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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > キーワードで理解するイノベーション・マネジメント (11)ゲートキーパー (技術経営、科学技術政策/永田晃也)

キーワードで理解するイノベーション・マネジメント (11)ゲートキーパー

永田晃也 技術経営、科学技術政策

16/01/20

 今回と次回は、イノベーションを追求する組織の内部、あるいはその組織と外部とのコミュニケーションに関連するキーワード取り上げてみたいと思います。まず、「ゲートキーパー」です。

 ゲートキーパーという言葉は、一般的には「門番」という意味を持っていますが、ここでは技術情報の出入りを左右する研究者のことを言います。
 かつてMITのトーマス・アレンという研究者は、ある研究開発組織のメンバーに実際のコミュニケーションの状況を記録してもうことによって集めた詳細なデータを分析しました。その結果、組織の多くのメンバーからコミュニケーションのパスを受け取る研究者が存在していることを発見しました。そして、そのような研究者は、組織の外部の情報源に精通していて、豊富な外部情報源から得られた技術的な情報を、効果的に組織のメンバーに伝える役割を担っているということを明らかにしました。アレンは、そうした役割を非公式に担っている研究者をゲートキーパーと呼んだのです。

 こうしたゲートキーパーの存在が、イノベーションにどのような効果をもたらしているのかについては、多くの研究が行われてきたわけではありません。しかし、アイデアの創出段階では外部とのコミュニケーション、問題解決段階では研究開発組織内部でのコミュニケーション、イノベーションの導入段階では研究開発組織と他部門とのコミュニケーションにおいて、重要な効果をもたらしているとする論文があります。
 また、ゲートキーパーとは別に、ゲートキーパーを情報源としながら、その情報を組織のメンバーに伝達する役割を担う者がいるという点に着目した研究も行われてきました。そうした役割の担い手は、トランスフォーマーと呼ばれました。

 研究開発組織のメンバーが、活発にコミュニケーションを行うほど、多様なアイデアや情報がメンバー間に共有されて、組織の業績が高くなるということは、古くから指摘されてきたことです。しかし、コミュニケーションはただ活発であれば良いというのではなく、効果的なパターンが存在するということを、ゲートキーパーの発見は示唆しています。ゲートキーパーが研究開発組織の業績を高める効果を持っているのであれば、その非公式な存在を認知し、その役割を支援することがイノベーション・マネジメントの課題になります。


今回のまとめ: ゲートキーパーとは、組織外部の情報源に精通し、豊富な外部情報源から得られた技術的な情報を、効果的に組織のメンバーに伝える役割を非公式に担っている研究者です。

分野: イノベーションマネジメント |スピーカー: 永田晃也

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