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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > グロービス流リーダー基礎力10-⑦ 伝達力 (リーダーシップ領域/田久保 善彦)

グロービス流リーダー基礎力10-⑦ 伝達力

田久保 善彦 リーダーシップ領域

16/02/12


拙著『27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10』(東洋経済新報社、2015)の中身について、話をしています。今日は、伝達力についてです。

コミュニケーションが大切という話は、耳にたこができるほど皆さん聞かれているかと思います。結局仕事は、どこまでいっても人間がコミュニケーションを取りながら行うもので、その重要性が低くなることはないと思います。もちろん、フェイストゥフェイスのコミュニケーションの機会が減って、メールベースになったりラインベースになったりと、Web上のコミュニケーションツールが主となって行くでしょう。しかし、本質的には人間はコミュニケーションを取りたい生き物であると思いますし、その重要性は普遍であると私は考えます。

コミュニケーションを取る時に一番大事なことは、どこまで相手に寄り添えるかということです。たとえば、正しい人が正しいタイミングで正しいことを言う。これは一見正しそうですが、聞いている側からすると一番辛いことである場合もあります。「あなたに言われたくない」「今日は勘弁してください」などと思うことも、往々にしてあるのです。したがって、相手の立場をどこまで慮られるかという点が大事なのです。非常に重たい話を金曜日の帰りしなや金曜日の夜に言われてしまうと、それを抱えて週末を過ごす羽目になります。本人がショックを受けることを言わざるを得ない場合や、言った後の変化を見たい場合には、午後一で言って夕方までの様子を観察するといった方法をとればよいのです。一週間のはじまりである月曜日の朝8時に重たい話をするのも、また問題です。伝達力においては、相手への興味関心を含めて、「相手が今どんな状況にあって何なら伝えられるのか」などと考えることが大切なのです。

私が好きな本である『経営者になる 経営者を育てる』(ダイヤモンド社、2005)には、コミュニケーションの難しさが書かれています。そこでは、こっちが言ったからといって相手が聞いてもらったことにはならないという旨が述べられています。「聞く」という漢字は、門構えに耳と書きます。これは、聞くというよりは聞こえるというニュアンスなのかもしれません。音として耳の中に入ってきているにすぎないというイメージです。耳に十に目に心と書く「聴く」とは、大きく異なります。どんなに相手に対して一方的に言っても、相手がそれを本当に意味で理解しているかどうかというのはまた別の話なのです。

一方で、「理解した」と「賛成した」は異なります。相手に賛成してもらったとしても、相手が本当の意味で納得して行動しようと思ったかどうかはわかりません。その場でそこまで思ったとしても、一晩寝てしまえば、翌日にアクションを起こしてくれるかどうかもわかりません。そして、アクションを起こしてくれたとしても、それが成果につながるかどうかはもっとわかりません。

たとえば、「宿題をやりなさい」とお子さんに言ったとしましょう。音としてはお子さんの耳の中に入っていますが、しっかりと耳をそばだてて聴いていたかどうかはわかりません。毎日言っていれば、やらなければいけないということは理解するかもしれません。しかし、やろうと思ってもすぐに机に向かうとは限りません。また机に向かったとしても、本当に長時間勉強をし続けるかどうかもわかりません。こっそりとゲームをやっている可能性もあります。そこからさらに、よい成績をとることができるかというのもまたわからないのです。

どのような世界でも、これと同じことが起こるでしょう。だからといって、あきらめてコミュニケーションを取ることをやめてしまったら、チームが動かなくなります。コミュニケーションがこれほどに段差が生じ得る難しいものであるということを理解した上で、執拗に取り続けなければならないのです。いいリーダーとは、実は、あきらめが悪いのです。同じことをずっと言っていたり、同じことを年がら年中やっていたりします。コミュニケーションと聞くと、きれいな言葉を使ってクリアに何かを伝えることと思いがちです。しかし、粘り強く、我慢強く、諦めずに言い続けることが、もっとも重要なのかもしれません。スマートなコミュニケーションもあるのかもしれませんが、実は結構泥臭いものなのです。

今日の話をまとめます。
今日は伝達力について話しました。相手に何かを伝えてから実際に成果を導くまでの間には多くの段差があることを認識することが、まずは重要です。自分自身のコミュニケーションがどこまで人をプッシュできるものになっているか常に意識しつつ行動したいなと、私自身思っています。

分野: リーダーシップ |スピーカー: 田久保 善彦

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