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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 英国における異文化(26):パブと酒類(8)ビール (英文法理論、コンピュータによる英語教育/鈴木右文)

英国における異文化(26):パブと酒類(8)ビール

鈴木右文 英文法理論、コンピュータによる英語教育

16/03/03

「英国における異文化シリーズ」では、パブとお酒の種類についてお話してきましたが第8回目の今日は、いよいよ本命のビールについてのお話です。

ビールの種類を聞かれてもあまりわからないという方が多いかと思いますが、国産のビールなのか、それ以外のビールなのかということは皆さん意識していらっしゃるのではないでしょうか。
国産の4大メーカーが出しているビールを飲む時と、外国産のものを飲む時とでは、確かに味が違うと思います。実は国産のものにも輸入のものにも様々な種類があります。
ビールの種類として、根本的な区別があり、1つが「ラガー」と呼ばれているものでもう1つが「エール」と呼ばれているものです。

ラガーは商品名にもなっていたりするので聞いたことはあるかと思いますが、いったい何が違うのかといわれてもわからないという方も多いと思います。

この2つの大きな違いは、その作り方にあり、発酵がどこで行われるかということなのです。水の中に酵母を入れて発酵させてアルコールを作るわけですが、その酵母がどの位置にいるか、上の方に浮かんでいるような状態に近いものと、底の方に沈んでいる状態に近いものとで分けられます。上の方に浮かんでいる状態を「上面発酵」、底に沈んでいる状態を「下面発酵」と言います。それが化学的にどういう違いがあるのかというところまではさすがに私も存じませんが、作り方によってその後の飲み方や味わいが異なります。

大まかにいうと、日本で飲んでいる4大メーカーのビールのほとんどが「ラガービール」であり、下面発酵で下の方に酵母が沈んでいるものになります。そのため、今まで日本人が何十年もグビグビと飲み続けてきたのはみんな同じラガービールだったということになります。
ところがイギリスでビールと言えば、通常は上面発酵で作られた「エールビール」なのです。そのため、イギリスのパブで普通に"Beer please."と言うと、日本ではなじみのないエールビールが出てきます。
日本で飲むビールと味わいが違うなと感じるのには、実はそういうわけがあったのです。
飲んだ感じとしては、少しアルコール分や味わいが薄い印象をうけたり、ちょっと苦味が抑えられてフルーティーな感じがしたりという印象を持たれた方が多いかと思います。向こうのエールにも様々な味わいのものがありますが、観光客に標準的なものを出そうかということだと、先ほどお伝えしたように少し日本のビールに比べると薄めの味わいのものが多く、アルコール度数も少ないものが多いのです。それが上面発酵と下面発酵のものと関係があるということです。

この種類によって飲み方も異なり、ラガーは普通冷やして飲む文化が多いのですが、エールは常温で飲むのが通常です。そのため日本のビールはキンキンに冷やしたものを飲むのが多く、外国で飲むビールはさほど冷たくなく、常温のものが多いのです。
これにはビールの種類の違いだけではなく、気候の影響も大きいといえます。それはイギリスなどでは、気候的にもあまりキンキンに冷やして飲む必要がないためです。そのため、イギリスで冷えた物を飲みたいという時はラガーを頼むと良いと思います。場合によっては、冷えていないこともありますが、冷蔵庫など特殊なものに入れてあるようなものはラガーが多いですし、売る時に「Extra Cold」と書いて、これは冷やしてあるよとわざわざ断っていることが多いです。普通に頼んだ際に冷えていないエールが来て、がっかりしてしまう人もいるかもしれませんが、慣れてくるとエールをキンキンに冷やして飲むと、かえって味わいが落ちると感じるようになります。フルーティーな感じの味わいが口の中に広がってこれだよなという感じを得る為には、あまり冷やさない方がいいとさえ思えます。

最近では日本でも様々な地ビールの会社やマイナーな会社がエールビールを出していますが、これもおそらくヨーロッパ等での作り方に習って作っているものが多く、フルーティーな感じがしたり、色が赤っぽいものや、茶色っぽいもの、黒っぽいものなど様々なものが販売されています。是非皆さんに飲んで頂きたいのですけれども、焙煎と言われる麦を焦がし気味にしたものは、黒い色のものになるということが分かっています。これがいわゆる「ギネス」と言われているものの大元になります。ただし、ギネスというのはそういった焙煎したビールの種類のごく一部の商品名です。特にアイルランドのギネス社で作ったものなのでどちらかというとイギリス純粋のものではなく、アイルランド島で作っているものなのですが、これが日本では特に有名になったため、あの手のビールをギネスと呼んでしまう人もいます。しかし、あれは1つの商品名なのです。もちろんイギリスでもギネスをくれと言えば置いてない所はモグリといわれるほど必ずといっていいほど置いてありますが、それが種類の全体の名前というわけではありません。日本で売っている物はギネスが多いと思いますが、そうではないもので黒い色のものも時々置いていますので、スタウトとかポーターとかいう種類の名前をかぶせていることが多いかと思います。是非試して頂ければと思います。

では、今日のまとめです。

我々日本人はあまり意識していませんけれども、ラガーとエールという根本的な差があるということ。そしてそのエールというものの中に特に焙煎して使った小麦を使ったスタウトとかポーターという種類のものがあることをお届けしました。

分野: 異文化コミュニケーション |スピーカー: 鈴木右文

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