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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > プラットフォームブランディング② (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

プラットフォームブランディング②

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/05/05

前回は、近年、ブランドというものが「プラットフォーム化」している、という話をしました。とくに、「プラットフォーム」という言葉の意味を説明するところから入ったのですが、今回は、「ブランド」や「ブランディング」とは何なのか、というところから話をしたいと思います。

「ブランド」という言葉は、そもそもは牛の背中に押す焼印をルーツとしています。牛の個体を区別するために一頭一頭違う焼印を押したわけです。つまり、もともと「ブランド」という言葉には「記号」あるいは「識別するマーク」といった意味があります。
たとえば、かじりかけのリンゴのシルエットを見たときに、みなさんは「欠けているリンゴだな」とは思わず、「アップルだ」とか「iPhoneだ」と思うことでしょう。私たちは何かの記号を見た瞬間に、その記号が表す商品や会社、あるいはサービスを思い浮かべます。さらにいうと、そのリンゴのマークが使われている商品を使ったときの自分の気持ちや思い出といったものが、思い浮かんできます。これが実は、「ブランド」というものがもっているもう一つの意味です。

つまり、私たちは「ブランド」というものを、実は二つの要素からみています。
一つ目は、「識別記号」としての「ブランド」です。これは、マークやロゴであったり、「アップル」や「イケア」という名前が記号であったりする場合もあります。あるいは、サウンドロゴである場合もあります。たとえばプレイステーションの「ボンッ」という音です。ああいった音もブランドになります。「ボンッ」という音でみんなプレステのゲームのことを思い出すわけです。
二つ目は「知覚価値」としての「ブランド」です。私たちがある記号を見たとき、何かしら呼び起こされる感覚があります。たとえば、赤と白の筆記体の文字を見た瞬間に、口の中がシュワーッとする――コカ・コーラの味を思い出す、というようなことです。

このように、「記号」と「思い出すもの」――「識別記号」と「知覚価値」――との組み合わせが「ブランド」の正体なのです。

だからこそ、前回お話ししたように、「ブランド」は「プラットフォーム」であると考えられるわけです。コカ・コーラを例にとってみると、私たちの知覚というのは、飲む前から始まり、飲んだ時のこと、飲みながら喋ったこと、どこで飲んだか、あるいは一緒に食べた料理などを一緒に思い出します。つまり、私たちがそのブランドに関連して得た体験の全てが、ブランドの価値になっているのです。

それではなぜ、「ブランドがプラットフォーム化している」という意識が重要なのでしょうか。
これまで、日本の企業の方の多くは、「ブランド」と聞くと、「自分とはあまり関係ないもの」ととらえてきたように思います。それには「ブランド」にまつわる三つの誤解がかかわっています。

一つ目は、「ロゴ」を「ブランド」だと思う誤解です。ロゴは自分が決めたわけでなく、変えられないから自分には関係ないということになります。あるいは、会社の「広告」が「ブランド」だという誤解があります。自分は広告をつくっているわけではないから関係ないということになります。そして、「高級品」を「ブランド」だと思う誤解があります。自分の会社では高級品を取り扱っているわけではないから関係ないということになります。このように、「ブランド」にまつわる誤解から、日本のビジネスパーソンの多くが、「ブランド」形成を「自分には関係ないこと」だと思っているのです。

しかし、実際には先ほどから言っているように、「ブランド」とは、あらゆる人にとって、商品と結びついたあらゆる体験からつくられるものなのです。
つまり、一人ひとりの社員、あるいは、お客さんの一人ひとりが、その商品・サービスのブランドをつくることに関わっています。決して無関係な人はいません。残念ながら、日本企業においては、まだこうした意識が非常に低いといえます。「商品を作っているだけだから自分には関係ない」、あるいは、「うちの会社は良いものを作っているからそれで充分だ」と思う人が依然として多いように思います。こうした「ブランド」に対する意識を変えていかなければ、本当に良い「ブランド」をつくることはできません。そうした意識変革を促し、成功する「ブランド」づくりのよすがになればということで、「ブランドのプラットフォーム化」という考え方を唱えています。

今日の話をまとめます。
ブランドは「識別記号」と「知覚価値」の二つから成り立っています。したがって、あらゆる「知覚価値」の要因になっているものは全てブランドに関係があります。あなたももちろん、ブランドづくりに無関係ではない、というお話でした。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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