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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 公共政策とビジネスはどう結び付くのか?① (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

公共政策とビジネスはどう結び付くのか?①

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

16/04/25

私は元々公共政策が専門で、行政法や行政学の世界にいました。
今日はビジネススクールなので、特にビジネスと行政の世界がどのように関連してくるのかについてお話したいと思っています。

今、地方創生で様々な政策が動いています。この政策を誰が動かすのかというと、通常であれば国とか地方自治体などの役所、或いは公務員ですが、これからは民間の人や企業が政策の担い手になっていくのではないか、ソーシャルビジネスという言葉もあるように、様々な形でビジネスと結びついていくことが考えられます。そうしたことも含めて、今どういう動きがあるかということをお話したいと思います。

政策とは何のためにあるのでしょうか。たとえば、「高齢者が安心して住めるようにする」という政策がある場合、現実はどうかというと、なかなか安心して住めない、将来に対して不安があるとか、人口減少や貧困が進んで町がどんどん寂れていくなどの現状があると考えられます。これに対して安心して住める町とか、人口を増やして活気のある町にしたいという理想があるわけです。つまり、政策は、現実にある困った状態をより良い理想の状態に近づけるために実施しているといえます。

このような「公共政策」は国や地方自治体の仕事であり、公務員が法律や税金を使って作ったり動かしたりするものと考えられています。もともと公務員は、公共のために働く職種であるという認識があります。では、公務員の反対語は何かというと民間人です。民間は公益目的ではなく営利目的で利潤追求する存在なので民間が政策を決めることはないと考えられ、昔から官と民がはっきり分けられていました。
この違いが一番はっきりするのは、事業をする際の資金です。公務員が公共的な事業をやるには強制的に徴収した税金を使いますが、民間の人は自分で稼いで資金を調達します。また税金の使い方は公平であることが重視されますが、民間の場合は効率的であることが重視されます。このように、これまで官と民の違いを際立たせてやってきたわけですが、社会課題の解決を担うのは本当に役所でないとだめなのでしょうか。
NPOや企業の中にも社会の困った問題をなんとか解決したいと様々な活動をしておられる方がいらっしゃいます。そういう活動や事業は世の中のためで、例えばとても素晴らしいデザインの車椅子を売っているベンチャー企業には困っている人達をなんとか手助けしたいという気持ちがあってやっている方もたくさんいらっしゃるわけですよね。それに対して政府が開発促進のため補助金を出せば福祉政策と言われるわけですが、目的とするところ、出そうとしている結果はどちらも大きくは変わらないように思えます。
確かに官が強制的なツールを使っているのに対し、民間は自分で稼いだお金でやっているという違いがあります。しかし、「よりよい社会にしたい」という目的を考えると実はすごく似てくることがあるわけです。そういう意味で、公共の担い手というのは官だけではなく、民とか企業もあるのではないか。それが具体的に「地方創生」の中でどういうふうに動いているのかをお話したいと思います。

地方創生の話は人口減少への危機感、このままだと自治体が消滅してしまうかもしれないという危機感から始まりました。それを防ぐためにはどうすればいいかということを「総合戦略」に沿ってやろうとしています。その時に地域を活性化するのに経済を動かしているのは誰かというとやはり民間企業なのです。政策によって仕事を作って雇用を増やしたいと考えた場合、実際に雇用を作っているのは民間企業ですよね。だから民間企業がうまくビジネスを回していくことによって初めてその地域の経済が活性化するわけです。そうするとその政策の最終的な目標が達成できたかどうかというのは、民間企業がちゃんとまわっているかどうかによるのです。役所が制度や法律だけを作って予算を付けたとして、民間の人がやらなかったら政策はうまくいきません。従来は役所が制度を作ったら、あとは民間が自分でリスクを取ってやりなさいということでしたが、例えば補助金がなくなったら採算取れないから事業が終わるということで政策目的が実現したといえるのか、本当は補助金がなくてもちゃんと民間がまわっていくような仕組みを作らないといけないわけですが、そのような政策づくりはなかなか役人だけでは難しいのです。そこで、それが今後どのようになっていくかどうかということを次回お話したいと思います。

では、今日のまとめです。

従来は官と民がはっきり分けられていて、政策は役所がやるものだとされていましたが、これからそれが段々変わっていこうとしています。どういうふうに変わろうとしているか、その具体的な動きをこれからお話していきたいと思います。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

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