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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 内航海運 ① (国際経営、国際物流/星野裕志)

内航海運 ①

星野裕志 国際経営、国際物流

16/01/18

先日、神戸に本社のある井本商運という海運会社の運航する「なとり」というコンテナ船の処女航海に、門司港から神戸に乗せていただきました。当日夕方のNHKのニュースでも取り上げられていましたが、このコンテナ船にはふたつの特徴があります。

ひとつが、内航いわゆる国内航路用としては最大の規模であることです。今や外国航路のコンテナ船は、積載量が20フィートのコンテナの大きさに換算して、1万8千個から2万個の巨大なコンテナ船が建造されていますが、内航用としては国内最大の548個積みということです。これは従来の内航コンテナ船の2倍から3倍の積載量になります。

もうひとつの特徴が、このコンテナ船がとてもユニークな球状船首という構造であることです。なかなか説明しづらいのですが、初期の新幹線である0系という丸いノーズをイメージしてください。船の先端である船首部分が球状であることです。この形状の船は、ヨーロッパには2隻あるそうですが、国内では初めてで、下関の造船所で建造されました。その理由は、新幹線と同様に、少しでも風の抵抗を軽減する目的です。確かに今回の航海中に、船首部分に近づいてみましたが、前から横からの大変な風で、球状の構造で、約1割の燃費の向上が期待できるのもよくわかります。

これから京浜から阪神、門司・博多航路に投入されるそうですので、今まで見たこともないユニークな形の船をどこかで目にされることもあると思います。それが、内航コンテナ船のなとりです。今日と明日の2回でお話ししたいのは、この船の乗船記ではなくて、内航海運の重要性についてです。

内航海運というのは、外国航路の外航海運に対比する言葉で、内航海運は国内輸送を担当する海運業のことです。内航海運の業界団体である日本内航海運組合総連合会によると、現在5,200隻の内航船が、国内輸送の約4割を担っているそうです。

国内輸送といえば、一般にはトラックや鉄道を思い浮かべられるかと思いますが、例えば石油やセメントや原料などの産業用の貨物はもちろんのこと、一部にはコンテナを利用して日常用の商品なども輸送されており、なくてはならない存在です。

内航航路の役割は、博多港で考えれば、まず第一に壱岐、対馬や近隣の島への離島航路があります。日常生活に必要な食料や日用品の輸送という生活航路の維持という重要性があります。

第二には、北部九州で生産された自動車は、直接中国を中心とするアジア諸国にも輸出されていますが、一旦名古屋などに運ばれて、他の地域で生産された自動車と合わせて大型の自動車船で欧米に輸出するケースがありますが、その場合には内航の自動車船で輸送されることになります。

三番目には、近畿地方に向かうトラック輸送も、実はフェリーという内航船を使っているケースが多く見られます。特に新門司港から大阪や神戸に向けた瀬戸内海のフェリーを利用することで、翌朝に下船して、効率的なトラック輸送が可能になります。

その他にも、石油、液化天然ガスなどの資源や、セメントや穀物、原料などが、海外から大型の貨物船で輸入される際に、博多や北九州、神戸などの特定の港に陸揚げされた後に、小型の船舶に載せ替えて国内に輸送されることも一般的です。

離島航路、フェリーといえば馴染みがありますし、製品や原料を国内の港との間に輸送する手段が、内航船と聞くと良く理解できます。

国内の海上輸送を担うのが、内航海運であり、内航船といわれる船舶です。
トラックや貨物列車で運ぶことができるサイズや量の制約を考えると、国内輸送にとって内航海運は大変に大きな役割を果たしているということになります。特に、最近は貨物輸送の環境配慮という点でも、注目されています。このおはなしは、明日させていただきます。

分野: 国際ロジスティクス 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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