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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ブッフェレストランの収益 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

ブッフェレストランの収益

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

16/01/25

今回「なんだ、そうなのか!経済入門」という本を出版したのですが、そこに書かれている内容をシリーズ形式でご紹介していきたいと思います。
第一回目の今日は、「ビュッフェ方式のレストランはなぜ潰れないのか」というお話をしたいと思います。ブッフェ方式というのは、お店の真ん中のテーブルに何種類もの料理が置いてあり、お客さんが自分の好きな料理を好きなだけ取って食べることができるというシステムです。こういう店には食欲旺盛な人が来る場合が多いですね。お店側としてはあまり食欲旺盛ではない人に来て欲しいわけですが、実際には食欲旺盛な人ばかりが来るわけです。ではなぜビュッフェ方式のレストランは潰れないのでしょうか。

ビュッフェ方式のレストランはどのように採算を取っているのかみなさん気になるところかと思います。その理由はたくさんあるのですが、一つ目は一度にたくさんの料理を作るためコックさんの効率が良いということが挙げられます。1人のお客さんに注文してもらって1人分の料理をつくるのと、注文も来ないうちから20人分の料理を作ってお店の真ん中に並べておくのと、コックさんの手間はあまり変わりません。そうすると、コックさんの効率が普通の店より20倍いいということになるわけです。

また、注文を受けてから作るとなると、コックさんが忙しいのは昼休みの時間帯だけで他の時間はあまり有効に活用できないということが多いのです。しかし、ビュッフェレストランだと注文が来る前に朝から料理作り始めますので、一日中コックさんが効率的に働けます。そのため、コックさん一人あたりのつくる料理の量が、普通のレストランとまるっきり違うわけですね。

その他の理由として、あらかじめある程度材料を決めておくことができるため、在庫として持たなくて良くということが挙げられます。
普通のお店の場合、メニューに載っている料理を作るために様々な材料を少しずつ冷蔵庫に入れておく必要があり、お客さんが注文しなかった料理の分の材料は余ってしまうわけです。しかし、ビュッフェのレストランでは何を作るかあらかじめ決まっているため、作る分の材料だけ仕入れてきますから、材料が無駄になることがありません。在庫として持たなくて良いし、売れなくて腐ってしまう心配もない。無駄を省くことができるのです。

お客さんがお店に入ってすぐ食べ始めるというのも、これは店にとっても客にとってもメリットです。
お客さんのメリットとしては、お腹が空いているときにすぐ食べられるというが考えられますね。一方、お店にとってのメリットは、お客さんがすぐ食べ始めることで、すぐに食事を済ませてお店から出て行くため、回転が速くなるのです。料理が出てくるまでずっと待っていると、次のお客さんが入ってくるまでの時間がかかるので、一日の間にお客さんが入ってこられる数が減ってしまいますよね。

ビュッフェ方式のレストランでは、90分食べ放題とか2時間食べ放題と時間制限が設けられているお店が見られますが、その場合でもビュッフェ方式のレストランの回転率がいいのでしょうか。

一つ例を出して考えてみましょう。90分で2人分の料理を食べて1.5人分の料金を払ってお客さんが出て行ったとします。普通のレストランでは、一時間でお客さんが出て行くとは限りません。料理を注文してから、料理が出てきてデザートを食べるまでの時間を見積もってみると、最低でも1時間かかってしまいます。とすると、ビュッフェレストランの方がお客さんの人数というよりは、収入でみた場合「客質回転率」が良くなるのです。

以上のようなことを踏まえて考えてみると、コストが少なくて済み、効率や回転率が良く、時間や材料を有効に活用できるなどメリットがたくさんあるわけです。

少し難しい言葉で「固定費」と「変動費」という言葉があるのですが、少し視点を変えてこのレストランの費用の面から考えてみたいと思います。レストランの費用には「固定費」と「変動費」というのがあり、「変動費」というのは材料費だと思っていただければいいのですが、お客さんが大勢来ると費用が増える分が「変動費」です。「固定費」はお客さんが来ても来なくてもかかる費用のことです。例えばお店を借りるときの家賃とか、コックさんの給料とかです。
さて、普通のレストランで2,000円の料理のうち、材料費などの変動費が600円かかるとします。そうすると、お店としてはお客さんが1人来て2,000円払ってくれたらその内の1,400円はコックさんの給料として使えるわけです。しかし、2人分食べたお客さんから4,000円のところ3,000円におまけしておくということで3,000円もらえば、材料は2人分ですから1,200円です。3,000円から1,200円引くと1,800円残りますから、コックさんに給料を払うのは1,800円から払えばいいってことで、普通のお店よりむしろ楽になります。
そのため、2人分食べても1.5人分の料金で良いよというとお客さんが儲かっているような気がしますが、実はお店も儲かっているというとても面白いシステムになっているわけです。

ですからビュッフェレストランというのはきちんと採算が取れるようになっていて、お店も繁盛しているっていうことなのですね。
普通のお店では、材料費というのはお客さんが払ったお金の中であまり大きな割合ではありません。お客さんが払ったお金の中から材料費を引いて、その残りでコックさんの給料などを払っているわけですから、2人分の料金を払ってくれる人がいれば材料費が2倍かかってもお店に残る分はたくさんあるわけです。だから2人分食べてくれたら1,000円おまけするよって言っても十分お店としてはそうでない場合より儲かっているということになるわけです。

では、今日のまとめです。
ビュッフェスタイルのレストランは一度に大量の料理を作ることができる。また朝から料理を作るので、コックさんがフル稼動できる。注文に備えて食材の在庫を持つ必要がない等々、色んなメリットがあるので食欲旺盛なお客さんばかり集まってきても大丈夫なわけです。

分野: 景気予測 |スピーカー: 塚崎公義

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