は、人間の小さな考え超えて、既に大自然の秩序が厳然として存在している」というものです。そして、この方が正解であり、真理です。それゆえ、宇宙には法則、真理、秩序があって、それに従って生きるのが調和の本質です。なぜかというと、この前も説明したように、人間は宇宙がなければ存在できないのに、宇宙は人間がいなくても存在できます。つまり、どちらがより大きく前提となるのかというと、宇宙の存在や法則の方がより大きく、前提となるということは自明です。
5  宇宙の法則に適応した生活態度
そして、ここで「宇宙の法則」とは、宇宙根源の力が万物に働く法則すなわち真理のことです。この宇宙の法則には、二つの側面すなわち物的法則と心的法則があります。

①「心の法則」=心的法則 (見えないけれども、厳然として存在する)心に関する法則
②「物の法則」=物的法則 万有引力の法則等

物的法則は万有引力の法則等で科学的に確かめられるものなので、非常に分かり易いです。他方、心的法則は目に見えないので、それが存在することに気づかないことが多い。すなわち、現実には、心的法則が厳然としてあるのですが、これに気付いてない人やそれを法則であると思ってない人が多いのです。この心的法則の一番の典型例は因果律、すなわち「善因善果・悪因悪果の法則」です。これは、善いことをすれば善い結果になり、悪いことをしたら悪い結果になるというものです。これはほとんどの人は知っています。それゆえ、これが法則だと分かっている人は、絶対に悪いことはしません。従って、悪いことする人というのは、これが法則だと気づいていないか、そのように思っていない人です。すなわち、自分が悪いことしても、悪い結果にはならないと思っているのです。しかし、そのように世の中は、上手く行きません。この「因果律という法則は、常に機が熟すれば、必ず働きます」。
6 二つの注意点
 宇宙の法則に適応した生活態度に関して、注意すべきことは、次のような2点です。
① この2つの法則によって生かされているということを「自覚」し、認識すること
② 人間のみならず、万物全てがこの法則によって動かされているものであるということを認識すること
すなわち素直な心で、この宇宙の法則を感じ、これに基づいて生活を反省し、各人が訓練をし、これらの法則に適応した生活態度を取ることが大切です。
7 むすび
松下幸之助の経営哲学の「宇宙観」で、特に「調和の本質」は、理想としての完成形であり、単なる妥協とかなれ合いではなく、宇宙の法則・真理に順応して、各人が持っている天分を活かして生きることによって、社会が繁栄し、平和で、幸福で社会が実現するということです。
〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』『実践経営哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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