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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 松下幸之助の経営哲学 イントロー② (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

松下幸之助の経営哲学 イントロー②

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

16/02/16


(1)①②概論

1 はじめに
前回から「松下幸之助の経営哲学」というシリーズをお話しています。これは、『松下幸之助の哲学』と『実践経営哲学』という2冊の本を元にお話していますが、前回に引き続き、そもそも松下幸之助(敬称略:以下同じ)の経営哲学はどこからきているのか、という概要からお話ししていきます。

2 目指す理想の社会:PHP(Prosperity、Happiness、Peace)
彼の経営哲学は、前回もお話ししたように、宇宙や大自然の理法・真理から社会的、人間的、経営的な哲学を導き出すというものです。前回、宇宙や大自然の真理・理法から、大自然がことごとく生成発展しているという進化論的に考えられるというお話をしました。これを経営に当てはめると、社会全体が物心両面で限りなく発展していくような社会にしていくために、経営を行うことが大切であるということになります。そこで、彼が、最終的にどのような社会を目指していたのかというと、PHP文庫やPHP研究所というような、「PHP」です。すなわち、これは、「Prosperity、Happiness、Peace」の頭文字をとったものですが、「繁栄と平和に基づく幸福」ということ意味しています。この繁栄と平和に基づく幸福な社会・世界を目指していくというのが彼の世界観です。社会が繁栄して、平和で、人々が幸せになること、それが理想であり、彼の基本的な哲学なのです。

3 善悪の判断基準
それでは、彼の哲学でいう「倫理・道徳上の善悪の判断基準」は、どこからきていると思いますか?
実は、これもこのPHPからです。すなわち、社会の繁栄・平和や社会全体の幸福に貢献することを善と判断し、それらを妨げるのを悪と考えます。私たちは、ついつい自分の経験とか自分の中で善悪を勝手に決めてしまいがちですけれども、そうではなくて、社会の繁栄、平和や幸福、それらに貢献するのが「善」で、それらを妨げるのを「悪」であると、非常に分かり易い判断基準になっています。
この考え方は、経営哲学の一部ですけれども、これは政治、社会、人間に関する哲学にも共通しています。この考え方が、どこからきているかというと、やはり宇宙や大自然からです。例えば、地球が太陽の周りを回っているとか、自然には四季のような一定の秩序があり、調和のある状態を保っています。この秩序正しく、繁栄し進化向上しているという大自然の姿から経営哲学(なしい基本的な考え方)を導き出してきているため、この社会を豊かに平和に幸福なものとしていくことについての考え方や、これらに基づく善悪の判断についての考え方は、おそらくどのような時代にも、どのような民族でも、どのような宗教でも、これに反対する人はいない、全人類の共通の願いではないかと思われます。

4 生産者の使命
経営を行う場合、経営理念が非常に重要ですが、彼の場合には、「生産者の使命」という考え方を非常に重視しています。御存知のように、彼は松下電器を創業しましたので、メーカー(生産者)として人々を幸せにしていこうということを考えました。「良い製品を合理的な価格(安価)で提供する」という生産者の使命感をしっかりと持って、経営に魂を入れていきました。そういう意味では経営理念を確立するということが非常に重要です。

5 経営の大義名分
次にまた、根本的な問いですが、「会社は何のために存在するのか」と考えますか?
西洋的には、「株主の利益追求のため」などという回答をよく耳にしますが、これでは大義名分がありません。利益追求という側面も確かに存在するけれども、「社会の発展のために、みんなが幸福になるために」という大義名分の下に会社の存在を考える必要があります。会社とは、単なる株主のための金儲けの手段ではなく、「社会に貢献するため」というように、経営理念の一番根本を大義名分のあるものとすることが大切です。

6 経営と幸福
彼は、「経営とは、人間の幸せのために行う活動である。」ということを繰り返し言っています。この幸福ということに関して、京セラでも「全従業員の物心両面における幸福のため」という経営理念で会社経営を行っていますけれども、松下幸之助も、会社の経営は人間の幸せのために行う活動であるということを明確にしています。そもそも会社は株主の金儲けの手段ではなく、人間の幸福や社会貢献のための社会的な公器であるという大義名分のある考えから経営理念が出発しているということが、非常に重要ではないかと思います。
次回からは松下幸之助の哲学その1つ1つを紐解いていくということになります。

7 まとめ
経営哲学を考える時に、「何のために会社が存在するのか」という根本的な問があり、その答えとして、「会社は、社会に貢献し、社会が繁栄し、平和で人々が幸せになるために、存在する」という大義名分を基礎とするということが、最も大切であるというお話でした。

〔参考〕松下幸之助『松下幸之助の哲学』『実践経営哲学』PHP文庫

分野: コーポレートガバナンス 財務会計 |スピーカー: 岩崎勇

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