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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 内航海運 ② (国際経営、国際物流/星野裕志)

内航海運 ②

星野裕志 国際経営、国際物流

16/01/19

昨日は、国内輸送を専門に行う内航海運の重要性について、お話ししました。離島の生活を支える航路やフェリー、原料や産業用の貨物、コンテナなどを輸送する役割を担うということでした。

国内輸送用には、さまざまな種類の内航船舶が5,200隻も従事していることをお話ししました。外航海運が、海外の港と国内の港の間に貨物を輸送するのに対して、内航海運は、国内の港の間の貨物輸送を担当しています。但し、内航海運が扱うのは、単に国内の貨物だけではなく、海外から輸入された貨物や海外に輸出される貨物も含まれます。

例えば昨日は、内航用としては最大規模のコンテナ船が就航したことを紹介いたしましたが、このコンテナ船は国内間のコンテナ貨物の輸送と共に、京浜や阪神の港、具体的には神戸港や横浜港で大型の外航コンテナ船から荷揚げされたコンテナを日本各地に輸送したり、日本の港から輸出用のコンテナをこれらの港に輸送する役割を持っています。これをフィーダー輸送といいます。国内の拠点となる港に、地方港から輸送した貨物を外航のコンテナ船に接続するということになります。

私たちにはあまり馴染みのないと思われていた内航海運は、実は非常に重要な役割を果たしているということです。実はその内航海運が、今後ますますその重要性を増すことになります。その理由は、今後想定される労働力不足と環境対応の大きく二つによるものです。

トラック業界は、現在大変深刻な労働力不足に直面しています。総務省の調査によれば、現在道路貨物輸送業、いわゆるトラック業界に携わる約187万人の内、7割弱が40歳以上の中高年層ということです。トラックのドライバーに若手のなり手が少ないことや今後の中高年層の退職によって、ますます人手不足は加速します。問題は、特に長距離トラックのドライバーに顕著のようです。労働環境の厳しさや賃金の低さも影響しているとのことです。

トラックで必要な貨物が運べなくなるという可能性もあり、既にその問題は顕在化しています。そしてもうひとつが、物流の環境対応です。地球温暖化対策など環境問題に対する意識が高まる中で、物流に従事する輸送機関の環境対応が求められています。その筆頭が、トラック輸送です。

1トンの貨物を1キロ輸送するために排出するCO2の量を比較すると、内航海運の船舶であればトラックの6分の1、鉄道輸送であれば約9分の1程度とのことです。そのように考えると、先ほどの今後想定される労働力不足と環境対応に向けて、貨物の輸送をトラックに代えて、大量輸送機関を利用するという動きが、再びクローズアップされてきました。これを「モーダルシフト」と言います。

輸送機関を意味する輸送モードをシフトさせるという意味で、実は1991年頃から当時の運輸省でも推進してきたのですが、現在では、環境と人手不足から、さらに真剣に取り組まなければならない重要な課題になってきています。

トラックに代わって、鉄道や内航船の利用をすることで、両方が解決できるかというと、すべてが解決できるわけではありませ。輸送機関の特性やコストの問題があるので、必要に応じてシフトをするということになります。

もう少し具体的に言えば、先日乗せていただいたコンテナを548個積載できる内航のコンテナ船は、11名で運航されていました。同じ数のコンテナをトラックで運ぼうとすれば、最大548人からその半分のドライバーが必要になります。
ただ、船が運べるのはあくまでも港までですし、鉄道でも駅までです。そうなると近距離はトラックで、500キロを超える長距離は鉄道、あるいはさらに長距離は内航海運の利用ということが現実的な選択になります。実際に日本の大手の企業で、500キロ程度を目安に、モーダルシフトを進めている企業が見られます。深刻な課題の解決に向けて、内航海運の重要性が理解できるかと思います。

今後想定される労働力不足と環境対応に向けて、貨物の輸送をトラックに代えて、大量輸送機関を利用するという「モーダルシフト」が再び注目されており、その受け皿としても、内航海運の重要性がさらに高まると考えられます。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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