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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティングにおける製品デザイン(Product Design) ② (マーケティング/岩下仁)

マーケティングにおける製品デザイン(Product Design) ②

岩下仁 マーケティング

16/05/18


少し時間が空いてしまいましたが、前回に引き続き最近マーケティングで注目されている「製品のデザイン」について話を進めたいと思います。

デザインというと見た目の美しさに意識が向きがちですが、最近は、例えばエコにこだわっているだとか、手触りがどうだとかそういうことも含めてデザインであるというお話をしました。

今回、グッドデザイン賞という賞がありますので、それをベースにデザインのどんなところが今評価されているのかというかをご説明したいと思います。

グッドデザイン賞は、実は1957年から始まっている非常に歴史のある賞になります。毎年1200件を超える応募がある中から賞が決まるわけです。グッドデザイン賞といっても、6部門にわかれています。最も審査において高く評価されているのが、「グッドデザイン大賞」です。その下に社会問題に取り組んだとか、将来の提案性などを評価されている「グッドデザイン金賞」。次に、「未来づくりデザイン賞」という来るべき社会の礎となるデザインに与えられた賞があります。そして4番目に、大企業だけではなく、所謂スタートアップしているようなベンチャー企業などから特に優れているデザインが選出される、「ものづくりデザイン賞」があります。5つ目が地域の活性化に役立つようなものに送られる「地域デザイン賞」になります。最後が、「ロングライフデザイン賞」と呼ばれ、製造販売されて生活者に指示され続ける、ロングライフのデザインに送られます。

今日はその中から特に、大賞に的を絞ってどういう所が評価されたのかというのをお話したいと思います。では、ここ近年のグッドデザイン大賞はどんなものがあるか見ていきましょう。2013年、2014年、一番新しいのが2015年になりますが、2013年は「google map」が大賞を受賞しました。皆さんご存じの通り、店舗や場所を検索したり、車や公共交通機関を統合し経路を検索できたりする機能がついています。例えば、大学からレストランに行くときに、通常は駅間でしかわからなかった経路が、今いる地点から衛星でレストランまでの経路が出るという大変優れたシステムです。ある地点から別地点までの全ての経路の検索が可能となりました。

確かに大変優れたシステムではありますが、これもデザインなのかと少し驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。これは評価されているデザインというのは見かけだけではないということがよくわかる一例ではないかと思います。検索のしやすさとか、タッチした時に使いやすさ、使いにくさ。検索しやすさ。そういう所が非常に優れていますよね。単純に見やすさという部分でも、これは指で広げて拡大したり縮小したりということが容易にできるようになっています。そういうマクロとかミクロの操作が非常にしやすいという点も、このデザインの優れたところであり、評価されているポイントでもあります。

2014年になると、デンソーウェーブという企業の産業ロボットが大賞を受賞しています。どんなものかと申しますと、滅菌環境下という特殊な環境でクリーン技術を駆使して非常に緻密な作業をするというロボットです。ロボットもいろいろあると思いますが、この場合、消費者向けの家に置くようなソニーのAIBOのようなものではなく、産業用ロボットが受賞しました。

これは、我々が普段全く身近ではないものです。デザインというと、工場の中にあるの?と思ってしまいますが、やはり0評価されて大賞をとっているわけですから、見かけ以外の部分が非常に評価されているということでしょうね。

そして2015年はこれまた消費者向けなんですが、WHILLという企業のパーソナルモビリティが受賞しました。
お客さんのまさにマーケティングのニーズで、100m先のコンビニに行くのを諦めている車いすの方が非常に多かったんですね。それを、解決してあげるという商品なのです。このWHILLという企業は、電動車いすという製品のカテゴリーではなく、パーソナルモビリティという新しいカテゴリーとして、市場に投入しました。だから従来の電動車いすとは全く違うものとして考えて欲しいという思いがうかがえますね。
従来の車いすと比べて、見かけが車いすっぽくないわけです。非常に親しみのある、角が丸くなっているなど、非常にフィット感が良さそうな、使い勝手が良いデザインになっています。電動車いすだと、充電が非常に大変ですが、この車いすは、非常に気軽にコンセントなどでバッテリーを充電ができ、非常に長持ちするなど手間が非常に掛からないものになっています。コストも具体的な金額をぱっとは言えませんが、低コストでお求めやすい、まさに100m先のコンビニに行くのに手軽に使える、そういった車いすというわけです。

電動車いすの価値感を変えたというところが評価されて、グッドデザイン大賞をとっているということではないかと思います。

では、今回のまとめです。
グッドデザイン賞というものをベースに、製品のデザインがどういうふうに評価されているかということをお話してきました。Google mapにしても、産業用ロボットにしても、パーソナルモビリティにしても、見かけのみならず、使い勝手ですとか、あるいは工場の中で非常に優れた性能を発揮すると、トップの賞であるグッドデザイン大賞をとっているよ、というところですね。

参考資料
「製品デザイン要素の解明―自動車産業に対する定性調査による考察―」『マーケティングジャーナル』岩下仁、大平進、石田大典、外川拓、恩藏直人、第34号第3巻、99-116頁、日本マーケティング学会、2015年

分野: マーケティング |スピーカー: 岩下仁

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