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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 大企業とスタートアップのコラボレーション(その1) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

大企業とスタートアップのコラボレーション(その1)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

16/03/01


・最近、大企業とスタートアップとのコラボレーションが関心を集めている。昔からそれなりに行われているのだが、改めて注目を集めている理由としては、「仕組み」に工夫がされている点が大きい。
・今回と次回は、大企業とスタートアップとのコラボレーション(オープン・イノベーションとも呼ばれる)について考察してみたい。

・去る1月29日、福岡市内で「西鉄オープンイノベーション・コンテスト」という公開イベントが開催された。これは、西鉄グループの持つ事業資源と、スタートアップの持つ技術やアイデアをかけあわせて、革新的な事業創造につなげようというものだ。
・発端は、昨年のコワーキングスペース「天神COLOR」の開設だ。これは、西鉄とStartup Go!Go!実行委員会、および日本政策金融公庫の三者が協働で開設した起業家支援プログラムの実施拠点で、創業前/後のスタートアップが、コワーキングスペースを格安(フリースペースだと月額12,000円!)で利用できたり、起業・経営にまつわる各種支援サービスを受けることができる。

・この「天神COLOR」に入居する個人/企業を含め、スタートアップは革新的なアイデアや技術を温めて世の中に出す機会を常に窺っている。しかし、小さなスタートアップが単独で製品やサ―ビスを世に出すには様々な障壁が立ちはだかる。スタートアップは、販路も顧客も資金も人材も・・、満足できる事業基盤を持たない。

・そこで、大企業の持つ豊富な経営資源とスタートアップの革新的なアイデアや技術を組み合わせることによって、効率的・効果的にイノベーティブな製品やサービスを世に送り出そう、という考えが浮かぶ。

・しかし、これも「言うは易し・・・」で、実際には大企業とスタートアップの最適のマッチングを実現する手段が無かったり、価値観も文化も、言語(社内用語)すらも違う両者を取り持ってくれる第三者が不在のため、適切なコミュニケーションが取れないまま破談するなど、ハードルは高かった。

・そこで、最近注目されているのが、大企業とスタートアップとのマッチングを図るオープンな仕組みだ。例えば、GM(ゼネラル・エレクトリック)では、ジャック・ウェルチから経営のバトンを継いだジェフ・イメルトが、GEの成長には創造性が不可欠だと確信し、オープン・イノベーションのための事業提案コンテスト"エコマジネーション・チャレンジ(環境エネルギー分野)"を開催した。第一弾では、5,000以上ものアイデアが150カ国から集まり、最終的に22企業/団体とのコラボレーション・プロジェクトに対して、外部のベンチャーキャピタルと連携して数億ドルの投資がなされた。

・従来、大企業は、「誰と」「どんなアイデアを」「どのように事業化するか」について、情報が外部に流出することを嫌い、この種の外部とのコラボレーション(オープン・イノベーション)のほとんどは、クローズトな環境で行われてきた。しかしながら、それでは適切な連携相手や有望な事業アイデアの発掘に限界がある。そこで、よりオープンな仕組みとすることによって、世間の衆目を集めながら、より効果的に連携相手やアイデアの探索(=事業機会の発見)を行おうとする活動が増えているのだ。

・特に最近のインターネット環境とソーシャルメディアの発達によって、情報拡散の力はかつてなく大きい。「素晴らしいアイデアを考えた!」と思っても、同じアイデアを考える人は世界中に数多くいるのが実態だ。アイデアの銃声も否定しないが、もっと重要なのは、そのアイデアをどうやってスピーディに実現するかだ。そのためには、アイデアや技術の中核部分さえきちんと秘密を保持できれば、それ以外の事業コンセプトなどをオープンにして、むしろそれの実現に力を貸してくれる仲間を集めて早く事業をスタートさせたほうが良い場合もある。

・そのような背景があって、大企業が、対外的にオープンな仕組みを通じてコラボレーション相手を効率的に見つけだし、両者協働で新たな事業を立ち上げるスタイルが増えているのだ。

・次回は、大企業とスタートアップのコラボレーションを上手く実現するためのコツについて、さらに考察したい。

【今回のまとめ】
・大企業が、対外的にオープンな仕組みを通じてコラボレーション相手を効率的に見つけだし、両者協働で新たな事業を立ち上げるオープン・イノベーションの手法が増加している。

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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