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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学③ (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学③

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/05/11

【テーマ:松下幸之助の経営哲学】
(1)①②概論、(2)①宇宙論:繁栄の基

1 はじめに
前回から松下幸之助(敬称略:以下同じ)の経営哲学を、『松下幸之助の哲学』という本を基づいて、ご紹介していますが、彼の経営哲学は、次のように、大きく5つのものに分かれています。
第1は、自然や宇宙をどのように考えるかという「宇宙観」、第2は、人間をどう考えるかという「人間観」、第3は、人間の具体的な人生をどう考えるかという「人生観」、第4は、人間が構成する社会をどう考えるかという「社会観」、第5は、社会において非常に重要な政治に関する「政治観」です。

彼の哲学で特徴的なのが、自然・宇宙という宇宙観から始まること及び政治観です。最後の政治観は、政治に対して非常に興味を持っていたという点が一般的な人の哲学とは少し違うかと思います。一般的には、人間とか人生とか社会とかに関するものが多いと考えられます。

2 宇宙観の必要性
彼は、経営哲学を宇宙観から始めています。今回からしばらく、その宇宙観の内容を一つずつ細かく見ていきたいと思います。
彼の哲学は、『松下幸之助の哲学 -いかに生き、いかに栄えるか』に示されていますが、この「自然・宇宙」という宇宙観のところを見ると、次の六つの項目が示されています。
第1は、どういうことをしたら繁栄できるのかという「繁栄の基(もとい)」。「もとい」とは、基礎の基ですね。第2は「生成発展」、第3は、正義のため、平和のためなどという「大義の意義」、第4が「調和の本質」、第5が「自然の恵み」、第6で非常に重視しているのが「素直な心」です。

3 繁栄の基
今日は、この内の「繁栄の基」についてお話します。この中で、彼は、次の三つのことを言っています。
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まず第1は、限りない繁栄と平和と幸福とを、宇宙真理が我々人間に教えてくれているというのが1番目です。第2は、人間は貧困や不安に悩むということがありますが、それは、人智に囚われていて、宇宙の真理や法則に従っていないからであると考えます。すなわち、人間は自己が知識持っているために、自己の知識で様々なことを考え、それに従ってしまい、より根本的な宇宙や自然の真理・法則に従わないので、貧困や悩みが生まれてくるというのが2番目です。第3は、お互いに素直な心になって宇宙真理に順応することに努め、心身ともに豊かで住み易い社会を作らなければならないということです。

4 生かされているということ
(1)  生かされているということ
まず人間は、宇宙や大自然に生かされているということをしっかりと自覚しなくてはならないということです。要するに、動植物は自然法則に順応して、栄えようとしているのに、人間は先程から説明しているように、自然法則を無視して、自分たちが考える誤ったやり方でやろうとするので、色々な間違い等が出てくるということです。大自然に生かされているということを前提として、自然と調和した生活態度で生活していくということの大切さを説いています。
(2) 自然と人工
現実の社会には自然のものと人工のものがありますが、自然科学は、すべて元は自然の法則を人間が発見して、ただそれを利用しているに過ぎません。火なども、火が起こるのを人間が見て、どのようにすれば、火が起こるのかということを学習して利用しているだけなのです。従って、大自然の法則の方がずっと大きいということがまず大前提とになります。
つまり、いくら科学が発展して人工的なものが世に溢れていても、大元は自然であり、人工的なものというのは、自然の中の人工であるということなのです。自然を人為的に利用できるものは大いに利用して良いのですが、自然の方が大きいということを理解しておく必要があるのです。大自然の法則というのは、未知のものが沢山あるわけなので、それから比べると人智というのはとても小さく狭いものです。

5 素直な心は、心眼を開く
第2は「素直な心」です。素直な心になると、心眼(心の眼)が開きます。心眼を開くというのは、悟りの境地なのですが、この境地に達するためには、素直にならないといけません。それは、どのような心なのかというと、自分という我を無くすという「無我」の状態です。そして、このような深い理性である本心良心のことを「素直な心」と言います。つまり、ここでは、我を捨てるというのが重要であるということです。では、「我を捨てる」とは、どのようなことであるかというと、自分の中に沸きあがる感情がありますが、このような感情や自己の利害ではなくて、それらを捨て、深い理性で考えることです。すなわち、利害というのは、これは自分にとって得か損かと考えることですが、そのような自己の利害得失を離れて、第3者的な観点から考えることです。それが「素直な心」・「無我の境地」です。

6 まとめ
松下幸之助の経営哲学は、まず宇宙をどう見るのかという宇宙観から始まります。そして、そのうちの「繁栄の基」は、素直な心に基づいて、自然の理(ことわり)、自然の法則に従った生活態度をとることが、社会の繁栄のためには、非常に重要であるということです。

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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