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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > プラットフォームブランディング① (マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)/川上慎市郎)

プラットフォームブランディング①

川上慎市郎 マーケティング、創造(アントレプレナーシップ)

16/04/29

はじめまして。川上慎市郎と申します。
まずは簡単に自己紹介を。もともと私は『日経ビジネス』誌の記者をしておりました。「日経ビジネスオンライン」の立ち上げから運営まで参加し、システム開発、コンテンツ企画と全てに従事しておりました。現在はグロービス経営大学院で、新規事業開発やネット事業戦略を専門として、主に創造領域の研究や教育に取り組んでいます。

さて、今回から、ブランド戦略について話をしていきますが、山口義宏氏との共著である『プラットフォームブランディング』で書いた事例をご紹介しながら話を進めていこうと思います。

まずは、本のタイトルの「プラットフォームブランディング」という言葉ですが、耳慣れない方が多いのではないでしょうか。「プラットフォーム」という言葉は、インターネットやデジタルの領域を仕事にしている方はよく聞く言葉だと思います。また、「ブランディング」は、マーケティングや広告などの業務に従事している方には親しい言葉でしょう。しかし、「プラットフォームブランディング」となると、よくわからない、というのが多くの方が抱く感想ではないでしょうか。

実はこの本のタイトルは、「ブランディング・アズ・ア・プラットフォーム」――要するに、「プラットフォームとしてのブランド」としたかったのですが、「アズ・ア」と言われてもよくわからない、ということで、出版社の方にこのタイトルをいただきました。

「プラットフォーム」というのは、もともと、自動車業界などの製造業において、複数の製品の基盤になっている共通部分のことです。その「共通部分」という意味から、「その上にいろんなものを載せてもいいもの」という意味合いになってきました。デジタルの世界でいうと、マイクロソフトの「ウィンドウズ」が一つの例です。ウィンドウズのパソコンでは、マイクロソフト以外の企業が作ったソフトも動かすことができますが、この場合のウィンドウズは、さまざまなソフトの「プラットフォーム」になっている、と言います。
このように、デジタルやインターネットの世界では、「様々なアプリケーションやソフト、商品などが色々置いてある場所」という意味として「プラットフォーム」という言葉があるわけです。この本においては、実は、「ブランド」そのものも「プラットフォーム」と呼べるのではないかということで、話を進めています。つまり、いろんな人たちが参加をし、その中でコメントをしたり、感動したり、人に伝えたり、そういったいろんなものが載ってくる場所になっているのが、今の「ブランド」なのではないか、ということです。

みなさんは商品やサービスを買ったり利用したりするときに、その名前や評判をグーグルやツイッターで検索して、他の人にどんな風に思われているか調べる、ということをよくやっていると思います。つまり、商品のブランド価値というのは、その商品の基本的な機能や特徴だけでなく、その商品にまつわる様々な情報――世の中の人たちがそれについてどうコメントしているのか、といったこと――も全て含んだうえで形成されている、と考えられるわけです。そういう意味で、「ブランド」が「プラットフォーム化」しているのだと考えられます。

そうした「ブランド」のあり方の一例として、本の中では勝間和代さんを紹介しています。彼女はたくさん本を出して、テレビなどでも活躍している、たいへん有名なタレントです。では、彼女がなぜそこまで有名になれたかというと、そこには彼女の「ブランド」の形成の仕方が大きく関わっているように思います。勝間さんはご著書の中で、「会社をやめて独立しよう」とか「仕事は嫌だったら断っちゃえ」とか、そういう価値観を打ち出していったわけですが、これに対して「会社でコツコツ真面目に働いて仕事をすれば、自分はいつかいい目に合える」と思っていた、少し年上の世代の人たちは反感を抱いて、勝間さんの悪口を言うようになりました。しかし、そういう人たちが反感をもったということ自体が、「もっと自分のやりたいことだけやりたい」、「新しいことにチャレンジしたい」と思っている若い世代にとって、勝間さんのイメージになったと考えられるのです。彼女のブランドというのは、彼女が自分で本を書いて作ったものだけではなくて、色々な人たちの声、それも、勝間さんに反感をもっている人たちの声も含めて出来ているのだということです。

今回は「プラットフォームブランディング」とは何なのかという基礎的なことを話しましたが、次回からはもっと深く掘り下げてお話していこうと思います。

分野: ネットビジネス戦略 |スピーカー: 川上慎市郎

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