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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 大学のグローバル化 (国際経営、国際物流/星野裕志)

大学のグローバル化

星野裕志 国際経営、国際物流

16/03/18

先日タイ北部のチェンライというところにあるメイファールアン大学というタイ国王のお母様の名前を冠した国立大学で、12日間授業をしてきました。とてもおもしろい経験でした。

タイ語はまったくできないので、英語で講義しました。メイファールアン大学はとてもユニークな大学で、1998年に設立されたタイ国立の最も新しい大学であり、どうしても国内で必要な医学と法律の一部を除いては、すべての学部の講義を英語で教える大学です。

タイの国立大学なのに、英語で教育する大学なのですが、日本でも秋田にある国際教養大学、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学など、英語で教育が行われ、高い評価を受けている大学はありますが、国立大学にはありません。今日は大学のグローバル化についてお話したいと思います。

スーパーグローバル大学という名称を聞いたことはあるでしょうか。文部科学省が、2014年に2種類のタイプの大学を公募しました。ひとつが、「トップ型」として、世界大学ランキングのトップ100を狙う実力がある世界のトップクラスの研究を行う大学で、九州大学も含めて国立大学11校と早稲田・慶応の13校が採択されました。

もうひとつのタイプは、「グローバル化牽引型」と呼ばれて、これまでの実績に加えて新たな取り組みに挑戦しながら、日本のグローバル化を牽引する大学ということです。これには、先ほどご紹介した国際教養大学、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学の3校を含めた24校が指定されました。これらの大学には、国からの補助金が付けられていて、外国人教員の雇用や海外との連携に使われます。

日本でもいよいよ英語で授業が行われることになるのでしょう。特に今回採択された全国の37校では、その傾向が強くなるかと思います。全国の大学からスーパーグローバル大学を募集した際の審査では、各大学の教育・研究力、教員に占める外国人比率、外国語による授業の増加の取り組みなどが評価されたと言われています。

従来のように語学の授業だけではなく、専門科目が英語などで開講されることになることで、優れた外国人教員や留学生が集まることになると、大学のグローバル化の進展が期待されるところですが、実はそんなに簡単ではありません。

英語科目が増えて、外国人教員の比率が増えると、より多くの外国人の学生が日本の大学を目指してくることにはなりますし、今回タイ国立でありながら、ほぼ英語で教育が行われているメイファールアン大学に行ったのは、その実験を見たかったという理由もあります。

すべてが英語で行われるのであれば、世界で日本語よりも英語を学ぶ学生の数の方があるかに多いので、より多く、より優秀な留学生の入学が期待できることになります。ただそこには、質の保証ということがあります。

つまりどのくらい質が高く、国際的に通用する教育が行われているかということです。世界には、教育の質を評価する機関があり、そこの認証を受けていれば世界的に通用するカリキュラムであり、プログラムとしてお墨付きを得ることになります。

しかし、日本の大学が、まさにグローバル・スタンダードに準拠しようとしても、すべての文書が英語で準備され、一定数の授業が英語で行われ、サポート体制も英語でとなると、日本の大学にはとても高いハードルになります。

今回訪問したタイの大学も同じ点に悩んでいて、授業は英語でも、学生が理解できないとすぐにタイ語で説明が行われ、事務手続きや生活はタイ語となると、本当に英語しかできなくて留学するには、多くの課題があるように思いました。
世界では、受験生の大学選びが認証評価の有無で判断されたり、大学間の交流は認証評価のある大学に限るということが、既に始まっています。その点で、訪問したタイの大学では、優秀な学生を世界から集めて、世界の優れた研究者を招いて、世界のトップクラスの大学と提携することには、かなり苦労されていました。なんとなく日本の大学のグローバル化のこれからを見るような気にもなりました。

今日のまとめ:日本の大学の研究と教育をグローバル化させるスーパーグローバル大学という構想があります。専門教育も研究も英語で行う  ことで、海外からの優れた研究者や学生を呼び込み、日本人の海外への展開を促進させるプロジェクトです。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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