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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 公共政策とビジネスはどう結び付くのか?② (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

公共政策とビジネスはどう結び付くのか?②

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

16/04/26

前回、政策はこれまで公共を担う行政あるいは官の仕事だと考えられてきましたが、これからは官と民が協力してやる方向にあるというお話をしました。今日は実際にどんなふうに変わってきたのか、今一番ホットな話題「地方創生」を例にお話します。

一昨年にまち・ひと・しごと創生法という法律ができ、国が最初に人口の長期ビジョンと総合戦略のひな型を作りました。それにならってそれぞれの自治体が長期ビジョンと総合戦略を作り、その総合戦略に基づく様々なプロジェクトを実行するための予算が手当されました。今度の地方創生交付金が出るための条件としては例えば、役所が単独で事業をやるのではなく官民連携、それから広域連携、政策間連携をとってやりなさい、将来はプロジェクトが補助金なしで回るようにしなさいというようなことが書いてあります。

補助金をずっとつぎ込み続ける事ができるのならば別だが、そうでなく事業が自立的に回るようなプロジェクトを作らなければならないとすると、公務員の役人だけで考えるのはとても難しいわけです。例えば地域経済の活性化のため観光推進を政策に掲げても、お客さんにたくさん来てもらうための知恵を民間の人と一緒に出していく必要があります。国も民間的な発想でマーケティングとかマネジメントができる組織を推奨しています。これはDMO、デスティネーション・マネジメント・オーガナイゼーションという組織ですが、これもやはりマーケティングとか、マネジメントの能力がないとうまく回らないわけです。
要するに政策を実行するということは補助金を出して終わりではなく、事業が補助金なしに継続できるところまで役所がコミットする必要があります。そのためには、上流から下流まで、つまり政策立案から執行まで民間の知恵を借りながら官民連携をしっかり行い、経済活動の実態に合わせた経済政策をきちんと考えてやっていかないといけないのです。役所の縦割りでやるのではなく、民間の目線でむしろ地域の方から見てどういう政策が関係するかを考えて政策間連携を図るということもやっていかなきゃいけないというのが今の動向です。
では、実際にどうやってやるかというと、連携という言葉は昔からみんな使っていますが、官民連携というだけではやはりそれぞれ自分のことだけを考えてやってしまいます。パブリックとプライベートの本当の意味でのパートナーシップが動かないとうまく回りません。

実際にうまく回っていくものなのかというと、福岡には福岡地域戦略推進協議会という政策プラットホームがあり、ここにはまさに官も民も学もみんなそこに入っていて、それで一緒に具体的なプロジェクトを動かしています。政府の文書の中で実例をあげこういうふうにやりなさいということが書いてありますが、その先進的な事例としてこの福岡の例が取り上げられています。
福岡地域戦略推進協議会ではいくつかの部会があり、それぞれの関係する企業や関係者が集まってプロジェクトを作り、それを具体的な事業として動かしているようです。この事業者は補助金目当てではなく、また役所に言われてやるということではなくて、むしろ民間主体で自立してそれを回していくといった事例です。そういうやり方はあまり日本にはありませんでした。イギリスには、ローカル・エンタープライズ・パートナーシップという官民が一緒になって政策を作っていくモデルがあります。経済政策としてそういったモデルを活かしていくということがこれから出てくるのではないかなと思っています。

では、今日のまとめです。

政策を動かす主体として、単に役所だけではなく、民間とか企業、市民、NPOが主体的に参画していくことが、重要になってきています。困った問題を解決するために政策を実行するときに、実はそこに新しいビジネスチャンスも生まれる。社会課題を解決するツールの一つとして、民間の活動もこれから大きな役割を果たすようになってくるわけで、そういった切り口から社会を良くしていこうという同じ方向性を持って、官と民が連携をしていくことが大事だと思います。


分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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