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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 環境パリ協定 (企業財務 M&A/村藤功)

環境パリ協定

村藤功 企業財務 M&A

16/02/24


今日は、環境パリ協定について話します。

産業革命が始まった19世紀以降、現代までに地球の気温が1度くらい上がっています。そうした中で、昨年の11月にパリ協定が結ばれました。92年に気候変動枠組条約が、97年に京都議定書ができてから、久方ぶりに合意に至ったことになります。

パリ協定では、産業革命以降の気温上昇を2度未満にすること、可能であれば1.5度未満に抑えるように努力することが合意されました。京都議定書では中国とインドが入っていなかった上に、アメリカが途中で抜けてしまいました。パリ協定では、京都議定書の時と異なり、世界の温暖化ガス排出量の約半分を占める中国とインド、アメリカが参加しました。

ここでは、各国が達成義務を課されるのではなく、自主目標を作成することになりました。この管理方式を、プレッジ&レビュー方式と呼びます。今のところ、日本は2030年までに2013年比で26%削減、EUは2030年までに1990年比40%削減、アメリカが2025年までに2005年比26~28%削減と、各国がいろいろな目標を掲げています。しかし現状の目標を達成できたとしても、このままでは今世紀末までに2.7度の上昇が予想されます。そこで2020年から5年ごとに自主目標を作成するとともに、2023年から5年ごとにそれらの進捗を管理することにしました。そうして気温の上昇を可能な限り防ぐという話に落ち着きました。2度未満に抑えるためには2010年比で30~60%の削減が、1.5度未満に抑えるためには8割程度の削減が、それぞれ必要です。本当に実現できるのかどうか誰にもわかりませんが、COP傘下の196カ国・地域すべてが参加するため、なかなか一筋縄には行かないのが現状です。

しかし実はまだ、パリ協定は発効していません。55カ国以上の国がそれぞれの国会などで承認し、かつ、批准国の温暖化ガス排出量が世界の55%以上になって始めて条件を満たし、それから30日後に発効します。世界の排出量の半分を占める中国、インドやアメリカが批准しないと、発効が危ぶまれます。アメリカではオバマ大統領が削減に賛成していますが、同じ民主党のヒラリーさんや共和党はそうでもありません。共和党保守派のティー・パーティーに至っては、温暖化と異常気象の間の因果関係は証明されていないとし、温暖化対策には冷淡です。2016年の大統領選で共和党が勝てば、アメリカがパリ協定を批准しない可能性が出てきます。アメリカが参加しないとなると、中国やインドがそっぽを向き、また空中分解が生じかねません。

今日の話をまとめます。
COP21のパリ協定は、産業革命以降の温度上昇を2度までに抑えることで合意しました。18年前の京都議定書と異なり、中国、インドやアメリカなど、ほとんどの国が参加しています。達成義務はないものの、すべての国が自主目標を5年ごとに作成する義務を負い、2023年から5年ごとに進捗管理されることになります。先進国は途上国の温暖化防止対策に対して、1年あたり1千億ドルを支援します。長期的には今世紀末までに、温暖化ガスの排出量と吸収量を均衡させることを目指します。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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