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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > プラットフォームブランディング⑦ (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

プラットフォームブランディング⑦

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/06/03

前回は、「ブランドがプラットフォーム化すること」のメリットとデメリットについてお話しました。デメリットについて述べるなかで、ソーシャルメディアのなかでネガティブな意見がでてくるリスクを挙げました。今回は、そうしたリスクに企業はどう対処していけばいいのか、という話をしようと思います。

少し前になりますが、「保育園落ちた日本死ね!」というブログが大きな話題となりました。最初は安倍総理も自民党の議員も、このブログに対して悪口を言っていました。すごかったのは、ソーシャルメディアのなかでこのブログやそれに対する国会の冷ややかな反応が批判の対象になり始めた瞬間に、総理はじめ自民党議員の態度が、手の平を返すように変わったことです。自民党というのはマーケティング的、ブランディング的な視点を徹底させている党だなと感じました。

さて、ネガティブな評価をうけることは、ソーシャルメディアのなかでは避けて通れない話です。したがって、これにどう対処するかは本当に大きなテーマです。プラットフォーム化するなかでブランドを守っていくために企業がやらないといけないこととして、私は大きく分けて3つのことがあると考えています。

1つめは、冒頭に挙げた自民党の例にもあてはまることですが、「よく聴く」ということです。
ソーシャルメディアのなかで、どんな人がどういうことを言っているのか。多くの人たちの意見は今どっちに向いているのか――こういったことについて、きちんと耳を傾けるということが、やはりとても大事です。
驚くほどに、多くの会社が、ソーシャルメディアのなかで自分たちの商品の評判やブランドについての意見がどのように交わされているのかを見ていないという現状があります。
そのため、たとえば何かの製品に対してネット上で批判がすごく盛り上がっても、実際のお客様窓口に色々なクレームが届くようになってから初めて何かおかしいことが起きていることにようやく気づき、大騒ぎになるというケースがすごく多いです。
本当は、自分たちのブランドがソーシャルメディアのなかでどういう風に見られていて、どういう風に語られているのか、ということを普段から見ていないといけないのです。「傾聴すること」、これがまずやらないといけないことです。

2つめは、「味方を増やす」ことです。
具体的には、自分たちのブランドについてポジティブな意見をもっている人、ネガティブな意見をもっている人が、どういう人たちなのか、なぜそういう意見をもっているのかということを分析した上で、ポジティブな人には更にポジティブなコメントをしてもらえるように、あるいは、ネガティブな人に少しでも考え方を変えてもらえるように働きかけをしていくことです。
こうしたことを地道にやっている会社と、そうでない会社とでは非常に大きな差がついているというのが私の印象です。なるべく味方を増やす、どこに味方がいるのかを知っておく、ということが大事です。

そして3つめが、ソーシャルメディアのなかで自社ブランドについて触れられるときに、「こういう触れ方が良い」という雰囲気をつくることです。
なかなか難しいことではありますが、「この話が出ると必ずこういうふうな返事があって、みんながこういう気持ちになっていく」というような雰囲気をつくっていくことは、とても大事です。
例を1つ見てみましょう。
GAPというアパレルのブランドがあります。GAPは、ソーシャルメディアのなかでの自社ブランドの動向によく注意を払っていて、たとえば、お客さんがどういうシーンでGAPの服を着て、ツイッターに写真をアップしているかというのをずっと追いかけています。有名なのがGAPのマークがついたパーカーですが、学生サークルなどの集合写真で、このパーカーを着ている人たちが写っている写真がアップされたら、それを自分たちのサイトに引っ張ってきて、「こんな人たちもGAPのパーカーを着てくださっています。ありがとう」という風に褒めるわけです。そうすると、「GAPのパーカーを着てみんなで集合写真を撮ると褒めてもらえるんだ」、「GAPのサイトに載るらしいよ」、「僕らもやろう」と盛り上がり、GAPのパーカーの集合写真がどんどん増えていく、ということになります。GAPはこういう雰囲気作りをやっているわけです。
この例のように、ソーシャルメディアのなかでとり交わされる自社ブランドの印象について、企業側が何もできないわけではありません。企業が働きかけをすることによって、空気というか、ムードを作ることはできるのです。

あからさまに自分たちの言いたいことを言ってもなかなか聞いてもらえませんが、相手の言っていることをよく聴いて、それに合わせたコミュニケーションをとっていくことがブランドをプラットフォーム化していくときに非常に重要なポイントになってくると思います。

それでは今日のまとめです。
ブランドのネガティブ評価を減らし、ポジティブな雰囲気をつくっていくことはできないことではありません。ソーシャルメディアのなかのお客さんの声をよく聴いて、それに寄り添うコミュニケ―ションをとることが大事です。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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