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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ミャンマー (企業財務 M&A/村藤功)

ミャンマー

村藤功 企業財務 M&A

16/02/02


今日は、ミャンマーについて話します。昨年の11月に行われた総選挙では、アウンサン・スーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が大勝しました。

ミャンマーはもともと、イギリスに支配されていました。1948年、スーチー氏のお父さんであるアウンサン将軍が中心となって、イギリスから独立しました。1962年にはネ・ウィン将軍がクーデタを起こし、以来軍政が敷かれてきました。1990年には、軟禁されていたスーチー氏を要するNLDが総選挙で大勝利を収めましたが、国軍は政権移譲を拒否し、民主化運動を弾圧しました。なお、英語や日本語での表記がビルマからミャンマーへ変わったのは、1989年のことです。その後2010年に20年ぶりの総選挙が行われましたが、軟禁中のスーチー氏は排除されたままだったため、NLDは選挙をボイコットしました。その結果、軍政の受け皿政党であるUSDPが改選議席の8割を押さえ、旧軍政の首相だったテイン・セイン氏が大統領に就任しました。以降、民政化がずいぶんと進んだため、ミャンマーでは2010年を民政化した年と呼びます。そして今回の選挙で、スーチー氏が率いるNLDが勝利し、3月末にはNLDから大統領が選ばれる運びとなっています。

ところが、NLDが手に入れた議席は改選議席の8割です。ミャンマーの国会の全議席数は664ですが、その4分の1にあたる166は自動的に選挙なしで軍が持つことになっています。また軍は、国防大臣や内務大臣、国境大臣の3ポストを自動的に取ることになっています。これらはミャンマー憲法に記載されています。憲法改正のためには、国会の4分の3以上の賛成が必要です。4分の1の議席を軍が持っている以上、軍が同意しないことには憲法改正を行うこともできません。

このように軍の力が大きいため、NLDは軍との協力なしには何もできません。また憲法の中には外国籍の親族がいると大統領になれないと書かれているため、イギリス人の夫と二人の息子を持つスーチー氏は大統領になれません。そこでスーチー氏は、「大統領より上の存在」になると話しています。三月には大統領を決めなければなりませんが、未だ候補者が挙がっていません。誰が大統領になっても重要なことは結局スーチー氏が決めることになるでしょう。もっともスーチー氏は法の支配の重要性を説いてきたので、大統領でもないまま独裁者になるわけにもいきません。彼女は憲法改正を望んでいるのでしょうが、簡単にはできないため難しいところです。

今日の話をまとめます。
昨年の11月にミャンマーで行われた総選挙において、アウンサン・スーチー氏のNLDが、与党のUSDPに大勝しました。しかし国民は、政治改革よりも経済の安定成長を求めており、スーチー氏が国民の期待に応えられるかどうか未知数です。2010年の民政化以降、テイン・セイン大統領はこれまで結構頑張ってきました。ここで経済成長が止まると、国民はスーチー氏にけしからんと言うかもわかりません。また彼女は憲法上正式な大統領になることはできませんし、憲法改正も難しい状況にあります。これからどのようにやっていくのか、今はまだわかりません。周辺の中国やインド、ASEAN、日本はそれぞれの思惑からプロジェクトに取り組みつつ、スーチー氏とミャンマーを眺めているところです。

分野: |スピーカー: 村藤功

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