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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 機会費用 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

機会費用

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

16/02/10

「なんだ、そうなのか!経済入門」という本のエッセンスをご紹介していますが、今日は「もっと良い案があるかもしれない」というお話です。

難しい言葉で「機会費用」と言いますが、「別の機会を逃すデメリット」という意味です。
以前、食べ放題レストランのお話をしましたけれども、3,000円を払って3,500円分のハッピーを得たとして、そのレストラン選びは正しかったかということについて考えました。払った代金よりも500円分だけ多くのハッピーを得たのですから正しかったように見えますが、実はそうとは限らないわけです。食べ放題ではない普通のレストランに行って2,000円を払えば3,000円分のハッピーが得られるとすると、そちらの方が払った料金より1,000円分多いハッピーが得られるわけです。こういう場合には食べ放題のレストランに行くのではなく、普通のレストランに行くべきですね。

問題はどっちのレストランに行ってもプラスのハッピーが得られるけれども、人間は1回しか食事が出来ないので、どちらのレストランか一方しか選べないということです。
このどちらか一方しか選べないというのが大事なキーワードになります。
ハッピーの分が料金を上回っていたとしても、他の店に行けば上回るハッピー分が多いとすればその店に入るべきではないということです。

では今から食事に行きましょうという時、どこに行くのかという、どこに行くと一番ハッピーが得られるのかという点を重視してお店を選びましょうということです。
ハッピーが得られるから行くのではなく、他のお店よりも大きなハッピーが得られる場合でないとそのお店は選ぶべきではないということです。

では、昼寝を例に「機会費用」についてお話します。昼寝にはお金はかかりません。しかし、昼寝をしないでアルバイトをすればアルバイト代が稼げます。今日の午後という時間は一生に一度しかないので、昼寝をするかバイトをするか、どちらか1つしか選べないという中で昼寝をするかアルバイトをしてお金を稼ぐかどっちかを選ぶわけです。つまり、昼寝をするというのはお金を損しているというか、800円を貰うか1時間寝るかという選択をしているということになるわけです。

時と場合によりますけど800円欲しい時と休息が欲しい時はありますけど、どちらか選択をするということには変わりはありません。

もっとよくある間違いは大学学園祭で焼き鳥を売って3,000円儲かったから10人のメンバーで1人300円ずつ山分けしようと喜んでいる学生を見かけますが、学園祭に参加しないでその時間アルバイトしていたら何万円稼げていたのかと聞くと、すごいがっかりしたような顔をするわけです。学園祭の場合はみんなでわいわいやるのが楽しいので、別に損得ではありませんが、同じような話でもっと深刻な話もいっぱいあります。

例えば夫婦二人で小さなお店をやっているとします。毎月20万円の儲けがあります。黒字だからこのお店を続けようというのが普通ですが、夫婦二人で外に働きに行ったら20万円以上稼げるのではないのということを考えるべきではないでしょうか。店を開くと20万の利益だと店を開く前に言われた場合、恐らく20万しか儲からないならどこかに働きに行くという判断をしていたのではないでしょうか。しかし、すでに店を開いて現に黒字が出ているとなかなかこの店を閉じて働きに行こうという発想が浮かびません。赤字の店ならその決断は容易ですが、わずかでも黒字が出ている店というのが危ないのです。こうしたお店ほど間違った判断を続けてしまうということがあります。

例えば毎年1億円儲かっているホテルがあるとします。これをオフィスビルに建て替えると毎年2億円儲かりますという場合には直ちに建替えるのが正しい選択ですよね。しかし、今1億円儲かっているとなかなかそれを取り壊してオフィスビルを建てようという発想がそもそも思い浮かばないわけです。誰かがそういう提案をしてくれればそうだねと思うけれども、誰も思い付かなければそういうことにはなりません。

同様な例は他にもたくさんあります。
例えば、社内のエリートを集めた部署が小幅の黒字を稼いでいるとします。折角お前達エリートが集まっているのだからもっと頑張って働けと言って激励するのも社長としてはありですが、もっと考えると、この部署を解散してエリート達を他の部署に異動させれば他の部署がもっと黒字になり、会社全体としてもっと儲かるという可能性もあるわけです。こんなにエリートを集めてこれしか黒字が稼げていないのであればもうこの部署閉じてこのエリート達を別のもっと儲かりそうな部署で働かせた方が良いことだってあるのです。この部署が赤字になればこの部署閉じましょうと言うのは誰でもすぐ思いつきますが、小幅の黒字の場合はこの部署閉じましょうと誰も言い出さないと折角社内のエリートを集めてももったいないのです。エリートの数は限られているわけですから、どちらの部署に配属したらより儲けが出るのか、どちらが良いのかということを考えるべきなのです。このように最初に申し上げた「どちらか一方しか選べない」というのが今日のキーワードになるわけですね。

では、今日のまとめです。

儲かっていても他にもっと儲かる話は無いかということを考えてみることが大切です。1つの事しか出来ない場合には、一番儲かる選択肢を選ぶべきだからです。難しいのは一から始める時ではなく、現在の仕事がそこそこ儲かっている時にそれをやめて更に儲かる別の仕事を始めるということです。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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