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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 安全な水の供給② (国際経営、国際物流/星野裕志)

安全な水の供給②

星野裕志 国際経営、国際物流

16/03/09

昨日は安心・安全な水道水の供給は、世界的に重要な課題ですが、世界の水道事業への民間企業の参入が増加しており、これから100兆円規模の巨大なビジネスに成長する可能性があるという話でした。そこにフランスのヴェオリア・ウォーターやスエズ・エンバイラメントといった企業、そしてイギリスのテムズ・ウォーターという世界のメジャーをはじめとして、多くの多国籍企業が世界中で上下水道の事業に参入しているということを話しました。その結果、年々世界の水道事業の民営化率は高まっています。

上記はヨーロッパ企業ばかりですが、日本の企業では旭化成、東レ、クボタ、三菱レイヨンなど、例えば海水の淡水化技術など、水をろ過する被膜技術のような素材や水処理機器の市場では高いシェアを確保していますが、包括的な事業運営となると世界の市場でのプレゼンスは低いといえます。

そうなると、自ら主体的に事業を請け負うというよりは、エンジニアリングの会社や欧米のメジャーに素材や機器を供給するような連携の形態で、海外の市場に参入するケースが多いようです。

昨日は、日本は世界でわずか15カ国しかない水道水を飲める国の一つと話をしましたが、そんな技術をもった日本の活躍の場が少ないのは残念です。

日本企業も最近は水ビジネスの重要性を認識して積極的にこの分野に入り始めていますので、これからに期待ですが、現在でもアジアを中心に頑張っているところがあります。それは日本の自治体です。東京都や横浜市もそうですが、アジアの水道における北九州市の活動は非常に大きいと思います。つい1月末のことですが、北九州市・北九州市海外水ビジネス推進協議会が、カンボジアとの間に、2030年までに「カンボジアの都市部の全市民に水道を普及させる」という大きな国家目標の達成に向けて、カンボジア王国水道の持続的発展をはかる為の活動に関する覚書を締結しました。

それは、1999 年から、北九州市がカンボジア国内の水道普及に貢献しており、6年前の同国の工業手工芸省との覚書に基いて、主要9都市での水道基本計画策 定に参加してきた実績をさらに発展させることになります。

北九州市の水道の技術が、カンボジアの国全体の水道の普及に貢献できる可能性と、さらに、それ以上が期待されています。北九州市はベトナムのハイフォンと姉妹都市関係にあるのはご存知でしたか。北九州市とハイフォンは緊密な関係にありますが、北九州市が特許を持つU-BCFというろ過装置をハイフォンの浄水場に設置しています。この技術は、水質の安全性向上に有効であり、また運転費用が低いことから開発途上国での利用に適しており、これからベトナム全土への普及も計画されているようです。これは北九州市でも、今後の世界の開発途上国での展開の良いモデルになることを期待しているようです。

日本には海外で活用できる技術の蓄積が他にもまだまだあるようです。ある国連機関の技術会議でお聞きしたのですが水道からの漏水率というのは、世界では非常に高いそうです。安心安全な水を供給することも大変ですが、それを水道管を通して家庭に供給する内に漏れてしまうというのが漏水率です。

マニラでは、53パーセント、ジャカルタでは、51パーセントですから、供給した水の半分が途中で漏れてしまうことになります。ちなみにロンドンでも、漏水率は26.5パーセントだそうです。そんな中で、福岡市の2.6パーセントは、日本国内の17政令都市と東京を含む18都市でさえ最低だそうですから、そうなると世界でトップと言っても良いかもしれません。

他にも福岡市には、国内で最大級の海水淡水化プラント(まみずピア)の供用開始から10年になりますし、25万世帯の生活水を提供できる能力があります。これも水道水の供給について、高度な技術が活用されている事例かと思います。

今日のまとめ:日本企業は、水道水の浄化の被膜技術のような素材や水処理機器において高い技術を持っていますし、安心・安全な水道水を供給する日本の自治体の持つ技術や管理の蓄積は、開発途上国を含めて、世界で活用が可能かと思います。国際貢献にも繋がる水道事業の分野で、日本の様々な技術の海外展開を期待しています。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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