QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

ブログ&ポッドキャスト詳細

QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > CCRCの特徴 (公共政策、地域政策、産学連携/谷口博文)

CCRCの特徴

谷口博文 公共政策、地域政策、産学連携

15/12/30


今日はCCRCについて話します。特に、日本政府が行おうとしている日本版CCRCに着目します。

CCRCとは、Continuing Care Retirement Communityのことです。医療や介護といったケアサービスを伴う、高齢者が自律的に暮らして行く終の棲家となるコミュニティを意味します。このラジオ番組に出演されている馬場園先生が、以前に高齢者健康コミュニティと名前を付けていらっしゃいました。有職者会議では、生涯活躍の町と名付けています。要するに、元気な高齢者が自分の趣味や経験を活かし、地域と一緒に元気に活動しながら、医療や介護を含めた総合的なサービスを受けられる住まいです。もともとは、コミュニティを大切にするアメリカの宗教活動から始まったものと聞いています。人間の生き方を実現し、それをビジネスとして動かして行くというところが、非常にユニークかつアメリカ的のように思います。

高齢者にとっては、自分が住んでいるところを離れなくてもよいという点で、安心を覚えます。たとえば入院した際には生活が一変しますし、病院そのものを変えなければならないこともありえます。あるいは施設に入った場合には、自宅という拠り所から切り離されることとなります。病気の時や介護の時、そして元気な時のそれぞれにおいて場所を変えて行くのと、変わらない終の棲家があるのとでは、安心感が随分違います。

これを日本にも導入しようということで、日本版CCRCが検討されています。しかし何が日本版で何がCCRCかという点については、実は未だよくわかっていません。日本とアメリカとでは、法人制度が全く異なります。日本には医療法人や社会福祉法人などのいろいろな法人形態があります。また、株式会社がどこまで手を伸ばしてもよいか、病院がマンションを経営できるのかなど、事業主体をどうするかといった点においても、いろいろと難しい話が出てきます。このように制度的にアプローチしようとすると、何をもって日本版CCRCと言ったらよいのか難しくなります。

ただ、大切なことは、何を実現しようとしているのかという点です。単にマンションやプールを作って「どうぞ使ってください」とするのとは異なり、継続的にサービスを提供する終の棲家として在り続ける必要があります。そうしたことができるような体制をつくるためには、自律的な生き方を尊重した上で、現状の縦割りではなく、総合的に考えて行かなければなりません

日本でも、地域包括ケアシステムが既に存在しています。これは、医療や介護をばらばらにするのではなく、地域として包括的にこれらのサービスを提供しようというものです。また、サービス付高齢者住宅は、高齢者のためのサービスを付した住宅です。厚生労働省と道路交通省が一緒になって作っています。しかしこれらは、元気な時用の住宅です。現在ではさらに、介護医療が必要になった時も踏まえて、総合的に考えようという方向で進んでいます。制度が日本とアメリカとでは異なる以上、運営主体をどうするか、事業をどう動かすかという点が、今後議論の焦点になってきます。特に東京に人口が一極集中している現状、地方創生という大きなテーマの中で取り扱って行かなければなりません。高齢者の問題と東京の問題が絡まり合う中、どうやってこれらの問題を解決するのか、注目したいところです。

分野: パブリックマネジメント |スピーカー: 谷口博文

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ